中茶牌65周年青磚03年 その12.
製造 : 2003年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
(今回の記事は写真なし)
お茶の感想:
市川孝さんの茶壺の展覧会に行ってきた。
会場の庭(下鴨神社の門前の川口美術さん)では薬草茶遊びが催された。
市川さん自作の茶道具の数々。
インスタなどで見ていたが、実際にナマで見るのは初めて。
少数民族や江戸時代のような道具たちは、子供の頃の水遊びや火遊びの面白さを思い出させる。
いろんな生薬の材料を混ぜ合わせたり煮出したりするのも、くすぐるものがある。
道具のチカラはすごいと思う。
たまたま同じ時間に居合わせた茶席のメンバーが男性5人。市川さん合わせて6人。
最終回だったので日が暮れて薄暗くなっていったが、まだ遊び足りない。みんなもそんな気持ちだったと思う。
最後の締めはやはりお茶でしょ!とリクエストしたら、『中茶牌65周年青磚03年』が出てきた。
3年ほど前に市川さんが購入されていた。
自分の手元にあるのとは熟成環境が異るので、どんな味になっているか楽しみ。
市川さん自作の炉の炭火で茶葉を温めて”水抜き”したら、かなり湿気ているのがわかった。密封保存していても、市川さんは屋外で茶席をすることが多いから、出し入れするときに水が入りやすい。
ちょっとの湿気で悪くなるようなヤワな茶葉ではないから大丈夫。
今回の展覧会は茶壺がメインだったので、市川茶壺でお茶を淹れた。(自分が淹れることになった。)
琵琶湖の湖底の古土の茶壺は、釉薬をつかわない素焼き。あきらかに高温で焼き締まった石っぽい硬度。蓋と胴体を当てるとカン!と高い音が鳴る。
ザラザラの表面の質感だがギリギリを攻めた薄手につくられている。これ大事。
こういうのは茶葉を選ぶ。中国宜興土のようにどんなお茶を淹れても美味しいというわけにはゆかない。
このお茶『中茶牌65周年青磚03年』の古びた味との相性は良いはず。
茶葉の素質の良さ以外に雑音が多い。湿気た味や、もともとの雑なつくりの味など。
1煎めからこれらの味をひとつにまとめるには、蒸らし時間を長くしてじっくり待ちたい。待っても濃くなりすぎないように茶葉の量は少なめにする。
市川茶壺はサイズの大きめのが多いが、おそらく経験からそうなっていったのではないかと思う。湯量が多いと熱量も多いので、じっくり待つことができる。茶壺には土の質とサイズのバランスというのがある。
中国茶の泡茶は1煎めが勝負。この味がキマれば後の煎は安泰。
ちょっと緊張したが、うまくまとまった。
いろんな味が混然一体となりつつ透明感があり、充実感もあり、まさに霊薬としてのお茶が身体に染み入る感覚を味わえた。
薬草茶をいくつか飲んだ後だったが、茶葉のパワーが圧倒的にすごい。茶の酔い感がより際立った。
やっぱりお茶でしょ!。
男たち6人はちょっと静かになって、お茶遊びの終わりの味わいを味わった。
いつのまにかあたりは暗くなって夜がきていた。
後から市川さんから「ぐっと来るものがありました」とコメントをもらったが、他の方々も同じことを感じていたに違いない。
いろいろ偶然が合わさった奇跡の時間だったと思う。
自分はこの茶席にもうひとつ別の効果があることに気付いていた。
それは、男性だけだったということ。
男たちのお茶。
このシチュエーションは久しぶり。
西双版納では茶友たちと上質な茶葉を味わうとなると男たちだけで集まった。とくに仲間と申し合わせたわけではないが、自然とそうなる。
ところが、他の場所ではそうはゆかない。上海のお茶飲み会でも、日本でも、うちの茶教室でも、男性だけがこの人数集まることはなかった。
現代社会でこういうことを言うのは肩身が狭い。女性を尊重していないと解釈される。
台湾茶も日本の茶道も、とっくの昔に女性が対象となって、それに合わせて変化して、今のカタチになっていると思う。
中国茶も台湾茶の影響で女性が主役になりつつある。
何年か前に上海で自作のお茶の試飲会をしたときには、男性がひとりも居ないことが何度かあった。
気持ちはわかる。女性が圧倒的に多い中におっさんひとりかふたりでは居心地が悪いのだ。
男の聖地としてお茶。中国茶の古き良き世界観をとどめておきたい。
お茶席はしつらえや作法でその世界観を表現するが、そこに居るのが女性か男性か、性別によるところのほうが世界観をつくる作用は大きい。
やはりおっさんの独り茶はイケると思う。
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
