茶想
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試飲の記録です。<br />
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刮風茶王樹青餅2020年 その5.
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶王樹
茶廠 : 農家と茶友
采茶 : 5月3日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶200gサイズ
数量 : 10枚
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁...
茶廠 : 農家と茶友
采茶 : 5月3日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶200gサイズ
数量 : 10枚
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁の茶海+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
2024年1月に4年ぶりに西双版納に訪問し、ついでにプーアール茶最大の消費地である広州も訪ねた。
生茶の熟成方法に変化を見つけた。
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前置き。
生茶の熟成は新世代になっている。
旧世代の黒茶の生茶に対して、新世代は緑茶の生茶。
通信講座#001を参照。
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
旧世代と新世代の境は1990年初期の頃。
写真のお茶は西双版納の茶友が所有していた1990年代中期の生茶。
易武山の茶葉。晒青毛茶の段階ですでに微生物発酵していた旧世代ではあるが発酵が浅いせいか、茶葉の湿気たダメージによるマイナスイメージの味が少しある。1990年代中期は新世代との境目に近いところ。
新世代の生茶の長期熟成については混迷している。
大きく二手に分かれる。
過去の旧世代のやり方を継承するか、緑茶として新しい保存方法にするか。
かつての消費地は広東省から東南アジアの華人が主であった。
高温多湿な環境に保存されていた。
新世代の緑茶タイプをこの地域で同じように保存すると湿気て風味が落ちる。
場合によってはカビが生える。(悪いほうのカビ)
旧世代の黒茶タイプは微生物発酵により作られた成分が茶葉を守っている。
抗酸化作用が強かったり、繊維にたくさん穴が開けられて水を吐き出しやすくなっていたり、より甘くなったり、魅力的な香りになったり。発酵による効果で風味は落ちないどころか、美味しさの価値を上げる。
黒麹のつくった抗生物質で他の雑菌が繁殖できない状態になっている。
(黒麹発酵している熟茶で明らかな現象。)
なので、旧世代の保存方法であまり問題がなかった。
1990年初期から徐々に緑茶タイプの生茶に移行して、2000年以降の生茶はほとんど緑茶タイプになった。
(あくまで個人的な経験に基づく見方である。)
旧世代の保存方法が多い西双版納で、湿気て味が落ちることを多くの業者が認識しだしたのが2014年頃。
この頃にはすでに倉庫に空調設備を備える業者があり、湿気ない味の茶葉と湿気た味の茶葉の差が明確になってくる。
ちなみに当店が現地で空調(除湿機)を導入したのは2014年。
西双版納に保存していたオリジナルの生茶は、2014年以前と以降とで味の雰囲気がガラッと変わる。
ここまでが前置き
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2024年1月。
広州の茶友の案内で、易武山茶区の生茶を主力製品にしている中堅メーカーの”歳月知味”の本部に訪問した。
本部は東莞にある。広州と深圳の間にある。
オーナーと幹部の若手が対応してくれた。
歳月は2005年から刮風寨茶王樹の餅茶サンプルを残しており、順番に試飲させてくれた。
2005年、2008年、2013年、2015年、2020年、だったと思う。
歳月の倉庫は何箇所かあるらしいが、メインは東莞にある。
そして2015年から完全に空調設備の整った倉庫に変更している。
中堅メーカーの中では早く変更したほうだと思う。
お茶の味は2015年からガラッと変わる。
それ以前のはどこか雑味(湿気たことによる)がありスッキリしない。
2015年からのお茶はスッキリ。
この結果からみても、湿気やすい環境に茶葉を保存している業者はすべて空調設備を導入するはずだと思える。
注目するべきは2020年の刮風寨茶王樹。
同じく2020年の茶王樹の生茶(同行した広州の茶友のつくったもの)を保有していて京都熟成させている。
(この記事のタイトルになっているお茶。)
東莞熟成と京都熟成の熟し具合が大きく異なる。
たった4年でこれほどまで異なるのかと驚くほど。
東莞は香港にも近い高温多湿な地域で、空調を使用して乾燥を保っていても温度による熟成変化がすすむ。
東莞熟成の茶湯の色はすでにオレンジっぽく赤みがあるのに対して、京都熟成のはまだ緑茶っぽいのがやっと黄色っぽくなった程度。
(東莞のほうの茶葉や茶湯の写真を撮るのを忘れた。以下は京都のもの)
冬でも暖かい気候が変化を促す。
乾燥を保つことにより透明感を保ちつつ、より熟した味を実現している。
知らない人が飲むと、製法の異なるお茶を飲んだように感じるだろう。そのくらい異なる。
この結果をふまえて、現在所有する生茶の保存熟成をどうするか。
検討することにした。
現在はすべて京都熟成にしている。
これからの長期保存のために西双版納など暖かい気候のところに倉庫を移すか。
それともこのまま京都熟成を続けるか。
検討した結果、すべてこのまま京都熟成を続けることにした。
暖かい地域での空調による乾燥保存がひとつの成功例を示したのは明らか。
みんなが同じことを追いかけるようになる。
透明感を残しつつどれだけ早く熟した味を達成するか競争になり、どちらがより赤みのある色をしているか、どちらがより甘く変化しているか、このようにわかりやすい観点で評価されるようになる。
思考の罠。
どちらがより美味しいか、どちらがより美しいか、というわかりにくい観点が後回しになる。
この競争に参加しないで、独自の道をゆく熟成味が10年後により魅力的になるという読み。
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プーアール茶2020年
2024-03-16T10:30:00+09:00
ふじもと
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巴達古樹紅餅2010年 臨時販売
茶葉:
晒干で仕上げた雲南紅茶。
2010年の春の茶葉。
2024年で熟成14年めです。
直近の4年間は京都東山での茶箱熟成です。
お茶づくりのページ。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
泡茶について:
ひとつの例を示します。
茶海・茶杯は白磁をおすすめします...
茶葉:
晒干で仕上げた雲南紅茶。
2010年の春の茶葉。
2024年で熟成14年めです。
直近の4年間は京都東山での茶箱熟成です。
お茶づくりのページ。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
泡茶について:
ひとつの例を示します。
茶海・茶杯は白磁をおすすめします。茶杯は薄手がよいです(微妙な味わいを感じやすいため)。
茶葉は少なめ。ひとりなら1.5g以内、ふたりなら2.0g以内でまずはお試しください。4煎くらいをイメージしていますが、もっと煎を長く続かせたいときは後の煎から茶葉を足してください。
湯の温度は、沸きたてから少し下げたほうが味がまろやかになります。
抽出する濃さのめやすとして、とくに一煎めは明るい黄色くらいの茶湯が”新鮮味”と”熟成味”とのバランスが良くなります。一煎めから赤くなるまで濃くすると苦味や渋味の強い成分が出すぎてバランスが崩れます。二煎・三煎とすすめるにつれ少しずつ赤みが増すくらいがよいです。一煎ごとの抽出時間は大きく異なります。とくに二煎めは茶葉が開いたことで短時間で濃く出やすいので、短めにしてください。三煎以降は長くなります。
そこそこ湯量のある茶壺または蓋碗を選んでください。湯量=熱量です。写真のは110ccの茶壺です。
あくまでひとつの例です。これを応用して、例えば茶葉の量を2倍にしたときにはどんな配分があるか、そのお茶の味の出方はどうか。各自でお試しください。
価格:
巴達古樹紅餅2010年 崩し60g 14,500円 (送料込み)
※一枚モノ約370gをご要望の方はメールにてお問い合わせください。
崩しについては、熟成中の茶葉の繊維に入っている水を抜いて(時間をかけて茶葉を温めて軽く乾かして)から袋詰めしております。袋から茶葉を出し入れしているあいだに少しずつ水が戻ります。袋に残った茶葉を長期保存したときは、再度水抜きをしたほうが美味しく飲めます。
一枚モノは長期熟成を継続される前提で水抜きをしません。ご自身で何回分か飲む分を崩して、水抜きをしてから飲んでください。
条件:
過去に当店から茶葉をお求めになった方。
通信講座の教材を購入された方。
茶教室に参加された方。
どこかでお会いした方。
知人から紹介(メールやSNSで一声)のある方。
上記いずれかに該当する方。
お申し込み手続き:
メールにて、宛先情報+お求めの数、をお教えください。
+【puerchainfo@gmail.com】
メールの返信にて、お支払い手続きのご案内をいたします。
お支払い:
ゆうちょ銀行
スクエアのサイト(URLをお知らせします)クレジットカード決済
ご入金確認後、3日以内に発送いたします。
郵送:
崩し: クリックポスト
一枚: レターパック・ゆうパック・クロネコヤマト
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臨時販売
2024-03-09T10:31:00+09:00
ふじもと
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曼派古樹熟散茶2023年 その3.
采茶 : 2022年秋 2023年春
製造 : 渥堆発酵2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
この原料の茶葉について振り返る。
まず曼派山について。
西...
製造 : 渥堆発酵2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
この原料の茶葉について振り返る。
まず曼派山について。
西双版納の布朗山つづきにある。ミャンマー側の山。
いちばん近い西双版納側の山は勐海県の大勐龍の孟宋。
2008年頃にその孟宋訪問した時の写真ページがある。
+【孟宗の古樹茶】
このとき現地の人からミャンマー側にも茶山があると噂には聞いていたが、まだぜんぜん知られていなかった。
2011年頃にも再訪した記憶があるが、そのときもまだ知られていなかった。
2014年の古茶樹バブルのときに北京の投資家が曼派の借地権を大きく買ったのが噂になって、それから注目されるようになった。
曼派寨は布朗族の村で300世帯あると聞いている。人口は1000人を超える。このあたりの山岳少数民族の村としては大きいほう。布朗族は古い佛教だが、なぜかこの村はキリスト教と同居している。ダイ族の一部の佛教+イスラム教のと似ている。
この地域はミャンマーと中国の特区になっていてレアメタルの鉱山がある。
この鉱山の山の上のほうに村があり、そのさらに上の森に古樹の群生地帯がある。
言うまでもなく土質に特徴がある。
村の共用語は中国語。お金は人民元。植民地時代に西洋人が線を引いたから、たまたまミャンマー側の村になっているが、昔からお茶の仕事などをする中国経済圏の人々。中国・ミャンマーどちらにも親戚縁者がいて、この土地の人々に国境はない。
北京の投資家の仕事は農地の借地権(つまり古樹の群生の借地権)を取得するだけでなく、ここでの製茶技術の向上のために、茶地から村への道を整備したり、製茶場をつくったり(例えば、そのままだったら砂埃の立つ土の地面しかないのでコンクリート舗装した地面が必要。)、中国から職人を派遣したりで、良いお茶がつくれるようになるには少なくとも2年はかかる。
投資額が大きくて、自分のような個人はこの段階では手が出ない。外国人が入れないエリアというのもあるが、たとえ現地に行って一軒や二軒の農家から采茶の権利を買い取ったところで、製茶の品質をどうやって上げるのか?。農家の製茶道具から技術からすべて自費で整えなければならない。
昔からお茶づくりをしていた村だが、昔から高級茶をつくっていたのではない。新芽・若葉を鉄鍋炒りする技術は近年のこと。
西双版納勐海県の新六代茶山はすべてそうで、今や高級茶の代名詞となる老斑章も1980年代までは新芽・若葉を鉄鍋で炒る技術はほとんどなかった。
そのようなわけで噂にはなっていても曼派のお茶に手を出すのは難しい。
きっかけは、西双版納で親しくしている製茶農家の若者が顧客から依頼されて技術指導に足を運ぶようになったから。
サンプルの茶葉を持ち帰るようになったのが2017年頃。
2017年はこの若者から別の地域のミャンマーの茶葉を仕入れている。
+【曼晒古樹青餅2017年 その1.】
このお茶は自分で圧延加工して出品した。
曼派の茶葉のサンプルも試した記憶があるが、この時点では熟茶にするアイデアどころか、生茶にすることも考えなかった。たいして美味しくないと思っていたのだった。
熟茶づくりの原料として意識し始めたのは2018年の秋頃。
別のミャンマーの中国の特別区で鉱山開発をしている温州人の茶友が、その近くの古樹を原料にした熟茶づくりの実験を始めた。
この記事あたりから登場する。
+【温州人第六批熟茶2018年 その1.】
美味しいかどうかはともかく、しっかり古樹味のある茶葉。
2014年からの古樹茶ブームで西双版納の有名茶山は古樹味の濃いのを選ぶのが難しくなってきた。
それに比べたら、まだ人気の集中していないミャンマーの無名茶山は古樹味が濃く残っている。
今となっては「残っていた」と言うほうがよいかもしれない。
仕入れて出品することにした『曼派掛牌青餅2022年』は生茶の高級茶。”掛牌”をわざわざ主張しているが、これを主張をするべき状況というのは有名茶山と同じように古樹茶の乱獲がはじまっているから。掛牌(看板を掛ける)で厳選した茶樹は、斜面全体の生態環境が良いとか、一年に一度しか摘まないとか、剪定しないとか、鍬入れしないとか、特別な管理をしている印である。
裏を返せば、特別な管理をしなければ最上級は確保できないということ。
まったく知識の無い方のために補足すると、このクラスの茶山の無農薬無肥料は当たり前である。高級茶はもっと上等なところで競っている。山の生態環境の良さや茶樹の健康、人の手垢がいかに少ないかなど。
曼派の茶葉は過去に老斑章の産地偽装に使われていたという噂もあって、人気になるのに時間がかからなかった。
(この生茶は素晴らしい。インスタでも絶賛。)
製茶農家の若者が2022年の秋茶葉を集めているという話は聞いていた。
もちろん掛牌の厳選された古樹ではなく一般的な古樹。
春もつづけて集めて、それを熟茶に加工するという話も聞いた。
熟茶にする原料の茶葉についてSNSでアドバイスを求められたので、春の黄片(若葉が成長して硬くなったハネモノの茶葉)を混ぜたほうが良いという話もした。
集まった茶葉(一次加工の晒青毛茶)は秋茶5:春茶5で190キロ弱+春の黄片5キロ。
黄片は理想を言えば30キロほど欲しいが、この曼派の春茶はやや早摘みで(明らかに生茶の高級茶を意識したタイミング)、育ちすぎた若葉が硬くなって黄片になるのが少ない。たくさん作れない。
春と秋のブレンドは、熟茶の味のバランスを考えてのこと。
オリジナルの『版納古樹熟餅2010年』は秋茶100%。渥堆発酵の微生物の好むのは秋茶の成分ということでそうしたが、水質の滑らかさやパンチの効いた苦みは春茶のほうがある。
勐海の小さな工房の職人の小堆発酵(小さな単位の渥堆発酵の意味)の腕が良いというので、そこに託されて木箱と布袋を使った渥堆発酵が行われた。45日間かけてのじっくり発酵。
(その時のSNSで送られてきた写真)
勘違いしていたのは、誰か別の顧客からの依頼があるのだと思っていたこと。まさか若者が自費でしているとは考えもしなかった。曼派への技術指導などで入った臨時収入をすべて掛けていたのだった。
それを知ったのが4年ぶりに西双版納を訪ねた2024年1月2日。
渥堆発酵を終えた150キロ+5キロの茶頭が倉庫の布袋に詰められている。
190キロほどが155キロに減っているのは微生物に喰われた分。サンプルを残すために農家が3キロほど差しいいている分もある。
その場ですぐに試飲したが、自分の想像していたのとは異なる仕上がり。
テストで一枚だけ圧延加工されたのもあるが、この加工の蒸気や乾燥の詳細がわからない。試飲したところ散茶とそれほど差がない。
わからないながらも、原料の茶葉の良さ、その生命感のあふれる底しれぬものに惹かれて50キロ分を購入。(後に追加で16キロ購入)。
日本に持ち帰ってからも試飲を続けてたが、それでも圧延加工後の変化の想像がつかない。
これはもう自分の思うような圧延加工をしてみるしかないということになって30キロ分(後に+6キロ)を圧延加工する指示を出した。余りの30キロは散茶のまま西双版納で”生”の状態の熟成を試す。
気の早い製茶農家の若者は、指示を出す前に工房に茶葉を持ち込んで数枚のテストをしていた。
正式な圧延加工は3月初旬を予定。
つづきは、圧延加工後の試飲。
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プーアール茶2023年
2024-02-25T10:49:00+09:00
ふじもと
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昆明500克熟茶磚90年代 臨時販売
製造 : 1990年代初期
茶葉 : 雲南省
茶廠 : 昆明茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶 500gサイズ
保存 : 台湾台中市
茶葉:
発酵の浅いサッパリした風味です。
酸味が涼しく、甘味は現代の熟茶のように濃くありま...
