版納古樹熟餅2010年 その53.
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
餅面にうっすら黄色っぽい粉が見える。
金花(麹菌の一種)。良性のカビ。
生きているうちは黄色のチョークの粉のような鮮やかな色をしている。
写真のはくすんだ色なので、すでに死んでいると思われる。
夏頃に増殖して、季節がかわって空気が乾燥してきたので枯れ死んだのだろう。
そのままにしておくと一年くらいで姿を消して見えなくなる。
いったん発生すると胞子がたくさん残されているので、また条件が揃えば出てくるだろう。
黒茶と分類される微生物発酵のお茶の多くが製造工程で金花が活躍する。湖南省の茯茶、広西省の六堡茶、四川省の藏茶、安徽省の六安など。
プーアール茶の熟茶は黒茶であるが、製造工程では目立たない。居るのか居ないのかわからない。おそらく渥堆発酵の主役の黒麹菌が金花に増殖するスキマを与えないからだ。
金花が見つかるのは保存熟成のとき。
過去に西双版納の個人から入手した熟茶には餅茶の内側にビッシリ黄色い粉があった。
写真に残っている。
+【大益貢餅熟茶98年崩し】
金花が出るとお茶の風味が良くなる。
なので金花を増殖させたい。
温度や湿度を調整したり、他の黒茶から種麹を採取して撒いたり、過去にいろいろ試したがうまくゆかなかった。
京都での茶箱熟成は6年目くらい、金花が出たのは今回がはじめて。
もしかしたら過去にも出ていた可能性はあるが、気付くことはなかった。
金花は気難しいやつで、茶箱の中のすべての餅茶に出ているわけではないし、また一枚を崩してみても金花が出ているところと出ていないところのムラがある。
金花のたくさん出ているところの茶葉はユルユルで、手でカンタンに崩せる。
一方で、金花の出ていないところは相変わらずカチカチに固まっていて、目打ちを刺してほぐさなければ茶葉が剥がせない。
餅茶がカチカチに固まっているのはでん粉質や糖質などの粘着成分があるから。金花はそれを食べているのかもしれない。
お茶の味は、より透明感が増して、サラッとした後味になって、お香のような香りに変化して、熟茶独特の野暮ったい味噌っぽい香りが抜けている。
高級感が出ていい感じ。
そのうち金花の出やすい環境づくりのコツをつかめると思う。
理想は、生茶に金花が発生すること。
製造工程で微生物発酵していない現代の生茶を後発酵させることができたら、正真正銘の黒茶のプーアール茶になる。
微生物発酵していない栄養環境を金花が好まないだろうからカンタンではない。
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
餅面にうっすら黄色っぽい粉が見える。
金花(麹菌の一種)。良性のカビ。
生きているうちは黄色のチョークの粉のような鮮やかな色をしている。
写真のはくすんだ色なので、すでに死んでいると思われる。
夏頃に増殖して、季節がかわって空気が乾燥してきたので枯れ死んだのだろう。
そのままにしておくと一年くらいで姿を消して見えなくなる。
いったん発生すると胞子がたくさん残されているので、また条件が揃えば出てくるだろう。
黒茶と分類される微生物発酵のお茶の多くが製造工程で金花が活躍する。湖南省の茯茶、広西省の六堡茶、四川省の藏茶、安徽省の六安など。
プーアール茶の熟茶は黒茶であるが、製造工程では目立たない。居るのか居ないのかわからない。おそらく渥堆発酵の主役の黒麹菌が金花に増殖するスキマを与えないからだ。
金花が見つかるのは保存熟成のとき。
過去に西双版納の個人から入手した熟茶には餅茶の内側にビッシリ黄色い粉があった。
写真に残っている。
+【大益貢餅熟茶98年崩し】
金花が出るとお茶の風味が良くなる。
なので金花を増殖させたい。
温度や湿度を調整したり、他の黒茶から種麹を採取して撒いたり、過去にいろいろ試したがうまくゆかなかった。
京都での茶箱熟成は6年目くらい、金花が出たのは今回がはじめて。
もしかしたら過去にも出ていた可能性はあるが、気付くことはなかった。
金花は気難しいやつで、茶箱の中のすべての餅茶に出ているわけではないし、また一枚を崩してみても金花が出ているところと出ていないところのムラがある。
金花のたくさん出ているところの茶葉はユルユルで、手でカンタンに崩せる。
一方で、金花の出ていないところは相変わらずカチカチに固まっていて、目打ちを刺してほぐさなければ茶葉が剥がせない。
餅茶がカチカチに固まっているのはでん粉質や糖質などの粘着成分があるから。金花はそれを食べているのかもしれない。
お茶の味は、より透明感が増して、サラッとした後味になって、お香のような香りに変化して、熟茶独特の野暮ったい味噌っぽい香りが抜けている。
高級感が出ていい感じ。
そのうち金花の出やすい環境づくりのコツをつかめると思う。
理想は、生茶に金花が発生すること。
製造工程で微生物発酵していない現代の生茶を後発酵させることができたら、正真正銘の黒茶のプーアール茶になる。
微生物発酵していない栄養環境を金花が好まないだろうからカンタンではない。
- 2023.11.09 Thursday
- プーアール茶2010年
- 23:22
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- by ふじもと