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茶教室・京都

漫撒生態紅餅2014年 その3.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨小茶樹および古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 手すき紙+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗
メコン川
メコン川
メコン川
チェンコーン滞在最後の朝。

お茶の感想:
紅茶づくりは製茶時の太陽や風や気温や湿度が影響する。
『漫撒生態紅餅2014年』。
雲南紅茶
漫撒生態紅餅2014年
飲むときのコンディションも実は影響している。

西双版納に戻った。
ラオスから国境を超えると雰囲気が違ってくる。
西双版納
西双版納
いろんな民族がごちゃごちゃ居て、人々の営みがいたるところにあり、山の緑さえも活気がみなぎっているように感じる。
平地が少なくなり、山を縫って吹くそよ風が心地よい。
タイ・ラオスのメコン川沿いの、湿気と太陽の厳しい穀倉地帯とは対照的。
お茶という植物は涼しいところが好き。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その15.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー京都 梅干し壺
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
鴨川
鴨川
鴨川

お茶の感想:
オリジナルの紅茶2種。
2010年と2014年。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
『漫撒生態紅餅2014年』。
いずれも晒干と圧餅で仕上げてある。
太陽で茶葉を焦がしたほうが良い。
蒸した熱で成分が安定して、これも長期保存に良い。
具体的に何年まで保存できるのか?飲み頃はいつなのか?
まだ分からないけれど、2010年のはすでに4年経っているけれど、今もなお安定した美味しさ。
衰えを感じさせないどころか、熟成ならではの落ち着いた雰囲気。
たまたまこのお茶がそうなのであって、同じ製法で仕上げた紅茶が必ずこうなるとは限らない。
壺での熟成を試してみた。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
紅茶の保存はプーアール茶よりも乾燥と密封に気を使っている。
熟成壺は蓋がゆるくて通気があるので変化を促す。プーアール茶には良いが紅茶にはどうだろう?
今回は既製の梅干し壺を利用した。
壺の中には生茶も熟茶も一緒に入れている。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
壺入り7ヶ月めになる。
包み紙の香りも餅面の茶葉の香りもすでに紅茶から離れて、生茶の年代モノみたいになってきた。洗茶無しの1煎めの風味も生茶に似ている。
巴達古樹紅餅2010年と漫撒生態紅餅2014年
巴達古樹紅餅2010年と漫撒生態紅餅2014年
左: 巴達古樹紅餅2010年
右: 漫撒生態紅餅2014年
2煎めからはコロっと変わって紅茶らしさを取り戻す。
できたての『漫撒生態紅餅2014年』は1煎めの香りや味のアピールは強いが、『巴達古樹紅餅2010年』はそのあたりがぼんやりしている。それでも2煎めには肩を並べる。
熟成の味を知らない母に飲ませたところ、どちらも古いとは感じない様子で、まろやかで美味しいのは『巴達古樹紅餅2010年』のほうだと言った。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
熟成風味には独特の美しさがあると思う。
陰と陽のバランスみたいなもの。
新鮮と劣化の境界線。
あいまいではなくはっきりしている。

漫撒生態紅餅2014年 その2.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨小茶樹および古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 手すき紙+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒生態紅餅2014年