茶葉 : 雲南省
茶廠 : 昆明茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶 500gサイズ
保存 : 台湾台中市
茶葉:
発酵の浅いサッパリした風味です。
酸味が涼しく、甘味は現代の熟茶のように濃くありません。
90年代の熟茶ならではの味です。
『大益甲級沱熟茶99年』と同じ個人コレクターからの放出品です。
乾倉のカラッとした熟成環境の風味がとても似ています。
どちらか1つを試してから、このサッパリ感が好きな方は両方をお試しになるとよいと思います。
価格:
崩し50g 16,500円 (送料込み)
一枚 150,000円 (送料込み)
条件:
過去に当店から茶葉をお求めになった方。
通信講座の教材を購入された方。
茶教室に参加された方。
どこかでお会いした方。
知人から紹介(メールやSNSで一声)のある方。
上記いずれかに該当する方。
郵送:
崩し: クリックポスト
一枚: レターパック・ゆうパック・クロネコヤマト
お申し込み手続き:
メールにて、宛先情報+お求めの数、をお教えください。
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メールの返信にて、お支払い手続きのご案内をいたします。
お支払い:
ゆうちょ銀行
スクエアのサイト(URLをお知らせします)クレジットカード決済
ご入金確認後、3日以内に発送いたします。
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臨時販売
2024-02-23T11:26:00+09:00
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大益甲級沱熟茶99年 その1.
製造 : 1999年
茶葉 : 雲南省西双版納州布朗山
茶廠 : 勐海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶 100gサイズ
保存 : 台湾台中市
お茶の感想:
このお茶について解説する。
(臨時販売中 2024年2月時点)
2023年12...
茶葉 : 雲南省西双版納州布朗山
茶廠 : 勐海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶 100gサイズ
保存 : 台湾台中市
お茶の感想:
このお茶について解説する。
(臨時販売中 2024年2月時点)
2023年12月末の上海の旅にて仕入れた茶葉。インスタグラムにも投稿している。
このお茶は珍しいタイプで、大手メーカーの有名ブランド”大益”ではあるが、国営時代の1999年製ということで、仕入れることにした。
近年の大益の評価は低い。2004年の完全民営化後は過去の国営時代の高級茶づくりの面影はない。茶葉の質を重視するお茶ファンはすでに離れている。
国営時代の1998年と1999年の熟茶には、当店で紹介したものがあった。
これらは現在高価になっている。
+【大益甲級沱茶98年】
+【大益貢餅熟茶98年】
+【7592七子餅茶】
1999年にこのお茶『大益甲級沱熟茶』が出荷された当時は、おそらく1個20元くらいだったはず。現在のレートで換算すると1個400円くらい。
それから25年後の2024年に当店が設定した価格は1個13,700円。
34倍になっている。
もちろんすべてがこのような高価にはならない。
この銘柄は”常規茶”と呼ばれるお茶で毎年つくられる。一年に何度か出荷される。
茶葉は自然のもので質も産量も毎年異なる。微生物発酵は自然に任せる”渥堆発酵”なので仕上がりは毎回異なる。ブレンドによりある程度調整されるものの、まだこの時代はアタリハズレが大きかった。
では、この1999年のどこが特別なのか。
原料の茶葉に特別なところはない。
春・秋のブレンド。おそらく勐海県の布朗山・巴達山・孟宗山の自社農園の茶葉畑の小さく若い樹。
甲級にしてはやや小さめの若葉が主体で構成されているが、口感の滑らかさはあまりなく、旬のタイミングを外した茶葉であると思われる。しかしこれは甲級の標準的なもの。
特別なところは渥堆発酵の発酵度にある。
とても浅い発酵度で、生茶の老茶すら連想させる風味もある。
飲めばすぐに分かる。
写真の茶湯の色は赤黒くしっかり熟した色をしているが、これは25年の熟成効果であって、おそらく出来立て当初はもっと明るいオレンジ色だったにちがいない。
茶湯の色ほどお茶の味は熟しておらず、まだ若い感じがする。
スッキリ柑橘系の爽やかさがあり、現代の熟茶のような重い甘い濃い感じはまったくしない。
このような浅い発酵度の熟茶は1990年代にはまだいくつもあったが、2000年代になるとほとんどなくなる。
大きく育った茶葉が主体の昆明茶廠の”7581”。
若葉主体の下関茶廠の”下関銷法沱茶”。
同じく若葉主体の勐海茶廠のこのお茶”甲級沱茶”。
この3つの銘柄が1990年代を代表する熟茶の味だった。
このお茶『大益甲級沱熟茶99年』にはその特徴が過剰なほどに色濃く現れており、コレクション的価値があると思える。
しかし、この味であることが特定できる包紙の印刷などが無い(この味ではなく一般的な味の熟茶にも同じ包紙が使われている)ことから、老茶としての市場での評価はそれほど上がらない。
葉底の色は比較的均一。浅い発酵+深い発酵のブレンドではなく、全体的に浅く発酵させた茶葉で構成されている。
なぜか茎の部分がたくさん配合されている。
この茶葉を所有していたのは個人のコレクターである。
上のようなことから、この個人のお茶選びにはセンスを感じる。
今回放出されたのは約50キロ分。
おそらくもっと多く所有しているはずなので、あとは個人で楽しむか、さらに長期熟成してから転売するか、そんな楽しみ方だと思う。
個人といっても住宅に保存しているような小規模ではない。
茶葉専用の倉庫があり除湿機などの設備があることが、25年間も乾燥を保った茶葉の状態と、他のニオイをまったく吸収していない清潔感から想像できる。
コレクター本人には会っていないが、人づてに聞いたところでは、台湾台中市の山間部の別荘を茶葉専用倉庫にして、倉庫の管理は使用人がしているらしい。
このくらいの規模であるから、個人で消費するよりも転売する茶葉のほうが多い。職業ではないらしいが、素人でもない。このような個人が中国本土のみならず中華圏には多い。
この茶葉を所有してからのこと。
浅い発酵度の涼しい風味で暑い季節でも美味しく飲める。(現代の熟茶は暑苦しくて夏には向かない。)
いますぐに飲むのもよいが、できたら少しは手元に残しておいて、これから数年間の熟成を楽しむのをおすすめする。
これまでの25年間は乾燥ぎみに保存されていた。
環境が変わってややしっとりした空気に触れると(日本の家庭の一般的な空気がそう)、はじめの数カ月間の変化はとくに大きい。
空気中の水分が茶葉のミクロの繊維の内部にまで入り込んで、まだ効力を発揮していない酵素による変化を促すからである。
わざわざ湿気たところに置く必要はない。むしろ乾燥に気をつけて密封保存するくらいがよい。袋を開け閉めするだけで水を含んだ空気が入り込むので、それで十分。
たまに試飲するとこれまでにはなかった味や香りが発見できて、熟成変化を楽しめるだろう。
写真は二条10個分を包み紙のままジップロックに密封して、押入れの棚に茶壺といっしょに並べている。
紙袋のまま通気を許してもよいが、他の匂いが移る心配があるのならプラスチックバッグや容器に密封するとよい。
置き場所は乾燥した日の当たらない場所を選ぶこと。
もしも、しっとり熟成させた場合は、お茶を淹れる前に茶葉を80度以下で15分ほど温めて水抜きしたほうがよい。
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プーアール茶1999年
2024-02-22T00:25:00+09:00
ふじもと
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曼派古樹熟散茶2023年 その2.
采茶 : 2022年秋 2023年春
製造 : 2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
その1.のつづき。
この茶葉は渥堆発酵を終えた散茶の状態。
これから...
製造 : 2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
その1.のつづき。
この茶葉は渥堆発酵を終えた散茶の状態。
これからの圧延加工で味が変わる。
さらにその後の熟成保存でも味が変わる。
現時点では渥堆発酵を終えて(出堆と呼ぶ)から自然乾燥させただけで、一度も高温の熱を入れていない。
成分は”生”な状態である。
微生物は茶葉が乾燥した段階で死んでいるが、微生物のつくった酵素が大量に茶葉の表面からミクロの繊維の内部にまで残っている。
これは水分と温度とに反応して茶葉の成分を化学変化させる。
酵素の種類は多い。
ある種の酵素は熱に弱い。熱が入るとその効能を失う。
なので、安定させるためには高温で蒸すなり乾燥させるなりして化学変化を止める必要がある。圧延加工にはその効果がある。
また、ある種の酵素は熱に強いので、圧延加工したくらいでは効果を失わない。これが長期保存のときにじわじわ茶葉を変化させて熟成味をつくる。
さて、このようなことなので茶葉に湯を注ぐだけで、ほんの数秒から数分のうちにお茶の味が変わってゆく。
湯を注ぐまでもなく、温めたり蒸らしたりするだけでも変わる。
また、試験的に圧延加工を試したサンプルも持ち帰っている。
これとの比較もしている。
こうして今後の圧延加工の蒸し加減や乾燥方法を決めてゆく。
ただ、この時点でまだいろいろと判断できていない。
写真はこの茶葉の茶頭。”生”の状態。
2024年1月2日に西双版納の製茶の農家の若者の家でこの茶葉に出会ってから今日は2月21日。すでに1ヶ月半経っている。ほぼ毎日試飲してこの変化を観察しているが、はっきり決められないことが多い。
例えば、この”生”な状態のままで西双版納で保存して変化を促したらどうだろう。圧延加工する前の変化のほうが良いのではないか?
判断しかねるので、すぐに圧延加工するのと散茶のまま熟成させるのとに分けて2つのお茶をつくることになると思う。
次回の投稿"その3."では、この茶葉の原料について、春と春の黄片と秋茶葉を混合した理由について解説するつもり。
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プーアール茶2023年
2024-02-21T11:35:00+09:00
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大益甲級沱熟茶99年 臨時販売
製造 : 1999年
茶葉 : 雲南省西双版納州布朗山
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶 100gサイズ
保存 : 台湾台中市
茶葉:
インスタグラムの”上海の旅編”に登場する熟茶です。
台湾台中市の個人コレ...
茶葉 : 雲南省西双版納州布朗山
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶 100gサイズ
保存 : 台湾台中市
茶葉:
インスタグラムの”上海の旅編”に登場する熟茶です。
台湾台中市の個人コレクターからの放出品です。
1999年の大益甲級沱熟茶。100gサイズ。
やや浅い発酵度の1990年代の標準的な熟茶です。
雑味なく透明感のあるキレイな味です。
熟成変化の余地がまだまだあるので、長期保存も楽しめます。
5個一組で一条500gです。5個入りの包装紙がつきます。
2個一組が最小単位での販売です。
価格:
大益甲級沱熟茶99年 2個1組 27,400円 (送料込み)
大益甲級沱熟茶99年 5個1条 65,000円 (送料込み)
大益甲級沱熟茶99年 10個2条 12,8000円 (送料込み)
条件:
過去に当店から茶葉をお求めになった方。
通信講座の教材を購入された方。
茶教室に参加された方。
どこかでお会いした方。
知人から紹介(メールやSNSで一声)のある方。
上記いずれかに該当する方。
郵送:
レターパックもしくはクロネコヤマト
お申し込み手続き:
メールにて、宛先情報+お求めの数、をお教えください。
+【puerchainfo@gmail.com】
メールの返信にて、お支払い手続きのご案内をいたします。
お支払い:
ゆうちょ銀行
スクエアのサイト(URLをお知らせします)クレジットカード決済
ご入金確認後、3日以内に発送いたします。
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臨時販売
2024-02-19T07:58:00+09:00
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曼派掛牌青餅2022年 臨時販売
製造 : 2022年4月12日
茶葉 : ミャンマー曼派(西双版納布朗山つづき)
茶廠 : 製茶農家
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶 357g前後
保存 : 西双版納
茶葉:
インスタグラムに登場する生茶のプーアール茶です。
価格:
曼派掛...