(今回の記事は写真なし)
お茶の感想:
市川孝さんの茶壺の展覧会に行ってきた。
会場の庭(下鴨神社の門前の川口美術さん)では薬草茶遊びが催された。
市川さん自作の茶道具の数々。
インスタなどで見ていたが、実際にナマで見るのは初めて。
少数民族や江戸時代のような道具たちは、子供の頃の水遊びや火遊びの面白さを思い出させる。
いろんな生薬の材料を混ぜ合わせたり煮出したりするのも、くすぐるものがある。
道具のチカラはすごいと思う。
たまたま同じ時間に居合わせた茶席のメンバーが男性5人。市川さん合わせて6人。
最終回だったので日が暮れて薄暗くなっていったが、まだ遊び足りない。みんなもそんな気持ちだったと思う。
最後の締めはやはりお茶でしょ!とリクエストしたら、『中茶牌65周年青磚03年』が出てきた。
3年ほど前に市川さんが購入されていた。
自分の手元にあるのとは熟成環境が異るので、どんな味になっているか楽しみ。
市川さん自作の炉の炭火で茶葉を温めて”水抜き”したら、かなり湿気ているのがわかった。密封保存していても、市川さんは屋外で茶席をすることが多いから、出し入れするときに水が入りやすい。
ちょっとの湿気で悪くなるようなヤワな茶葉ではないから大丈夫。
今回の展覧会は茶壺がメインだったので、市川茶壺でお茶を淹れた。(自分が淹れることになった。)
琵琶湖の湖底の古土の茶壺は、釉薬をつかわない素焼き。あきらかに高温で焼き締まった石っぽい硬度。蓋と胴体を当てるとカン!と高い音が鳴る。
ザラザラの表面の質感だがギリギリを攻めた薄手につくられている。これ大事。
こういうのは茶葉を選ぶ。中国宜興土のようにどんなお茶を淹れても美味しいというわけにはゆかない。
このお茶『中茶牌65周年青磚03年』の古びた味との相性は良いはず。
茶葉の素質の良さ以外に雑音が多い。湿気た味や、もともとの雑なつくりの味など。
1煎めからこれらの味をひとつにまとめるには、蒸らし時間を長くしてじっくり待ちたい。待っても濃くなりすぎないように茶葉の量は少なめにする。
市川茶壺はサイズの大きめのが多いが、おそらく経験からそうなっていったのではないかと思う。湯量が多いと熱量も多いので、じっくり待つことができる。茶壺には土の質とサイズのバランスというのがある。
中国茶の泡茶は1煎めが勝負。この味がキマれば後の煎は安泰。
ちょっと緊張したが、うまくまとまった。
いろんな味が混然一体となりつつ透明感があり、充実感もあり、まさに霊薬としてのお茶が身体に染み入る感覚を味わえた。
薬草茶をいくつか飲んだ後だったが、茶葉のパワーが圧倒的にすごい。茶の酔い感がより際立った。
やっぱりお茶でしょ!。
男たち6人はちょっと静かになって、お茶遊びの終わりの味わいを味わった。
いつのまにかあたりは暗くなって夜がきていた。
後から市川さんから「ぐっと来るものがありました」とコメントをもらったが、他の方々も同じことを感じていたに違いない。
いろいろ偶然が合わさった奇跡の時間だったと思う。
自分はこの茶席にもうひとつ別の効果があることに気付いていた。
それは、男性だけだったということ。
男たちのお茶。
このシチュエーションは久しぶり。
西双版納では茶友たちと上質な茶葉を味わうとなると男たちだけで集まった。とくに仲間と申し合わせたわけではないが、自然とそうなる。
ところが、他の場所ではそうはゆかない。上海のお茶飲み会でも、日本でも、うちの茶教室でも、男性だけがこの人数集まることはなかった。
現代社会でこういうことを言うのは肩身が狭い。女性を尊重していないと解釈される。
台湾茶も日本の茶道も、とっくの昔に女性が対象となって、それに合わせて変化して、今のカタチになっていると思う。
中国茶も台湾茶の影響で女性が主役になりつつある。
何年か前に上海で自作のお茶の試飲会をしたときには、男性がひとりも居ないことが何度かあった。
気持ちはわかる。女性が圧倒的に多い中におっさんひとりかふたりでは居心地が悪いのだ。
男の聖地としてお茶。中国茶の古き良き世界観をとどめておきたい。
お茶席はしつらえや作法でその世界観を表現するが、そこに居るのが女性か男性か、性別によるところのほうが世界観をつくる作用は大きい。
やはりおっさんの独り茶はイケると思う。
- 2023.11.02 Thursday
- プーアール茶2003年
- 08:02
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- by ふじもと