お茶の感想:
『漫撒生態紅餅2014年』は、軽発酵と火入れについて自分なりに理想的に仕上がった紅茶だと思う。
農家といっしょに茶摘みをするところからはじまり、圧延して餅茶になるところまで、すべて手づくりで常温管理だから、その日の茶葉のコンディションや、その日の天候に左右される。見たり触ったり嗅いだりして変化を確かめつつ、なるべく思い通りになるよう調整するのは、原始的に見えるようで意外と高度な技術かもしれない。
徹底的に晒干(天日干し)して、圧餅後も直射日光でバッチリ焼いた。
圧延加工の蒸気はいつもより薪一本分強めに火力を調整して、さらに15秒ほど長めに蒸している。
この紅茶づくりの手法では”鮮味”が残る。
鮮味とは、摘みたての新鮮な”生”の持つ刺激。シワシワと舌を痺れさせるような感覚。下手をすると喉に引っかかるので、火をしっかり入れて(熱を通して)鮮味を取り除くのが定石である。
ところが、鮮味もまた美味しさを構成する大切な要素になる。
火入れしすぎて刺激がなくなると、まったく飲みごたえのない紅茶になる。喉にも多少は刺激がないと喉越しの余韻がなくなる。
今日は、西双版納の茶山の茶葉でつくられた紅茶4種を飲み比べた。
西双版納の紅茶飲み比べ
西双版納の紅茶飲み比べ
1. 易武古樹紅茶2013年
2. 南糯山生態紅茶2013年
3. 巴達古樹紅餅2010年紅茶
4. 漫撒生態紅餅2014年 このお茶
1番目(左)の『易武古樹紅茶2013年』は、あきらかに質の違う色になっているが、実はこれがもっとも一般的な手法でつくられた紅茶。晒干しないで機械乾燥で火入れしてある。
2番目の『南糯山生態紅茶2013年』は、晒干した毛茶を最後に機械乾燥して火入してある。
3番目の『巴達古樹紅餅2010年紅茶』は、晒干した毛茶を圧延加工するときの蒸気の熱を最後の火入れとし、餅茶の乾燥は乾燥室の熱風であるが、この熱は低温で味を左右するほどではない。
4番目の『漫撒生態紅餅2014年』は、晒干した毛茶を圧延加工するときの蒸気を最後の火入れとし、餅茶の乾燥は涼干(陰干し)と晒干で仕上げてある。
とてもアバウトだが数字で火入れ度を表してみる。
『易武古樹紅茶2013年』=95%
『南糯山生態紅茶2013年』=50%
『巴達古樹紅餅2010年紅茶』=40%
『漫撒生態紅餅2014年』=30%
やはり鮮味に差がでて、『易武古樹紅茶2013年』は口あたりまろやかで喉越しも軽い。職人の腕が良いのか、ありがちな糖質の焦げたようなチョコレート風味は少しも感じられない。
単独で飲むと良いのだが、こうして4つ並ぶと鮮味の残った紅茶に負けてしまう。ブワッと吹き上げるような香り、舌をヒリヒリさせながら沁み入るような味、おもわず「アッー」とため息を吐きたくなる喉越し。これらは鮮味の刺激と共にあるものらしい。
紅茶の採点基準をどこに置くかということになるが、西双版納の野性味を表現するは鮮味があるほうが良いと思う。
西双版納の紅茶飲み比べ
紅茶の評価はひとつ飲むごとに水を飲んでリセットする。
生茶のプーアル茶の試飲ではその必要がないのに、紅茶では水を挟まないと分かりにくくなる。鮮味で舌が痺れるので、どれも同じような味に感じてしまうからだろうか。
その他に感じたのは、『易武古樹紅茶2013年』と『漫撒生態紅餅2014年』は香りに似たところがある。『南糯山生態紅茶2013年』と『巴達古樹紅餅2010年紅茶』とは香りだけでなく味もよく似ている。これは孟臘県と孟海県、メコン川を境に東と西の茶の品種の違いだと思われる。
このお茶『漫撒生態紅餅2014年』は、この中ではもっとも軽発酵度を軽く仕上げてある。ちょっと白茶にも似た草っぽい感じの風味が涼しくて良いが、味に旨味があり、やや滋味深さに欠けるように思う。その点で『巴達古樹紅餅2010年紅茶』は軽発酵度が高いゆえの奥深さがありながら、味の透明度が高く、古茶樹の滋味が現れている。
また、その観点で見ると『南糯山生態紅茶2013年』は実にバランスよく出来ている。樹齢70年くらいだから西双版納では若い茶樹になるが、透明感があり滋味深く、素材として申し分ない。軽発酵度や鮮味の調整もちょうど良い感じがするので、今後の手本にしたい。
一日かけてけっこうな量を飲んだが、紅茶は体への当たりがやさしく、生茶のようにフラフラになったりはしない。軽発酵度が高くなるほど身体にはやさしい。これと鮮味の刺激とは関係がないのだと思う。
とにかく、西双版納の紅茶は、雲南紅茶を代表する「滇紅」(デン紅)とはちょっと違う路線である。

ちょっと前に飲んだ酸っぱい熟茶。
+【中茶吉幸牌高級熟散茶00年】
中茶吉幸牌高級熟散茶00年プーアル茶
前回は3月24日だったから、ステンレス缶に移してから1ヶ月以上経った。
14年間も密封保存されたから酸っぱくなったのではないか?と考えてみたが、今回淹れてみてもやはり酸っぱい。もう十分に空気に触れたはずだから、おそらくこれは密封保存の問題ではなく、元の茶葉が悪かったのだと思う。
あくまで推測だが、原料の晒青毛茶がすでに傷んでいた。
飲めない茶葉は布袋にでも入れて冷蔵庫に入れると強力な消臭剤となる。

漫撒生態紅餅2014年 その1.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨小茶樹および古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 手すき紙+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗
漫撒生態紅餅2014年
漫撒生態紅餅2014年

お茶の感想:
この春に紅茶をつくった。
丁家老寨の農家といっしょに茶摘みをして、山で布を広げてそのまま萎凋させて・・・(中略)・・・餅茶に仕上がる。製茶工程は『巴達古樹紅餅2010年紅茶』とほぼ同じ。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
ただ、今回はすべて自分の判断で調整した。
萎凋、揉捻、軽発酵、晒干、圧餅、緑の鮮葉が紅茶になってゆくのをじっくり見て、触って、嗅いで、齧って、飲んで、観察した。2日にわけて2回つくって、軽発酵度の若干異なる2つの風味ができた。これを混ぜあわせてひとつの餅茶にした。
漫撒生態紅餅2014年
透明感のある爽やかな紅茶。
芹(セリ)のようなキリッとした香り。バラのような甘い香り。なめらかな口当たり。キラキラした水滴が喉を伝うような涼しい喉ごし。ピリピリと舌に残る余韻。8煎めまで続けられる耐泡。
漫撒生態紅餅2014年
オレンジ色の葉脈の葉は軽発酵すると赤くなる。
「世界一美味しい紅茶だ」と言える。
無農薬・無肥料。一本一本独立して実生で育つ茶樹。旬の走りの茶葉。天日干しと圧餅の蒸気熱だけのやさしい火入れ。こんなのはほんとうに他にはない。
漫撒生態紅餅2014年

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茶想

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