茶葉 : ミャンマー曼派(西双版納布朗山つづき)
茶廠 : 製茶農家
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶 357g前後
保存 : 西双版納
茶葉:
インスタグラムに登場する生茶のプーアール茶です。
価格:
曼派掛牌青餅2022年 崩し 50g 16,800円
曼派掛牌青餅2022年 1枚 357g前後 104,600円
条件:
過去に当店から茶葉をお求めになった方。
通信講座の教材を購入された方。
茶教室に参加された方。
どこかでお会いした方。
知人から紹介(メールやSNSで一声)のある方。
上記いずれかに該当する方。
形態:
クリックポストにて郵送。(崩し50g 1パック)
ポストに投函されます。薄型の箱に入っています。
1枚モノはクロネコヤマトにて郵送します。
お申し込み手続き:
メールにて、宛先情報+お求めの数、をお教えください。
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メールの返信にて、お支払い手続きのご案内をいたします。
お支払い:
ゆうちょ銀行
スクエアのサイト(URLをお知らせします)クレジットカード決済
ご入金確認後、3日以内に発送いたします。
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臨時販売
2024-02-19T03:09:00+09:00
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曼派古樹熟散茶2023年 その1.
采茶 : 2022年秋 2023年春
製造 : 2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
2024年の年明けに西双版納に行ってきた。上海と広州にも寄った。
4年ぶり...
製造 : 2023年 9月
茶葉 : ミャンマー曼派山
茶廠 : 曼派農家+孟海製茶農家
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
お茶の感想:
2024年の年明けに西双版納に行ってきた。上海と広州にも寄った。
4年ぶり。
2009年の秋から2019年の秋までつづいたお茶づくりの仕事は2020年春のパンデミックで一旦終了し、日本に本帰国して人気のない茶教室をしている。(知らない方のためにこれまでの経緯。)
今回の西双版納で出会ったこの『曼派古樹熟散茶2023年』(仮名)が、もしかしたらお茶づくりに再度関わるキッカケになるかもしれない。
この茶葉は渥堆発酵を終えた散茶で、仕事を半分残している。
お茶の味から見た仕上がりは5割というところ。まだ5割がこれからの加工にかかっている。
ほんの思いつきでこのお茶づくりに関わるのではない。
むしろこの茶葉は難しい状態にある。
未知の部分が多くて、失敗して大きな損失につなる可能性もある。
過去にも(2013年のこと)熟茶づくりの失敗をしたことがあった。一瞬で高級車1台分くらいのお金が消えた。費やした時間も消えた。
個人にしては痛い失敗で、立ち直るのに時間がかかって、その後の熟茶づくりは実験以外のことをしていなかった。オリジナルの熟茶は2010年の『版納古樹熟餅茶2010年』以降出品できていない。
現在、高級熟茶づくりがひそかに盛りあがってきている。
今回の中国訪問は市場調査も兼ねたが、その兆しが現れていると見た。
例えば、有名茶山の古樹をつかっての少量の熟茶づくりが小規模事業者で盛んになっている。1990年代までの老茶の熟茶の価格が急に上がってきている。
小さな流れであって、決して大きくなることはない。
大衆向けではない。数年前の”陳皮プーアール茶”や”茶膏”や、10年前の”古樹の生茶”など、そこまで大衆を巻き込んだ大きな流行にはならないだろう。しかし、これらのように一過性で終わることもないだろう。
じわじわ長く続いてコアなファンが少しずつ増えて、深い趣味になってゆく。
そうなる下積みがこれまでにあった。
”プーアール茶バブル”の2006年からはじまった長い長い下積み期間を経て今がある。消費者は賢くなっている。新しいものを物色することには飽きて、というか疲れて、ずっと長く付き合えるお茶に出会いたいと願っている。
とくに生茶ファンの多くは、これから熟茶の上質を求めるようになるだろう。現代の生茶は昔のような黒茶ではない。緑茶である。一年を通して飲み続けられるほど身体にやさしいものではない。このことにファンも気付いている。
高級熟茶づくり専門の仕事は、一部のファンに愛される日本酒の酒蔵のようになる。
ここに自分の仕事の余地があるかもしれないと見ている。
現地を4年間も離れていていきなり専門的な仕事ができるのか?という心配はない。
自分にはむしろ経歴において二つの有利な点がある。
一つめは、老茶を知っていること。
熟茶づくりは1970年代からはじまっているが、70年代・80年代・90年代・00年代と熟茶の味の変化を知っている。
雲南の茶業に従事する人たちはみんな若くて、老茶を知らない人がほとんど。自分のような古参はほんとうに少ない。
昔のお茶は希少だから高価というだけではない。身体へのなじみの良さが現代のよりもずっと良かった。クスリとしての価値が高かった。その知恵がこれからの熟茶づくりに必要になる。
二つめは、2010年につくったオリジナルの熟茶『版納古樹熟餅2010年』があること。
現地の茶友たちおよびその周囲の関係者にこのお茶が知られていて、価格も知られていて、高級熟茶づくりのひとつのモデルになっている。
このお茶づくりに特別に変わったことはしていない。
ひとつひとつの細かな点が積み重なって完成しているのだが、そのひとつひとつを認識できている。
渥堆発酵は微生物発酵のなかでも特殊な複雑さがある。
その細かなところはまだぜんぜん解明できないが、大きな流れというか、なにがどうなって熟茶の味が形成されるのかをだいたい把握している。
この知識があることで、渥堆発酵(代行業者の専門の倉庫で行われる)の技術に独自のオーダーができるので、これからつくる熟茶にオリジナル性を打ち出しやすい。
この『曼派古樹熟散茶2023年』(仮名)は、自分の理想にはほど遠い。
(写真は”茶頭”。水を多く含んだ茶葉がくっついて石ころのようになった部分。)
肝心の渥堆発酵がうまくできていない可能性がある。
しかし、もしかしたらこれで良いのかもしれない逆の可能性もある。
渥堆発酵後の散茶は、そのまま飲んでも味がわからない。
これは『版納古樹熟餅2010年』をつくったときの経験からこのように理解している。
このお茶『曼派古樹熟散茶2023年』の茶頭も、このままではあまり美味しくない。
圧延加工や保存熟成によって熟茶の味が仕上がる。
微生物が生前に残した酵素が、茶葉の成分を変化させ続けるからだ。
ところが、近年の熟茶づくりでは渥堆発酵後の散茶の段階ですでに味の仕上がっているのが多い。
微生物が生きて活動している間に味を仕上げている。
微生物もわれわれと同じく何かを食べて燃焼させて生きている。
ということは、茶葉のカロリーをたくさん消費していることになる。
微生物が死んでから酵素による化学変化で茶葉の成分が変わるのと、生きていながら茶葉の成分が変わるのと、この差は大きい。
広州の若い茶友がつくっていたオリジナルの熟茶がまさしくそうだった。
『孟宗古樹熟散茶2023年』。
渥堆発酵後に完璧に味が仕上がっている。
発酵の監督をしたのは、勐海茶廠がまだ国営だった時代からの技術者で、勐海県では3人のうちの1人と言われる老師。
広州の若者はおそらく伝統的な技術を求めて老師に仕事を依頼したはずだが、これは2000年代以降の熟茶の仕上げ方である。
左: 曼派古樹熟散茶2023年
右: 孟宗古樹熟散茶2023年
茶湯の色を見ても、右の『孟宗古樹熟散茶2023年』が黒く濃い。
葉底の色も繊維の質も、微生物がより活発に活動したことによる変化が現れている。
このような完熟仕上げが2000年以降の主流になったのは、渥堆発酵後の散茶で判断されることが多くなったから。
散茶のままで美味しいのかどうかわからないようでは、これを買い取って独自の製品にしようする業者は少ない。
業者の経験不足のせいでもあるが、新作を買ってすぐに美味しい熟茶を求める消費者のせいでもある。
このお茶『曼派古樹熟散茶2023年』は、まだ美味しいのかどうかわからない。
むしろ味には欠点が目立つ。
150キロの少量生産だが、とりあえず50キロ分を買い取って独自の考え方で圧延加工することにした。
茶頭は約5キロ。これもすべて買い取った。
なぜこの状態で判断したのか、その過程をつぎの記事”その2.”にて紹介しようと思う。
現時点で、この判断が良いのか悪いのかほんとうにわからない。
ただ、もしも失敗しても学ぶことが多いので、次につなげられると考えている。勉強代が高くつくだけである。
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プーアール茶2023年
2024-02-18T12:24:00+09:00
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蒼松六堡生態茶2006年 臨時販売
製造 : 2006年
茶葉 : 広西壮族自治区梧州市蒼梧県六堡鎮
茶廠 : 蒼梧六堡茶業有限公司
工程 : 黒茶
形状 : 散茶
保存 : 上海
茶葉:
インスタグラムの上海の旅(2024年1月2日の記事)にて登場する六堡茶です。
これぞ六堡茶という伝統的...
茶葉 : 広西壮族自治区梧州市蒼梧県六堡鎮
茶廠 : 蒼梧六堡茶業有限公司
工程 : 黒茶
形状 : 散茶
保存 : 上海
茶葉:
インスタグラムの上海の旅(2024年1月2日の記事)にて登場する六堡茶です。
これぞ六堡茶という伝統的な味わいです。
国営時代(1955年から)からつづく六堡茶最大のメーカーであった蒼松六堡公社茶廠が民営化にともない2006年に”蒼松”商標を掲げます。
2006年生産のこのお茶は”蒼松”牌による第一批です。
生態茶と分類されるのは、倉庫保存での微生物発酵工程のあるものです。
蒸して籠に詰めて倉庫で堆積させ、管理された湿度・温度のもとで金花(麹の一種)を増殖させます。
さらにこのお茶はメーカーの倉庫で数年寝かせて、熟成がすすんでから出荷されています。
原料の茶葉は国営時代から管理されている原生種の無農薬栽培で、中国の有機栽培認証を取得しています。
写真のとおり茶葉は細かく、六堡茶の中では高級品です。宮廷プーアル散茶にも匹敵します。
茶気・水質ともに充実しています。
熟成により透明感のある風味に仕上がっています。
独特の檳榔香(松の燻香が変化して醸し出されるもの)があります。
茶の色は熟茶のプーアール茶に似ていますが、味はサッパリしていて夏の暑い季節でも飲みやすい黒茶です。
価格:
80g 1パック 12,600円 (送料込み)
条件:
過去に当店から茶葉をお求めになった方。
通信講座の教材を購入された方。
茶教室に参加された方。
どこかでお会いした方。
知人から紹介(メールやSNSで一声)のある方。
上記いずれかに該当する方。
形態:
クリックポストにて郵送。
ポストに投函されます。薄型の箱に入っています。
お申し込み手続き:
メールにて、宛先情報+お求めの数、をお教えください。
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メールの返信にて、お支払い手続きのご案内をいたします。
お支払い:
ゆうちょ銀行
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臨時販売
2024-02-12T14:37:00+09:00
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鳳凰蜜蘭香2021年 その1.
製造 : 2021年春
茶葉 : 広東省潮安県鳳凰鎮烏崠山
茶廠 :
工程 : 烏龍茶 蜜蘭香
形状 : 散茶
保存 : 真空パック 3g
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
LEAFMANI...
茶葉 : 広東省潮安県鳳凰鎮烏崠山
茶廠 :
工程 : 烏龍茶 蜜蘭香
形状 : 散茶
保存 : 真空パック 3g
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
LEAFMANIAさんから2年前に頂いた烏龍茶を密封袋のまま手元で寝かせていた。
最近試みている生茶のプーアール茶を蒸して乾かす二次加工について、なにかヒントがあるかと思って飲んでみた。
メモしておきたいと思う。
”蜜蘭香”と”黄梔香”のふたつ。
黄梔香のほうがおそらく高級茶葉。
丁寧な仕事がお茶の味の清らかさに現れていてすばらしい。
これは蜜蘭香にも黄梔香にも共通するが、飲んだときの体感は、プーアール茶の生茶なら熟成10年以上に相当するほど落ち着いていた。
焙煎による火入れの効果は、飲んでいて疲れないこと。
黄梔香のほうは3gをひとりで飲んだ。さすがに3gは多いので何煎もつづけて飲むと身体に”寒”を感じたが、もしこれが生茶だったら10年熟成くらいでは3gも飲むともっと寒くて、途中でギブアップするだろう。
試しに、蒸して二次加工した後の”易武春風青餅2011年”を次の日に飲み比べてみたが、それでもまだこっちのほうが寒が強い。
寒いか温かいか、これとは別に、茶気のめぐり方の違いに気がついた。
烏龍茶のふたつは、上半身の胸から上にばかり茶気のめぐりが集中している。
生茶のプーアール茶(古樹のもの)は山にもよるが、もうちょっと全体的に茶気がめぐる感じになる。
これがちょっと不思議だったが、”蜜蘭香”のほうの葉底を見てみると納得できるところがある。
お茶の味から想像していたよりもずっと緑茶っぽい色。
茶気のめぐり方はこの軽発酵度のものかもしれない。
この蜜蘭香については生茶のプーアール茶よりももっと緑茶寄りに見える。
烏龍茶は中発酵と教科書に定義されているが発酵度の幅は大きい。
葉底のところどころ部分的に赤っぽく変色しているのは”揺青”による効果。
揺青は製茶工程の茶葉がまだ”生”の状態のときに行われる。
竹で編んだザルに茶葉をのせて揺すって揺すって茶葉の表面に微妙な傷をつける。これによって茶葉はある種の成分変化を起こす。
この成分変化は、茶葉が虫に齧られたときに防御のために虫にとって嫌な成分を生成することによる。傷ができたところから電気信号が茶葉全体にめぐり、何らかの反応で新しい成分がつくられる。虫にとっては毒であるが、人間にとっては毒にも薬にもなり、そして烏龍茶の独特の魅力的な香りをつくる。
揺青は、その傷口が赤っぽく変色するので軽発酵をすすめる技術かと思っていたが、これは間違い。
葉底の全体的な緑色からもわかるように、むしろ軽発酵をすすめないまま甘い香りをつくるための技術といえる。
烏龍茶はあくまでも香りが主役。お茶の味は主張しないほうがバランスがよい。
生茶のような製茶をするとお茶の味が濃くなる。
殺青後の水分を残したまま翌日天日干ししたり、圧延加工に石型でユサユサ圧しながら揺すったり。意図して軽発酵をすすめると味が前面に出やすい。
烏龍茶の二次加工の火入れは”蒸し”ではなくて”焙煎”。乾いた茶葉のままで火入れする。
もしもこれが蒸して火入れをすると、茶葉に入った水と熱が軽発酵をすすめてしまう。もしかしたら魅力的な風味がそこで失われる。
乾いたままの茶葉を焙煎するほうが技術的に難しいし、また熱効率も悪いのだが、そういうことじゃないかと思う。
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その他のお茶
2023-12-16T14:54:00+09:00
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易武春風青餅2011年 その18.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
ひきつづき火入れの二次加工について。
これすごく大事なことなので、同じようなことを何度も繰り返す。
二次加工の目的は、身体に優しいお茶をつくること。
これが一番大事。
味や香りを変えるのはその副作用みたいなもので、ちょっと湿気た茶葉を復活させることもできるが、今後は正常な生茶も火入れを試すつもり。
昔の人は”身体へのなじみ”を評価していた。
お茶だけでなく、あらゆる食べもの飲みものについて。
例えば、新酒(悪い例にして申し訳ないが)。
秋が深まって、早くも新米でつくった日本酒が出てくるが、こういうのはなるべく避けたい。
”生原酒”とか”しぼりたて”とかは新鮮な成分の刺激が強すぎる。
寒い。胸が焼ける。飲んだ後に身体が重くなる。
この症状に気付いていない人も多いと思う。
あるいは気付いているから、熟成酒がひそかに流行りだしているのかもしれない。
新鮮な味や香りは華やかでウケが良いから流通するけれど、ほんらい評価するべき身体へのなじみを無視している。
”生”な栄養は豊富で、成分表にしたら一見価値があるように見えてしまう。
しかし、どんな栄養があれど、身体になじまなければまったく意味がない。それどころか毒にさえなる。
茶葉も新鮮はよくない。
新茶市!はウケがよくて売れる。
味や香りが華やかで説得力がある。
しかし、身体へのなじみの観点で評価したら、このようなお茶は避けるべき。
お茶会などでその時限りならよいけれど、家で毎日飲むお茶にはならない。
熟成が必要なのはプーアール茶の生茶だけではない。
ほんとうはどんな種類の茶葉でも一年以上寝かしたほうが身体にやさしい。
昔は日本の緑茶も一年以上寝かしてから販売していたらしい。だから日本には茶箱がある。家庭で一年分の茶葉を貯蔵しておくにはそこそこのサイズの入れ物が要る。
中国のおじいちゃんおばあちゃんは、まだこのことをやかましく言う人もいるが、若い人には伝わらない。
人づてよりもネット検索やSNSの評価。裏でお金のかかっている情報にチカラがある。
”新しい”ほうが売れる。
生茶のプーアール茶の製法は火入れが浅い。
しかし、昔は産地で微生物発酵していたので、長期保存に強かった。
近年(1990年代から)の生茶は、微生物発酵しない緑茶のままで流通している。
詳しくはこちら。
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
これが問題。
緑茶の生茶は保存が難しい。
微生物のつくった酵素成分は茶葉を劣化から守るが、緑茶の生茶はノーガード。
20年も30年も熟成させて美味しさを保つのは難しい。
中国には熟成茶専門の倉庫業者もいて、いろんな試みをしているが、いまのところこれといった成果は上がっていない。
風味を保つのが難しいだけでなく、身体へのなじみが良くなる”熟した”状態に変化するのも遅い。
例えば、うちのオリジナルの生茶は2010年からあるが、もうすでに熟成13年目になるのに、まだ”寒い”、”辛い”。
夏に飲むならよいが、冬には飲めない。
蒸して火入れする二次加工は、これを解決すると思う。
”寒”を”温”に変えるとまではゆかないが、10年分くらいの熟成変化とおなじ効果を得られている。
この成果は大きい。
生茶は蒸して乾かしてから飲む。
こういう二次加工がこれから普及してゆくはず。
身体になじみのよいお茶は毎日でも飲むようになるし、消費が早いし、リピート購入もするから、長い目で見たらみんなに良い結果となるはず。
1970年代に発明された熟茶が中国の茶葉市場で大ヒット商品になったように、生茶の二次加工がこれから流行る。
たぶん。
新しいお茶をつくることよりも二次加工で身体に優しいお茶をつくる手段を見つけることが今は大事。
この問題を解決できないままに、新しいお茶をどんどんつくっても・・・という感じ。
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プーアール茶2011年
2023-12-02T12:25:00+09:00
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易武春風青餅2011年 その17.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
長期熟成中に少し湿気た茶葉を回復させる火入れの”蒸し”。
この話のつづき。
+【易武春風青餅2011年 その16.】
これには可能性を感じている。
まだこれから試行錯誤するが、ここまでの経緯をまとめておく。
と、その前に。
これを忘れちゃいけない。
ということを書いておく。
これまでの結果が良好なのは、茶葉の素質が良いからという可能性。
旬の芯を捉えた茶葉のパワーは格が違う。普通のプロ野球選手と大谷選手くらい違う。この先うまくゆく展開になったとしても、すべての茶葉が同じ手法でうまくゆくとは限らない。
自戒しておく。
(写真は蒸した後の乾燥)
さて、まず”蒸し”の火入れは過去に試した”焙煎”よりもはるかに良い。
蒸すほうが水の熱伝導率を活かせる。
雲南大葉種の茶葉は、鉄鍋炒りの”殺青”ですら熱の通りが不均一になりがち。
乾いた茶葉に火入れする”焙煎”では、茶葉の中心部まで熱がとどく前に表面を焦がす。
焦げ味が個性になる烏龍茶ならそれでもよいが、生茶の焦げはどこか田舎っぽい。これは品種特性によるから仕方がない。
”蒸し”は焦げにくいので良い。
その効果はお茶の味に現れる。
安定している。
なんと言ってもお茶淹れがカンタンになる。
一煎めからじっくり待って湯の熱を伝えられる。
熱に敏感な新芽・若葉を熱すぎる湯で煮やした嫌な味が出にくい。新芽・若葉はとくに熱に敏感で、お茶淹れの難易度が高い。”蒸し”で火入れをしたことで熱に耐性ができた。
保存中に湿気た味を嫌って、一煎めは洗茶して茶湯を捨てるのが当たり前になってきている現代の生茶のプーアール茶。
湯で洗うことで熱が入って湿気た風味が消えるが、重症な場合は二煎くらい洗茶する。しかしこれは美味しいところも流してしまってもったいない。
この2つの相反した問題を”蒸し”で火入れした茶葉は解決できる。
一煎めから熱々の湯を注いでじっくり待つことができて、味がまとまる。
(寒くなったのでダウンを着てお茶を飲んでいる。室内の空気を温めすぎないほうがお茶は美味しい。)
保存熟成はどうなるのか?
保存には”蒸し”の二次加工をしないまま、”生”を保ったほうが良いと考える。
茶葉の繊維にその違いがある。
火入れをするほどに繊維は劣化する。
餅茶を長年保存していると、ちょっとずつ重量が減ってゆく。例えば1年に1gくらい。ミクロの水道管のような繊維の管が劣化すると、水分を保てなくなって、その分軽くなる。常温でもゆっくりと繊維は劣化してゆく。火入れをしたら急速に繊維が衰える。
このお茶『易武春風青餅2011年』は、意図して弱い熱で圧餅加工している。
乾燥の温度は45度以下で2日間。
+【易武春風青餅2011年 その3】
それから3年ほどは湿度も温度も高めの西双版納で保存していたが、その時は湿気た味は感じたことがなかった。
繊維の新しいうちは、水を保つチカラもあるが、吐き出すチカラもある。
最近になって湿気た風味が気になりだしたのは、繊維が衰えたからではないか?
熟成12年めの繊維は、若かった時にくらべて水分が許容できない。
西双版納で保存していたときに湿気たと思っていたが、実は最近かもしれない。京都東山の茶箱の中は乾燥を保っているが、茶葉の繊維は以前ほど水に強くない。
”蒸し”の火入れによってさらに衰えた繊維は、水を保つチカラも吐き出すチカラも弱くなっている。
蒸してからは賞味期限が短くなったと考えたほうがよいだろう。烏龍茶はプーアール茶よりも保存の乾燥に気をつけているように。
海苔もそう。
板海苔は水分10%くらい。小さな袋に詰められたパリパリの焼海苔は水分2%くらい。
例えば、いったん焼海苔にしたものを水分10%に戻したら、おそらく味が急に悪くなる。繊維がその水分を許容できなくなっているから。
とりあえず今はこのように仮定して、ひきつづき熟成と二次加工のテーマを追いかけてみる。
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プーアール茶2011年
2023-11-27T19:20:00+09:00
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易武春風青餅2011年 その16.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
このつづき。
+【易武春風青餅2011年 その15.】
餅茶ごと蒸した後に炭火の遠火で二度乾燥させて、一日晒干して、それから一週間経った。
泡茶の前の”水抜き”をしてみると、通常の餅茶よりもまだ水が多い。
この水の臭いが悪いから水抜きはしっかりしたほうがよい。
水抜きの温度の違いを二通り試した。
高温短時間と低温長時間。
どちらも前回感じた酸味は消えていた。通常に戻った。
低温長時間のほうがまろやかで美味しい。
意外だったのは、どちらにも若干の焦げ味が残っていること。これは蒸したことによって発生したと考えられる。
今回は圧力鍋で蒸した。餅茶の表面と内側の熱のとおり具合を均一にするには、圧力鍋でなければ無理かと考えたからである。
餅茶を崩した内側の色も均一に黒く変色していたので、その目的は適ったが、新芽・若葉のタンパク質の中には熱に敏感なのがあって、それが焦げ味になる。
蒸してほぐす目的と熱を入れて味を整える目的をいっしょにしないほうがよいかもしれない。
次回は二度蒸しを試したい。軽く蒸してほぐす蒸しと熱を入れる蒸しを分ける。
崩して茶缶に保存する分は水抜きをしていないまま。
保存中は少しは水分があったほうがよいという考え。
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プーアール茶2011年
2023-11-23T11:09:00+09:00
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醸香老茶頭散茶90年代 その4.
製造 : 1995年頃
茶葉 : 雲南省景谷茶区大葉種潅木晒青茶
茶廠 : 昆明第一茶廠(推定)
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
お茶の感想:
茶教室に何度も...
茶葉 : 雲南省景谷茶区大葉種潅木晒青茶
茶廠 : 昆明第一茶廠(推定)
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
お茶の感想:
茶教室に何度も来てくださったお客様に選ぶ茶葉が難しい。
手持ちのお茶をひととおり飲んだので、ちょっと変わったのを出したいが・・・。
最近金花のついた『版納古樹熟餅2010年』はどうかな?と思ったが、実はそれほど味の変化はない。
金花がたくさん発生したからといって、すぐさま味が変わるわけではない。
金花の残した酵素がじわじわ効いて10年、いや20年ほどかかって・・・・と話していたら、ふと、これがあるのを思い出した。
+【醸香老茶頭散茶90年代 その1.】
上海の准海中路に近い東方巴黎に住んでいた頃だと記憶しているので、2005年くらいだろうか。
熟茶に金花がビッシリ発生していて、始めて見たときは迫力があった。(写真はすでにそれから数年経っていて金花の粉は消えている)
そのときの日本のお客様の中には見ただけで捨てた人もあった。お客様本人ではなく、ご両親にプレゼントされたので、金花の価値の説明が伝わっていなかった。
これを久しぶりに飲んでみる。
もう20年近く経っているので金花効果が現れているのではないかと期待する。
現在は金花の跡形の黄色っぽさがなく、くすんだ色になっている。
茶葉を温めているときの香りからその予感はあった。
バニラ、白檀、沈香などの高級感ある香り。
当時これを”醸香”と野暮ったい名前をつけたのは、そのときはまだ熟茶っぽさがあったから。
ヤバいレベル。
久しぶりのホンモノの老茶の味。
美女の髪の毛から発せられる石鹸のような香りもある。
古いプーアール茶のマニアに「1950年代の紅紅印圓茶です!」と言っても疑われないだろう。
もともと鑑定可能なビンテージ茶を専門にしていた自分が言うのだから間違いない。というか、自分も騙されるだろう。
厳密に言えば水質の粘っこさから熟茶とわかるが、単独の試飲でそこまではっきり解る人は少ない。
熟茶なのに生茶のような味のするのは、1990年代中期の製法で渥堆発酵が浅めに仕上がっているから。
もっとも葉底を見たらすぐに間違いに気付く。
しかしお茶の味はホンモノ。
もしもこれが金花の効果によるものだとしたら、やはり香港倉庫では金花の二次発酵があるかないかが重要な分かれ道だったのかもしれない。
香港倉庫はすべての老茶が良かったわけではない。
たとえ同じ倉庫に入っていても、おなじロットの茶葉だとしても、倉庫の置き位置によってかなりムラがあった。
「歩留まりが悪い」と言われていたのは、金花の発生度のムラが見た目には把握できないからではないか。
こうなったらやはり『版納古樹熟餅2010年』は金花の増殖を意識したい。すべてにムラなく金花を発生させて、もしもこれを「1950年代の紅紅印圓茶です!」と偽って売れることになったら、人生の大逆転。
家が建つ。
いや、ビルが建つ。
いや、将来有望なAIの企業の大株主になれる。
水着グラビア美女にお茶を淹れさせて、茶教室も大人気。
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プーアール茶1990年代
2023-11-18T11:49:00+09:00
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易武春風青餅2011年 その15.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
先日試した茶葉を蒸して乾かしたのが美味しい。
昔のプーアール茶の本に、沱茶や磚茶のカチカチに固まったのを蒸してほぐして乾かしてから飲むという方法が紹介されていた。
茶葉をほぐす目的で紹介されていたが、もしかしたらお茶の味を整える目的もあったかもしれない。
明代や清代のプーアール茶は流通業者が二次加工するのはよくあることだった。
現在のような交通手段がなく、馬や人が長い日数をかけて運ぶ過程で湿気たりして風味を維持できない。
消費者の手に届くまでに一度や二度はなんらかの二次加工をしたはず。
記録が少ないのは、雲南の南の遠く離れた地域は王朝の支配力がなく、民間が流通を担っていたため。
王朝の税収となる普洱県の通関を通る約束の茶葉が、そこを通らない裏ルートで流出するのも多かった。
例えば、ベトナムやタイに広東系の華人が加工場を持っていた記録がある。ベトナムはフランス植民地時代もあったことから、フランスの東インド会社がその先の海路を運んだかもしれない。本来はイギリスに権利があったはずの茶葉だが、その指定貿易港である広州や福建の港へは運ばれないで流通している。雲南大葉種の産地の規模は大きく、その生産量と流通量の記録がまったく釣り合っていない。
明代から清代にかけては海を渡って西洋にまで運ばれる茶葉が多く、輸送期間は長くなる。
貿易港の広州の港には船に積み込むために加工をする工房がたくさんあって、そこでも二次加工がされていた。
船倉に隙間なくきっちり茶葉を積み込むために、圧延加工をやり直した場合もあっただろう。商社なので、包装紙を自社ブランドに包み変えることもしたはず。産地偽装で雲南の茶葉が福建の茶葉に化けたのもあるはず。
西双版納の丁家老寨の農家のおばあちゃんから聞いた話では、50年ほど前につくっていたお茶は晒青毛茶(一次加工のもの)を竹籠にぎゅうぎゅうに詰めたもので、ダイ族によってラオスへ運ばれた。その先で小売り用に二次加工したはずだが、どんな加工でどんなカタチになってどこへ行ったかは不明。そういうのがたくさんある。
蒸してお茶の味を整える効果を、このお茶で試す。
最初の3年ほど西双版納での保存中に湿気にヤラれて、そのダメージが今も残っている。
+【易武春風青餅2011年 その14.】
餅茶のままで蒸してみた。
蒸し方や乾かし方はまだこれから試行錯誤が必要なので、今は公開しない。
左: 蒸す前
右: 蒸した後
色が黒っぽく変色している。酸化をはじめいろんな変化が起こっている。
蒸して乾かした直後で、まだ茶葉から水分が抜けていないので若干生臭いニオイが残っているが、これは時間が経てば消える。
蒸して固める圧餅加工後と同じ。
熱風乾燥でパリパリに乾いているように見えても、ミクロの繊維の中に水が溜まっている。圧餅の乾燥後、陰干しで一ヶ月ほどかけて繊維が収縮することでじわじわ水が抜けるものと解釈しているが、近年は湿気るのを嫌って多くのメーカーがも餅茶を一枚一枚密封の袋に詰めて販売するカタチが増えている。まだ水が抜けきっていない状態で密封保存されてダメになるケースも多いと推測している。
とにかく、いつもよりしっかり水抜きをしたほうがよい。
一煎めからの味が整った。
湿気たことのダメージを感じない。
やや酸っぱい。
これは蒸すときに水を吸いすぎたせい。蒸しの技術に改善の余地がある。
味はどことなく大手メーカーの定番の生茶に共通する風味がある。
メーカーでは高圧の蒸気と熱風乾燥で圧延が仕上げられるが、そのときの強い熱の効果によってお茶の味が安定する。整うとも言える。その反面、活き活きとしたものが失われる。繊細な風味が消える。
山や森や茶樹を選んでつくったお茶にはもったいない気もする。
蒸したときの熱で熟した味に変わった茶葉は、お茶淹れがカンタンになる。
熱に反応しにくくなっているので、容量の大きめの茶壺に熱々の湯を注いでじっくり待つだけで美味しい。
このまま保存熟成するとどうなるのか?、今後の経過を追ってみる。
近年の生茶(微生物発酵していないタイプの生茶)の保存は間違いだらけで、かなり多くの茶葉の在庫が湿気て残念なことになっている。
蒸して乾かすリカバリー手法が有効であれば、業界にとって大きな救いになる。
個人の手元にも湿気てダメになった茶葉がたくさんあるから(売る人も買う人も湿気てダメになっていることを知らないで流通している)、家庭で一枚一枚を蒸して乾かせる専用の機械がほしいよな。
保存熟成の茶葉のメンテナンス方法についてはいずれ通信講座のテーマにしたいが、秘密にしたほうがメリットがあるような気もするし、悩ましい。
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プーアール茶2011年
2023-11-18T10:17:00+09:00
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南糯山秋天散茶2013年 その4.
製造 : 2013年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山Y口老寨
茶廠 : 農家
工程 : 生茶プーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 景徳鎮の白磁の蓋椀・白磁の杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
通信講座#001の教...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山Y口老寨
茶廠 : 農家
工程 : 生茶プーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 景徳鎮の白磁の蓋椀・白磁の杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
通信講座#001の教材の茶葉。
+【生茶はなぜ黒茶だったのか】
偶然に半日だけ微生物発酵したもの。
微生物発酵していない通常の生茶よりも茶葉が黒く変色している。
熟成期間が長くなるほどこの差は大きくなる。
左: 南糯山神青餅2011年(餅茶)
右: 南糯山秋天散茶2013年(このお茶)
南糯山の同じ茶樹から採取している茶葉なので品種特性の違いは無いから、微生物のつくった酵素による成分変化での色の差になっていると考えられる。
微生物は生きていなくても変化はすすむ。
お茶の味の違いは少しだけ。
発酵期間が短がすぎるため。
昔の微生物発酵していた生茶のプーアール茶は産地で晒青毛茶の状態で保存されていたときに微生物発酵するが、少なくとも2ヶ月くらい、途中で色のムラをなくすために何度か撹拌されていた。
山積みに堆積された晒青毛茶は、山の中心部だけが微生物発酵して外側は発酵しない。撹拌することで色のムラをなくす。
固形茶になってからは残された酵素による変化が主になる。微生物は生きていない。
しかし、先日紹介したような金花(麹カビの一種)が後から発生することもある。
うちの茶箱で、熟茶の茶葉では金花が発生することが確認できたから、生茶も発生してほしいが、栄養環境の違いから生茶は難しい。でも、このちょっとだけ微生物発酵の茶葉ならイケるかもしれない。
ところで、昔のプーアール茶の本に、カチカチに固まった沱茶や磚茶タイプの生茶を蒸してほぐして天日で乾かすという手法が紹介されていたが、なぜかそのことを思い出した。
その当時の生茶は微生物発酵していたタイプが多かったから、これを蒸したらどんな味の変化があるのだろう?
ちょっと気になって早速試してみた。
左: 蒸す前
右: 蒸して乾かした後
これがとてもいい感じ。
熟成が数年分すすんだような感じ。
味がまろやかになって、香りは奥ゆかしくなって、お茶としての完成度が高くなっている。
昔のタイプの烏龍茶を連想させるようなところもある。
田舎くさいお茶が都会のお茶になる。
蒸すことの水分や温度が、茶葉と酵素の化学反応を誘発させるのだろうか。
蒸し時間を変えてもうちょっと試してみようと思う。
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プーアール茶2013年
2023-11-14T07:15:00+09:00
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版納古樹熟餅2010年 その53.
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お...
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
餅面にうっすら黄色っぽい粉が見える。
金花(麹菌の一種)。良性のカビ。
生きているうちは黄色のチョークの粉のような鮮やかな色をしている。
写真のはくすんだ色なので、すでに死んでいると思われる。
夏頃に増殖して、季節がかわって空気が乾燥してきたので枯れ死んだのだろう。
そのままにしておくと一年くらいで姿を消して見えなくなる。
いったん発生すると胞子がたくさん残されているので、また条件が揃えば出てくるだろう。
黒茶と分類される微生物発酵のお茶の多くが製造工程で金花が活躍する。湖南省の茯茶、広西省の六堡茶、四川省の藏茶、安徽省の六安など。
プーアール茶の熟茶は黒茶であるが、製造工程では目立たない。居るのか居ないのかわからない。おそらく渥堆発酵の主役の黒麹菌が金花に増殖するスキマを与えないからだ。
金花が見つかるのは保存熟成のとき。
過去に西双版納の個人から入手した熟茶には餅茶の内側にビッシリ黄色い粉があった。
写真に残っている。
+【大益貢餅熟茶98年崩し】
金花が出るとお茶の風味が良くなる。
なので金花を増殖させたい。
温度や湿度を調整したり、他の黒茶から種麹を採取して撒いたり、過去にいろいろ試したがうまくゆかなかった。
京都での茶箱熟成は6年目くらい、金花が出たのは今回がはじめて。
もしかしたら過去にも出ていた可能性はあるが、気付くことはなかった。
金花は気難しいやつで、茶箱の中のすべての餅茶に出ているわけではないし、また一枚を崩してみても金花が出ているところと出ていないところのムラがある。
金花のたくさん出ているところの茶葉はユルユルで、手でカンタンに崩せる。
一方で、金花の出ていないところは相変わらずカチカチに固まっていて、目打ちを刺してほぐさなければ茶葉が剥がせない。
餅茶がカチカチに固まっているのはでん粉質や糖質などの粘着成分があるから。金花はそれを食べているのかもしれない。
お茶の味は、より透明感が増して、サラッとした後味になって、お香のような香りに変化して、熟茶独特の野暮ったい味噌っぽい香りが抜けている。
高級感が出ていい感じ。
そのうち金花の出やすい環境づくりのコツをつかめると思う。
理想は、生茶に金花が発生すること。
製造工程で微生物発酵していない現代の生茶を後発酵させることができたら、正真正銘の黒茶のプーアール茶になる。
微生物発酵していない栄養環境を金花が好まないだろうからカンタンではない。
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プーアール茶2010年
2023-11-09T23:22:00+09:00
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丁家老寨青餅2012年 その23.
製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 紙包み 竹皮包み
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖湖底土の茶壷・チェコ...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 紙包み 竹皮包み
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖湖底土の茶壷・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
5年ほど使っているチェコのマルちゃんの茶壺だが、どうやらこれは市川孝さんのところで焼いた琵琶湖の湖底土のものだと判明した。
どこで間違えたのか信楽の土だと思っていた。
これも茶葉を選ぶ。
新芽・若葉の爽やかな新茶には向かない。
繊細な味や香りの輪郭が消えてしまうので、ひとくちめにパッと心をつかむような味の表現ができない。
中国茶は味や香りと酔い感。
上質な茶葉のチカラだけで十分に表現が成立する。
それだけで芸術になる。
お茶をつくる側としては、人の心をつかむ味や香りや酔い感のために血の滲む(実際に疲労のあまり血尿が出る)仕事をしているのだから、そこを引き立ててもらわないと報われない。
インスタ映えの影響なのか、お茶の味を考えた茶器の組み合わせがおろそかになっている。
中国でもその傾向がある。
『丁家老寨青餅2012年』は、この土質との相性はギリギリ。
おっとりした風味の漫撒山のお茶。
大葉種のなかでも大きめの葉のタイプ。熟成11年目。
旬の新芽・若葉ではあるが、熱に強いほう。
この茶壺もサイズが大きめで熱量があるから、じっくり蒸らして待つことができる。薄めにつくられているから、煮えすぎない。
いろんな味が混然一体となってひとつにまとまり、落ち着いた印象になる。
対して、例えば白磁の蓋椀のようにじっくり待つと湯が冷めてしまう茶器は、茶葉を多めにしてサッと湯を切るようなバランスでの泡茶になる。
味の濃さはちょうどにできても、バラバラでひとつにまとまらない。落ち着きのない味になる。
大きな葉による製茶のムラとか、11年の熟成で湿気たところとか、そういう雑味が目立って味が曇る。爽やかな青空にはなりにくい。
漫撒山の森は水気が多く、葉の茎のところが長めに育つ品種特性がある。この茎のところや葉の厚みのあるところの奥の方にある風味が、蓋椀なら4煎めくらいでようやく顔を出す。
高貴な風味が奥に隠れている。
1煎めから引き出せるチカラ(熱量)のあるのが、この茶壺の良さ。
奥の方の味が出てくると雑味が消えて透明な味わいになる。
この不思議には、ある種の酵素成分が作用していると推測する。
高温を保ってじっくり待つことができると、その作用が活きてくる。
土質とお茶の味との関係には、土の成分による影響(イオンがどうのこうのなど)があって、それはもう如何ともし難いが、それ以前に見るべきポイントは茶葉と熱量のバランス。
その関係がわかってくると、茶壺をパッと見て手に取っただけで勘が働く。
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プーアール茶2010年
2023-11-03T15:46:00+09:00
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中茶牌65周年青磚03年 その12.
製造 : 2003年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
(今回の記事は写真なし)
お茶の感...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 琵琶湖土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
(今回の記事は写真なし)
お茶の感想:
市川孝さんの茶壺の展覧会に行ってきた。
会場の庭(下鴨神社の門前の川口美術さん)では薬草茶遊びが催された。
市川さん自作の茶道具の数々。
インスタなどで見ていたが、実際にナマで見るのは初めて。
少数民族や江戸時代のような道具たちは、子供の頃の水遊びや火遊びの面白さを思い出させる。
いろんな生薬の材料を混ぜ合わせたり煮出したりするのも、くすぐるものがある。
道具のチカラはすごいと思う。
たまたま同じ時間に居合わせた茶席のメンバーが男性5人。市川さん合わせて6人。
最終回だったので日が暮れて薄暗くなっていったが、まだ遊び足りない。みんなもそんな気持ちだったと思う。
最後の締めはやはりお茶でしょ!とリクエストしたら、『中茶牌65周年青磚03年』が出てきた。
3年ほど前に市川さんが購入されていた。
自分の手元にあるのとは熟成環境が異るので、どんな味になっているか楽しみ。
市川さん自作の炉の炭火で茶葉を温めて”水抜き”したら、かなり湿気ているのがわかった。密封保存していても、市川さんは屋外で茶席をすることが多いから、出し入れするときに水が入りやすい。
ちょっとの湿気で悪くなるようなヤワな茶葉ではないから大丈夫。
今回の展覧会は茶壺がメインだったので、市川茶壺でお茶を淹れた。(自分が淹れることになった。)
琵琶湖の湖底の古土の茶壺は、釉薬をつかわない素焼き。あきらかに高温で焼き締まった石っぽい硬度。蓋と胴体を当てるとカン!と高い音が鳴る。
ザラザラの表面の質感だがギリギリを攻めた薄手につくられている。これ大事。
こういうのは茶葉を選ぶ。中国宜興土のようにどんなお茶を淹れても美味しいというわけにはゆかない。
このお茶『中茶牌65周年青磚03年』の古びた味との相性は良いはず。
茶葉の素質の良さ以外に雑音が多い。湿気た味や、もともとの雑なつくりの味など。
1煎めからこれらの味をひとつにまとめるには、蒸らし時間を長くしてじっくり待ちたい。待っても濃くなりすぎないように茶葉の量は少なめにする。
市川茶壺はサイズの大きめのが多いが、おそらく経験からそうなっていったのではないかと思う。湯量が多いと熱量も多いので、じっくり待つことができる。茶壺には土の質とサイズのバランスというのがある。
中国茶の泡茶は1煎めが勝負。この味がキマれば後の煎は安泰。
ちょっと緊張したが、うまくまとまった。
いろんな味が混然一体となりつつ透明感があり、充実感もあり、まさに霊薬としてのお茶が身体に染み入る感覚を味わえた。
薬草茶をいくつか飲んだ後だったが、茶葉のパワーが圧倒的にすごい。茶の酔い感がより際立った。
やっぱりお茶でしょ!。
男たち6人はちょっと静かになって、お茶遊びの終わりの味わいを味わった。
いつのまにかあたりは暗くなって夜がきていた。
後から市川さんから「ぐっと来るものがありました」とコメントをもらったが、他の方々も同じことを感じていたに違いない。
いろいろ偶然が合わさった奇跡の時間だったと思う。
自分はこの茶席にもうひとつ別の効果があることに気付いていた。
それは、男性だけだったということ。
男たちのお茶。
このシチュエーションは久しぶり。
西双版納では茶友たちと上質な茶葉を味わうとなると男たちだけで集まった。とくに仲間と申し合わせたわけではないが、自然とそうなる。
ところが、他の場所ではそうはゆかない。上海のお茶飲み会でも、日本でも、うちの茶教室でも、男性だけがこの人数集まることはなかった。
現代社会でこういうことを言うのは肩身が狭い。女性を尊重していないと解釈される。
台湾茶も日本の茶道も、とっくの昔に女性が対象となって、それに合わせて変化して、今のカタチになっていると思う。
中国茶も台湾茶の影響で女性が主役になりつつある。
何年か前に上海で自作のお茶の試飲会をしたときには、男性がひとりも居ないことが何度かあった。
気持ちはわかる。女性が圧倒的に多い中におっさんひとりかふたりでは居心地が悪いのだ。
男の聖地としてお茶。中国茶の古き良き世界観をとどめておきたい。
お茶席はしつらえや作法でその世界観を表現するが、そこに居るのが女性か男性か、性別によるところのほうが世界観をつくる作用は大きい。
やはりおっさんの独り茶はイケると思う。
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プーアール茶2003年
2023-11-02T08:02:00+09:00
ふじもと
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版納古樹熟餅2010年 その52.
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の...
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
上海時代の友人の酒徒さんが中華レシピ本を出された。
+【あたらしい家中華 酒徒さん】
今の季節は里芋とネギの焦がし油の”葱油芋艿”がおすすめ。
材料は里芋とネギ。それだけ。
レシピは素材そのものを味わえるようによく考えられている。
卵とトマトを炒める定番の”西红柿炒蛋”は、ほんとうに卵とトマトだけにしてある。さすが!とプロ(食べる方の)を唸らせるレシピ。
料理は引き算。足し算で味を濁してはいけない。
独自のアイデアで素材や調味料を足したりしないこと。
素材や調味料に上質なのを選べるのが家中華の利点であり、外食に負けないところである。良い素材を手に入れた時点で勝負はついている。
旬の素材を選ぶのはもちろんだが、とくに油は上質を選びたい。
西双版納で仲間と外食するときは、上質な油をレストランに持ち込んで、「これで調理するように」と頼んでいたくらい。(日本ではやりにくい。)
この本のレシピをひととおり試せばわかるはずだが、料理の素材は野菜が王者である。肉や魚ではない。
世界中のみんながそこを理解したら、農業や外食のレベルが上がってゆくと思う。そして環境破壊にもブレーキがかかる。
懐かしくなって上海時代のブログの管理ページを久しぶりに覗いてみたら、いまだにこのお茶ブログよりもアクセス数が多いことがわかった。
+【上海のお昼ごはん】
2008年から更新していないのになぜ?
美味しさの感動の大きさで比べたら、料理よりもお茶のほうがはるか雲の上なのに。みんなわかっていない。
いや、ちがう。自分のほうがみんなのことをわかっていない。
わかるつもりはない。
ちなみに酒徒さんのインスタ(大人気なアカウント)では日々食べものの写真が出てくるが、自分はこれを見ると食欲が過剰に掻き立てられて、食生活が乱れて、その結果体調を壊してしまうことに気付いたので、ミュートにしてたまにしか見ないようにしている。
さて、独り茶。
熟茶の上質についておっさんは語る。
料理もそうだがお茶も足し算はダメ。
熟茶は花の香りをつけたりミルクを混ぜたりされがちだが、そうしたくなるのは選んでいる茶葉の質が悪いからである。
素材が良ければ茶葉だけで十分に豊かな味わいのあることに気付くはず。
また、味のバランスという点においても茶葉だけでカンペキ。
茶葉そのものの持ついろんな成分と微生物発酵がつくった成分が混然一体となったときには、すべての味は調和してむしろ透明になってゆく。清らかで穏やかで、人間の煩悩を洗い落としてくれるだろう。
熟茶が上質かどうかは濃く淹れたらわかる。
写真のように真っ黒になるくらいに濃くする。
色の濃さに反して味は透明でツヤツヤ。甘濃いくて粘りがあるのにサラサラした液体。
みんながこの上質に気付いたら、大量生産の不健康な茶葉の流通が減って、環境破壊にブレーキがかかる。
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プーアール茶2010年
2023-10-31T07:56:00+09:00
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易武古樹青餅2010年 その49.
製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁の茶海+鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁の茶海+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
『易武古樹青餅2010年』は水平鍋で殺青している。
熟成13年めの今になってこの効果が現れている。
ところで、最近自炊の炒飯に凝っている。
おっさんの独り飯は手間ひまかけて美味しいものをつくる。
ひっそりと徹底的にやる。
家庭用コンロで美味しい炒飯をつくるコツは2つある。
1.卵以外の具材を少なめにすること。
2.鍋を頻繁に振らないこと。
この2つとも熱量と水分の調整のため。
炒飯は炒め(火入れ具合)が美味しさの要。
家庭用のコンロではプロのように鍋を振ってパラパラさせると熱が逃げて、水分も逃げて、うまくゆかない。
あまり鍋を振らないで、お好み焼きみたいに米と具を中央に集めて蒸し焼き状態をつくる。水の熱伝導力を利用して火を入れる。
ちらし寿司をつくるときみたいにヘラで切るように混ぜて、たまにひっくり返す。
中火で十分。これであれば時間をかけても米が乾かないでふんわり仕上がる。弱い火力でもそれなりに美味しくできる。
具材を少なめにするのは、時間がかかるので野菜などから水分が出てベチャッとなりやすいから。
鉄鍋で茶葉を炒る殺青にも似たようなことがある。
農家へゆくと殺青自慢たちがいて(雲南の農家は若者が多い)、力任せに茶葉を頻繁にひっくり返している姿をよく見かける。動作が機敏で一見プロっぽく見えるが、こうして炒られた茶葉は長期熟成すると味が濁ってくる。
頻繁にひっくり返して早い段階で水蒸気を逃してしまうと、茶葉の芯までしっかり熱が通らないうちに表面だけが乾いて焦げやすくなる。焦がさないようにひっくり返しているつもりだろうが逆効果である。
茶葉の複雑な形状にできるだけまんべんなく熱を通すには、熱伝導の良い水蒸気をコントロールする必要がある。
水平鍋なら、あまり意識しなくとも高温の水蒸気が中央に集まって茶葉をうまい具合に蒸し焼きしてくれる。
大葉種の茶葉なので、熱が芯のところまで伝わるのに時間がかかる。
なので、ある程度時間をかけて熱を通す必要があるが、しかし乾いてはいけない。
生茶の特徴は、殺青の後も水分をたくさん含んだままで天日干しして、そのときに軽発酵がすすむこと。
このへんのバランスが大事。
このお茶は熟成13年目めになって、はじめの3年くらいは西双版納のそこそこ湿度の高い環境に保存していたにも関わらず、お茶の味は濁りが少なく透明感を保っている。
生焼けになっている部分が少ないから。
他のサンプルにつくったわざと生焼け部分を多く残した茶葉があるが、これは熟成過程で味が濁ってくる。
濁ってくるのを”味が濃くなる”と、それが熟成味であると勘違いされていることが多いが、そんなことはない。熟成するほどむしろ透明感を増すのが上質。
独り茶はこの違いの解る男であるべき。
泡茶のときにも熱の入れ方に考慮する。
茶葉にいかに熱を伝えるのか、この伝え方によってお茶の味の出方が異る。
生茶のプーアール茶は3煎めか4煎めに美味しい・・・・という淹れ方をしている人が多いように思うが、1煎めから美味しくないのは、茶葉が悪いのか、淹れ方に問題があるのか、そのどちらか。
泡茶技術をちょっとだけ紹介する。
ここまで話してきた熱の伝え方に関わるところ。
1煎めから美味しくならないのは、熱量が足りていないから。
この場合の美味しいというのは、味がひとつにまとまっているということ。
初心者のときはお茶の味が濃いか薄いかを気にしがちだが、しかし味の濃い薄いは美味しさとはあまり関係がない。濃くても薄くても美味しいものは美味しい。
味がまとまっているかバラバラのままか。その観点が大事。
泡茶のコツはお茶の味をひとつにまとめること。
味をまとめるには茶葉に十分な熱量を与えること。
いろんな技があるが、今回はそのうちのひとつを紹介する。
茶葉2g(ひとりで飲むならこのくらいが上限)なら、1gずつ2回に分けて投入する。
例えば、1煎めは1gだけ。2煎めで残りの1gを投入し、3煎・4煎と続ける。
湯量=熱量。湯量は茶壺の中での茶葉と湯の割合によって決まる。
1煎めの茶葉を少なくすることで熱量が足りてまとまった味になる。
最初から2gあると熱量が足りなくて味がまとまらない。
ついでにもうひとつ、このお茶の場合は3煎めあたりの茶葉にしっかり熱が通ってからの煎では、蒸らすときに蓋をしないほうがよいことがある。
旬の新芽・若葉の純度が高いと、その成分構成によっては熱に弱い。煮えすぎると辛味・渋味が強くなる。
そうなりやすい3煎か4煎めを蓋をしないで、さらにそれを通り越した5煎か6煎になるとまた蓋をして蒸らしたほうがよかったりする。
茶器それぞれの保温力にもよるので、手持ちの茶器でどうかは各自が確かめるしかない。
ひとりだからこだわる。
ひとりだから贅沢をする。
独り茶は、いずれ男前な女子が進出してくると予測している。
またひとつおっさんの居場所がなくなる。
そのときまでに先生になっておけるよう、今頑張ってポジションをつくっておく。
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プーアール茶2010年
2023-10-29T11:19:00+09:00
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曼晒古樹青餅2017年 その6.
采茶 : 2017年04月12日
茶葉 : ミャンマーシャン州 チャイントン
茶廠 : ミャンマー布朗族の農家
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想...
茶葉 : ミャンマーシャン州 チャイントン
茶廠 : ミャンマー布朗族の農家
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
何度か自分で淹れているうちに良さのわかるお茶。
『曼晒古樹青餅2017年』。
西双版納から西にミャンマーへ数十キロのあたりの、今となっては無名茶山だが、かつて明代から清代にかけてお茶どころとして栄えた歴史のある山の半野生茶。
おっさんの独り茶にはこういう奥ゆかしいタイプもよい。
例えば、上海の茶葉市場の小売店ですすめられて品茶しても、その場でこの茶葉の素質を見抜くことのできる人は少ないだろう。
そういう自分も品茶に3日かけている。
毎日毎日いろんな山のお茶を試している自分でさえそうなのだから難易度は高い。
なぜすぐにわからないのか。
(もしもすぐにわかっていたら11キロ余分に買えた。すぐに判断できずにいたので8キロしか入手できなかった。)
茶教室でよく話しているように、茶葉の良し悪しは味や香りよりも酔い感や水質をみる。
この観点はじっくり飲んで自分の身体に「どうですか?」と聞くことになるので、紅茶のテイスティングのようにカップをズラッと並べて順に口に含むようなやり方ではわからない。
もしも小売店で売っていたら、少しだけ買って家であらためてじっくり飲んでみるしかない。
それはさておき、もうひとつ別の問題がある。
今回話題にするのは、泡茶技術の問題。
このお茶は蓋椀では難しい。
茶壺でじんわり熱をとおす淹れ方においてはじめて奥の方の輝きに気付くことができる。
葉柄の大きい大葉種の中でも、さらに大きめの茶葉になる品種特性。
小さめの新芽・若葉を収穫するから、茶葉の大きさは他の生茶のものと一見変わりないように見えるが、繊維の質や成分構成が異る。
これと湯の熱との関係。
山ごとに品種特性が異る”山頭茶”。
それぞれの特性にあわせた茶器の構成や淹れ方を見つけるまでは何度か試すしかないだろう。湯の熱の入り方の違いをいくつかのパターンで試す。
茶葉の専門店や産地の農家に買い求めに行って試飲をしても、ほとんどが蓋椀などでシャッシャと同じ淹れ方をしている。
この淹れ方がピッタリ合うこともあれば合わないこともある。
もしかしたら、茶葉の素質が見抜けないままスルーしてきたかもしれない。
もしかしたら、すでに買った手元の茶葉においてもまだ素質に気付いていないかもしれない。
通信講座の#003,#005などはそれに関わることをテーマにしている。
+【通信講座】
また、茶教室でもそのあたりの講義をしている。
手元の茶葉でわかりにくいのがあれば、お持ち込みいただくのもアリ。
茶葉の特性をどうやって探るかの実践をお見せします。
どうぞよろしく。
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プーアール茶2017年
2023-10-28T11:16:00+09:00
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中茶牌65周年青磚03年 その11.
製造 : 2003年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
おっさんの独り茶...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
おっさんの独り茶。
高級茶もよいが、あまり知られていない隠れた実力のも良い。
『中茶牌65周年青磚03年』。
老舗大手メーカーの60周年記念茶なので、大量につくっていたはずだし、入手した当時の2013年は発売後すでに10年経っていたけれど、昆明の倉庫業者(熟成茶専門の巨大な倉庫業をしている)に眠っていた。
そのときはまだ市場での評価は低かったと思う。
その後もこのお茶の噂を聞いたことがないので、市場ではあまり認知されていないのかもしれない。実は少量生産だった可能性もある。
茶葉を見たらわかる。
黒黒としていて表面に浮き出たテカテカした成分。
旬が充実している証。
ほんとうの旬の期間は短い。当店オリジナル茶の解説を読んだらわかると思うが、旬にこだわるとごく少量しかつくれない。
この銘柄は大手メーカーのわりに少量生産だった可能性もある。
倉庫業者は元国営の三大メーカーの茶葉を手当たり次第に買えるだけ買っておいて、顧客の反応を見ながら価格を上げてゆく。
もしもこの銘柄が少量しかなければ、在庫している分の価格を上げたところでたいした儲けにはならない。
倉庫業者にとっては大量につくられた銘柄のほうが儲けが良い。なのでお金をかけて宣伝もするし、小売にも推奨する。
結果、品質の低級な大量生産のもの(旬の茶葉だけでは足りないのでいろいろ混ざる)ほど評価の高い銘柄となる。
市場の性質を把握して、ひそかに自分だけ上質を選ぶ目利きは、おっさんらしい楽しみ方である。
熟成20年目。
微生物発酵していないタイプの生茶。
このタイプは一煎めのお茶の味で保存状態の良し悪しがわかる。
1煎めの不味いのは保存が悪い。
また、美味しく淹れるにはそこそこ高い泡茶技術を求められる、
大手メーカーの微生物発酵していないタイプの生茶は、20年も熟成させると多かれ少なかれ劣化した印象の味をともなう。
20年のあいだには、予期せぬ環境の変化で茶葉が意図せず湿気ることもあるから。
泡茶は、まず眠っているような茶葉を目覚めさせる1,2煎めと、目覚めてから舞い上がるような3,4煎めと、落ち着いて甘露を味わう4,5煎めと。例えばこのように構成を考えないと、ただなんとなく淹れていてはダラけた味になりやすい。
ひとりで飲むからこそ、誰よりも美味しくこのお茶を淹れているという優越感に浸りたい。
独り茶でも泡茶技術は大事。
通信講座のテーマにしてもよいと思う。
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プーアール茶2003年
2023-10-23T15:43:00+09:00
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刮風古樹青餅2018年・緑印 その5.
製造 : 2018年4月11日・12日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
おっさんの”独り茶”気に入ってる。
お茶の世界観が的確に表現できていると思う。
ひとりで飲むなら高級茶。
+【刮風古樹青餅2018年・緑印】
茶葉が大事。
なにがなんでも上等でホンモノのど真ん中のやつ。
お得感とか、手軽さとか、経済的とか、良心的とか、そんな言葉で誤魔化しちゃいけない。
自分の気の弱さを味わって惨めになるから。
今この瞬間は世界の誰よりも良いお茶を飲んでいる。ひとりで飲むからこそ誇らしくあるべし。
上質な茶葉は陰の酔い。
もっと深く沈むほうへ、もっと内側のほうへ。
快楽なのに陰。
時間の感覚がなくなる。
聞こえている音が気にならなくなる。
見えているものの意味がなくなる。
陰の茶酔いに入ってゆくと、視覚効果のあるものや音楽などの外側の世界に価値がなくなるので、それらの演出は効果的でない。
お菓子はいらない。お菓子を食べて茶酔いを切ってしまうのは、眠って夢を見ているところに水を浴びせるようなもの。
お酒は大丈夫。
陰の酔いの終盤に現世に戻ってくるためのクスリになる。
陰の酔いをみんなと共有するのは難しい。
喫茶でお茶を飲む、または茶会でお茶を飲む。
これと独り茶はまったく別モノ。
精神的なところが違う。
独り茶をするのが難しい人が多いのではないかと思う。
カンタンにひとり静かになれない。
スマホやテレビで脳が痺れていて、経済合理性や善悪に脳が囚われている。
独り茶しながらスマホをいじったり、明日のことを考えたり、悩み事を悩んだり。
ただお茶を味わうというカンタンなことが意外とできない。
どうやって独り茶になじんでゆくのかを、これから少しずつ書いてゆくつもり。
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プーアール茶2018年
2023-10-21T08:49:00+09:00
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中茶牌3917沱茶93年 その16.
製造 : 1993年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
おっさんがひとりでお...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
おっさんがひとりでお茶を飲むシーンをインスタグラムに投稿している。
文章の解説は無し。
これからは飲むお茶よりも見るお茶。
茶教室にわざわざ来なくても見て楽しめるという趣旨。
宣伝効果は無かった。一年くらいインスタ続けているけれど、来客はむしろ減った。
商売は女性を対象にすること。
どこかで聞いた言葉だが、おそらく昔からあるセオリーで、お金の歴史とおなじくらい古いものだろう。
対象的なおっさんのお茶。
『中茶牌3917沱茶93年』みたいな老茶はとくにおっさんの味。
ただ、なんとなくインスタには可能性を感じる。
お茶の味を、文章よりも写真のほうがうまく表現できる。
飲んだことのある人なら、そうそう!と相槌を打てる・・・かもしれない。
このお茶ならではの良さを写真は捉えている。
一人飲みがその感じをうまく表している。
良いお茶はひとりでひそひそ飲むものだから。
女性はみんなと共有できることに喜びを感じる。
男性は独りぼっちが我慢できる。他人に理解されてなくてもかまわない。だから尖った趣味に走れる。
寂しさも味わいのうち。
喫茶文化、茶文化の起源は、このようにおっさんの独りぼっちの味わいが成熟させていったと思う。
そういう楽しみ方に本領を発揮できる茶葉の集まっているのがうちの茶教室の特色だから、おっさん一人飲みのインスタで集客できるわけがないよな。
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プーアール茶1993年
2023-10-18T17:42:00+09:00
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祈享易武青餅2014年 その10.
製造 : 2014年04月02日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 景徳鎮白磁蓋椀・茶海・茶杯・鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 景徳鎮白磁蓋椀・茶海・茶杯・鉄瓶+炭火
お茶の感想:
通信講座の紹介。
+【通信講座#006 茶葉の水質をみる】
今回は品茶がど真ん中のテーマ。
過去最も難しい飲み比べになる。
難しいからこそ品茶の世界の奥深いところへ案内できると思う。
茶葉の名前を伏せてA.B.としか記していないので、おそらくどっちがどっちか当てられない。中国茶を仕事にしている人でも危うい。
上から目線で悪いけれど、日本の品茶のレベルは低い。
日本には良い茶葉が流通しないとボヤく声を聞くが、良い茶葉がわからないところに流通するはずがない。
品茶は、教本になりえる正しい茶葉がないとダメ。手当たり次第に数をこなしても、すべてハズレのどんぐりの背比べにしかなっていない可能性もある。
このお茶『祈享易武青餅2014年』は正しい教本になる。
もっとも伝えたいことはシンプル。
茶葉の良し悪しは身体に選ばせること。
一度コツがわかれば、後はカンタン。どんな茶葉でも通用するだろう。
身体に選ばせるのは、茶葉だけでなく生薬の良し悪しを見るのにも共通する。
自分はこれを米やお酒を選ぶのにも応用している。
有名茶山と無名茶山の違いであると紹介したのは余分だったかもしれない。
ただ、自分の経験上(上海で老茶を品茶していた2003年から現在まで)、身体の選ぶ茶葉がことごとくホンモノの銘茶や歴史ある有名茶山(ニセモノや粗悪品ではない正しい茶葉であることが前提で)のものであるから、これを確信している。
昔の人は知っていたのに今の人にはわからない。
これは中国でもおなじこと。
人類は進化しているのかもしれないが、品茶の能力は落ちている。
鍛えなおすしかない。
教材の茶葉は2つともベストなコンディション。
袋詰をする前に炭火の遠火で温めてしっかり水抜きをしてあるので、品茶のときはそのまますぐに使える。
1回2gでも3回分チャンスがあるから、仲間で集まって品茶するのも良い。
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プーアール茶2018年
2023-10-15T09:09:00+09:00
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章朗古樹紅餅2016年・青印 その10.
製造 : 2016年4月6日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・白磁の茶海・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・白磁の茶海・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
茶海を使ったお茶淹れを試す。
やや難しいこの紅茶。
+【章朗古樹紅餅2016年・青印】
おなじ時につくった生茶のほうは上出来で、お茶淹れも難しくない。
紅茶に加工したこのお茶は不安定で味が安定しない。
その要因は火入れの少ない製法にある。
熱によって変化しやすい成分と、そうでない成分と。
これが混じり合ってなじむように泡茶の湯加減と蒸らし時間を調整しなければならない。
高温+短時間と、低温+長時間。この中間に近づけるために茶海に注いでから1分ほど温めながら待って(ここ大事)、成分のなじむのを待つ。
とてもカンタンに美味しくなる。
まろやかで優しい味。
このお茶の場合、まろやかにすることで味をぼかして、底の方にある古樹ならではの力強さを感じさせる表現ができる。
表現は、飲む人に合わせる。
例えば、西双版納孟海県の古樹の紅茶を味比べする機会のある人には、少々荒々しくても直接的な表現のほうが喜ばれる。
そこに興味のない人には、茶海のまろやかな味のほうがウケるだろう。
茶海を使わずに茶壺から茶杯に直接注ぐやり方はとても集中力がいる。
頭の中で熱と茶葉の成分との関係をいろいろ考えて、細かな工夫をしなければ味が荒れやすく、まとまらない。
自動車の運転に例えるとオートマチック車とマニュアル車のようなもの。
お茶淹れの技術を向上させたい場合、湯と茶器と茶葉との関係が手に取るようにわかる直接注ぎのマニュアルトランスミッションが良い。茶海を使うとお茶の味が偶然なのか技術なのかが見えにくい。なんとなく淹れることに慣れてしまうだろう。
お茶淹れの難しさと楽しさは表裏一体。
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雲南紅茶2010年
2023-10-03T11:36:00+09:00
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http://x.puer-cha.com/?eid=1456
巴達古樹紅餅2010年 その29.
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶380gサイズ
保存 : お菓子の缶 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶380gサイズ
保存 : お菓子の缶 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
昨日につづいて茶海(公道杯)を使った淹れ方を試す。
2010年の雲南紅茶。
+【巴達古樹紅餅茶2010年】
茶海に注いでから炭火の遠火で保温して1分ほど蒸らす。
ぬるめの湯で蒸らし時間をとりたいから。
茶壺には熱々の湯を注ぐ。そうしないと熟成13年めの茶葉は眠りから醒めない。そもそも雲南大葉種の繊維と成分はぬるい湯では味がまとまらない。
熱々を注いだ茶壺の中で蒸らし時間を長くすると煮えすぎる。80度くらいの温度をキープしながら待つのは茶壺では無理。茶海に注いでから保温して待つ。
いつもの直接茶杯に注ぐのも試した。
結論から言うと、茶海を使ったほうが良かった。
一煎めから四煎めくらいまで、すべて茶海で通したほうが良いだろう。
この茶葉にはそのほうが似合う。
ふたつの観点からそう思える。
ひとつは効果。
もうひとつは味の表現。
効果については上にも書いた通り。
熱々の湯を注ぎたいが、熱々のまま蒸らしたくない。茶海を中間にはさんでぬるめの湯をキープする時間がちょうど良い。
鈍感と敏感が共存する茶葉の成分。
熟成のすすんだ茶葉。しかしながら春先の柔らかい新芽・若葉。しかも製茶工程で高温を通したことのない”生”な仕上げ。
この2つの相反する熱への反応の中間を取るのに茶海を使うのは効果的。
もうひとつの表現について。
お茶づくりの価値観というか世界観の違いが根底にある。
山の環境や茶樹の健康をダイレクトに味わいたい生茶のプーアール茶なら、直接注ぎのほうが素質の良さを表現しやすい。茶海をとおしてちょうどよい濃さで美味しくなったとしても、どこか物足りなく感じる。
しかしこのお茶は紅茶。
もちろん山の環境も茶樹の健康も申し分ないが、茶葉が赤くなるまで軽発酵をすすめて成分を変化させ、ぼかした風味・優しい体感に加工している時点で求めているものが異なる。
そうなるとむしろ隠したいくらい。
隠しても隠しきれない山の力強さや茶樹の生命力。
一見、ぼんやりした紅茶の風味に、飲む人が得体のしれない異様なチカラを見てしまうほうが、表現としてはカッコいい。
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雲南紅茶2010年
2023-10-01T10:48:00+09:00
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http://x.puer-cha.com/?eid=1455
易武古樹青餅2010年 その48.
製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁の茶海+鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・白磁の茶海+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
生茶を淹れるのに茶海(公道杯)を使ってみる。
いつも基準にしているこのお茶。
+【易武古樹青餅2010年】
台湾茶の淹れ方を見てヒントを得た。
茶海は戦後の台湾茶道で使うようになってから普及したらしいが、現在は中国茶の多くで茶海が使われていて、プーアール茶にも標準になっている。
たしかにこれを使う茶器の構成は歴史的には新しい。
自分はあえて茶海を使わないで茶壺から直接茶杯に注いでいるが、このほうが少数派。
中国茶はどのお茶も長い歴史のなかで断絶と復興を繰り返していて、ひとつづきではない。
断絶というと文化大革命を思い浮かべるかもしれないが、それどころじゃない。もっとずっと昔からいろんな地政学的な影響で何度も姿を変えている。そして復興するたびになにか新しくなっている。
プーアール茶も同じ。
生茶の歴史は長いが製法は1990年代で新しくなっている。建前では昔ながらを謳っているけれど、実際はそうじゃない。
現在2020年代だから、新しくなって30年しか経っていない。30年で成熟するわけがない。
現在のプーアール茶に茶海が標準的に使われているのは、主に利便性によるものであって、お茶の味にどのような作用をもたらすかを深く検討された結果ではないと思う。淹れ方の技術や茶器の構成はまだ進化の途中。
実際、自分が茶海を使わないのは、そのほうが美味しいから。
茶海を使うと、水の活き活きとした口感が損なわれたり、茶の味や香りの輪郭がぼやけたりする。
1990年代以降の新しいタイプの生茶は繊細で、ほんとうはお茶淹れ技術が味を大きく左右する。しかし市場の建前としては昔ながらのイメージを引き継ぎたいので、それついて語られることは少ない。
茶壺から直接茶杯に注ぐ。
これは美味しいけれど、ひとつ問題点がある。
一煎めがむちゃくちゃ難しくなること。
茶器の容量と茶葉の量、湯を注いでからの蒸らし時間。ちょっとでも湯の熱量と茶葉の量のバランスが悪いとお茶の味がいまいちになる。
甘味・苦味・渋味・香りそれぞれがバラバラに感じる。
こういうことがよくある。
一煎めがキマらなくても、二煎め三煎めは安定する。
湯の熱がしっかり入ってゆくと、茶葉の成分がひとつにまとまりやすくなるからだろう。
例えば、料理で味噌汁をつくるときに、具材をあるていどグツグツ煮たほうが味がまとまる。煮る時間が短いとまとまらない。これと同じ。
これを避ける泡茶技術として、プーアール茶は洗茶して一煎めの湯を捨てる方法が普及している。
しかし安い茶葉ならよいが、丁寧につくられた高級茶はもったいない。一煎めのサッと湯をとおした一番だしのような美味しさを捨てることになるから。
この、サッと湯をとおした味は、出来たての新しい生茶ほど美味しい。
熟成13年目の生茶。微生物発酵していないタイプの現代の生茶は熟成がすすむほどに味がまとまりにくくなる。
まとめるためには一煎めの蒸らし時間を長めにする必要がある。
ところが、ちょうど良い濃さで出すと蒸らしが足りないし、ちょうどよい蒸らし具合まで待つと味が濃すぎる。
中間をとるには、茶壺の容量と茶葉の量のバランス。蒸らし時間のジャストなタイミング。これに熟練しなければならない。難しすぎる。
このちょうどよい頃合いを調整するための道具として茶海を使ってみる。
一煎めに、ちょうど良い濃さで茶海にうつして、茶海の中で味がひとつにまとまるのを待つ。
炭火の遠火でおよそ1分間保温してみた。
こうするとたしかに味はまとまった。
ただ、やや眠い味になる。
一煎めにぼんやり優しい味をもってくるか、ガツンと目の覚めるような荒い味をもってくるか。
どっちもどっちで、好みの問題かもしれないが、自分はガツンにあまりにも慣れているので物足りない。
もうちょっと何度か試して、茶海の可能性を探ってみるつもり。
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プーアール茶2010年
2023-09-30T09:53:00+09:00
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刮風古樹青餅2018年・緑印 その4.
製造 : 2018年4月11日・12日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
熟成の話題。
微生物発酵していない生茶。
1990年代以降の新しい生茶の長期熟成については、まだこれといった成功モデルが無い。
プーアール茶の消費の多い広東・福建・台湾を中心に各地で様々な試みがあることは聞いているが、しかし、もしもどこかである熟成方法に目覚ましい成果が上がっていたら、それはみんなに真似をされて広まるはずで、西双版納でお茶づくりを続けている友人たちもすぐに真似て、その情報が伝わって来るはずだが、今のところそうなっていない。
みんなが迷走中なのだと思う。
この状況が自分にとっては面白い。
自分なりのやり方で、みんな(長期熟成に関心のある茶友たち)を驚かせるほどの成果を上げるチャンスがあるかもしれない。
京都東山壺入り熟成のお茶。
+【刮風古樹青餅2018年・緑印】
熟成5年めになった。
最近よく飲んでいる。
お茶の味の出方が面白い。
濃くすると苦いお茶になり、薄くすると甘いお茶になる。
中間のちょうどよいバランスにならない。
何度試してもそう。
淹れ手の技術が試される。
熟成によってお茶の味の出方が変わる。泡茶の技術もそれに合わせてゆくべき。
熟成というと、味がまろやかになるとか、深みがでるとか、香りが変わるとか、そういうところに注目されがちだが、しかしそれは淹れ手の技術的な表現が伴ってこそのもの。
熟成味の表現。
微生物発酵していない新世代の生茶は、泡茶技術がともなって、新しい熟成味の世界が開花すると予測する。
長期熟成は、途中でブレてはダメ。
たまにこうして自分の方針を表明しておかないと、焦って別の方法を試しそうになる。
新しい方法を試すなら新茶を仕入れてからにするべし。
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プーアール茶2018年
2023-09-17T17:23:00+09:00
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7592七子餅茶1999年 その4.
製造 : 1999年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド9級
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ崩し
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド9級
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ崩し
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
浄化の味。
熟茶の長期熟成の変化は、ほんとうの意味で浄化している。比喩ではない。
+【Instagram】
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プーアール茶1999年
2023-06-04T10:44:00+09:00
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版納古樹熟餅2010年 その51.
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の...
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
茶器でお茶の味の表情が変わる。
お茶は『版納古樹熟餅2010年』。
白磁の蓋碗で淹れたこのお茶はキリッと辛口だった。
景徳鎮の薄いつくり。白磁のガラス質。
指ではじくとチン!と鳴る。
白磁の蓋碗はお茶の味の輪郭線をクッキリさせる。
サッと湯を切って薄目に淹れたらちょうど良いバランス。
清らかな味。爽やかさと透明感が表現できる。
対象的に、チェコ土の宝瓶は輪郭線を消してボカシた味になる。
焼締めは石のように硬いが、粒粒の粗い土質と器の厚み。重み。そこに吸収される熱量。
指ではじくとカン!と鳴る。
濃いめにするのが美味しい。
輪郭がボケてとらえどころのない味だから濃くしないと物足りない。
逆に、白磁の蓋碗で濃くすると辛味が強く出て騒がしくなる。
静かな濃い味だから見えてくる奥のほうの味わい。
とろんとした舌触りと甘味と苦味。
ゆっくり。
まったり。
ほっこり。
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プーアール茶2010年
2023-05-25T07:47:00+09:00
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丁家老寨紅餅2019年・秋天 その4.
采茶 : 2019年11月19日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 雲南紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 雲南紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
茶箱の底のに5枚残っていた。
『丁家老寨紅餅2019年・秋天』。
もう一枚も無いと思っていたから、得した気分。
自分でつくった紅茶の中ではこれが一番。
これより美味しい紅茶はない。
自分のお茶が好きすぎて困ったものだけれど、冷静に見てもそう思える点がある。
それは、旬の芯を捉えたこと。
春の旬も秋の旬も、約1ヶ月半ほどの期間がある。
約45日間として、この日!というタイミングは1日か2日。
たとえ45日間毎日お茶をつくったとしても、この日!に晴天がつづくとは限らない。
ほんとうに満足のゆくタイミングを捉えた実感のあったのは3年に1度くらいだろうか。
このお茶は芯を捉えた。
旬の命の燃える炎が見えそうなくらい。
この日と別の日では、野球で言えば場外ホームランと内野ゴロの差がある。
家から見える京都東山の新緑もこの日!があった。
ちょうど先週末に緑が一段と明るく輝いた。それから5日もしたらやや暗く見える。
森の古樹のように栽培に人の手が入らない場合、旬のタイミングを調整することはできない。
ほとんど運任せ。
実力ではなく、運がよいかどうか。だから素直に嬉しい。
同じ丁家老寨の古茶樹でつくた生茶に旬のタイミングの良いサンプルがある。
これを茶教室のリクエストメニューに加えた。
+【春茶と秋茶の飲み比べ(リクエスト)京都】
春と秋の味や体感の違いを知るのに、これほどわかりやすいものはない。
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雲南紅茶2019年
2023-05-21T10:08:00+09:00
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刮風古樹青餅2018年・緑印 その3.
製造 : 2018年4月11日・12日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
さきほど黄印を飲んだので、ついでに緑印も飲んでおく。
2枚目を崩す。
1枚目は、試飲用に形の崩れたクズ茶葉を固めている。湯を注ぐと急に濃く出過ぎて味が濁る。
なので、ほんとうに美味しく飲めるのは形のキレイな茶葉。
2枚目からは、形のキレイな茶葉だけを固めて餅茶にしている。
せっかく形のキレイな茶葉なので、崩すときにボロボロにしたくない。
慎重に、うなぎの目打ちで餅茶の表面の茶葉を一枚一枚ゆっくり剥がすように崩す。
美味しさが怖いくらい。
死期が近づいているかもしれない。
お茶の上等は陰の味わい。
ひとつ飲んだら一日が終わった感があるけれど、ふたつをいっぺんに飲んだら人生が終わりそう。
今夜はお酒で俗世に戻ろうかな。
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プーアール茶2018年
2023-05-20T18:28:00+09:00
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刮風古樹青餅2018年・黄印 その6.
製造 : 2018年4月11日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
自分がつくったこともあって、このお茶をよく飲む。
ひとつのお茶を一年続けて飲むと、四季折々の身体の変化が見えてくる。
お茶の味が苦く感じたり、甘く感じたり、渋く感じたり、いつ飲んでも異なるのは、自分の味覚が変わっているせい。
気温の変化によって茶器の効力も変わる。
冬は温度が下がりやすいので、高温を維持するように心がけて淹れていた。今は5月半ば。同じように淹れたら、このお茶の新芽・若葉は煮えて苦味が強く出る。
今はまだ厳しく感じるが、もっと暑い季節になれば、この苦味が涼しく心地よいものになるだろう。
刮風寨茶坪のお茶は、回甘の早いのが特徴。
苦味がほんの数秒で甘味に変わる。
苦味のボリュームとおなじボリュームで甘味が返って来るから、脳がぐるぐるくる。
しばらく毎日飲もうかな。
暑い季節は生茶がたくさん飲めて嬉しい。
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プーアール茶2018年
2023-05-20T16:37:00+09:00
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中茶牌3917沱茶93年 その15.
製造 : 1993年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
微生物発酵していた昔の...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
微生物発酵していた昔の生茶。
晒青毛茶(一次加工の天日干し緑茶)を貯蔵するために大量に渥堆していたら自然に微生物発酵していたというもの。
意図して発酵を促した様子はない。水は掛けない。
昔のお茶づくりの様子が書かれた本に「堆積の茶葉の山の中心あたりが発熱してほんのり赤く変色し、甘い香りがする・・・」というような記述を見たことがあるが、当時の職人が微生物発酵に気付いていたかどうかは不明。
茶葉の山の中心と外側とのムラをなくすために、圧延加工前にしっかり混ぜ合わせていた。
それでも茶葉は均一にはならない。発酵ムラができて、一個一個のお茶の味が異なる。
昔の生茶は一批(出荷の単位)ごとにもお茶の味が異った。
おそらく堆積された茶葉の山ごとに発酵状態が異なっていた。
この問題があるので、昔のお茶はよくクレームになっていた。
そんなものだと知っているマニアだけが、慎重に確かめて入手していた。
現代の微生物発酵の熟茶づくりは、数回に分けて水を掛ける。そのつど撹拌するので発酵ムラはない。
品質の安定しないものを嫌う現代に、昔の生茶の居場所がなくなるのは仕方がない。
現代の生茶は微生物発酵しない緑茶のままで流通している。
詳しくはこちら。
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
さて、日頃飲むために崩していたこのお茶の一個が、最近ずいぶん甘くなったような気がする。
その味の変化は、微生物の残した酵素によって熟成が促されたもので、特徴であるバニラのような甘い香りとまろやかな風味を得ている。
茶箱に熟成させている別のも甘くなっているのだろうか?
気になって夜も眠れないので、新しく包を開けてみた。
包み紙が茶色く汚れているのは、茶葉から出る揮発成分が紙に付着したもの。
これは微生物発酵とは関係がない。現代の緑茶の生茶でも保存中に紙を汚すのがある。
1993年のお茶。30年間眠っていた茶葉なので、醒茶器に入れて炭火の遠火で温めて、しっかり水抜きをした。
茶葉の色はすばらしい。
麹っぽい甘い香りの良いサインもある。
しかし、期待していたほどお茶は甘くなかった。微生物発酵が浅い感じの渋味が残っている。
その分、爽やかではあるが、やはり老茶は甘いのが良い。その甘さが微生物発酵していたことの証だから。
すでに崩していた一個と、この一個と、もしかしたら熟成年数が異なるのではないか?と疑いたくなるくらいの個体差がある。
これが貯蔵のときの撹拌のムラ。
多少のアタリハズレがある。
このムラが許容できないと老茶は無理。
とはいえ、お茶は美味しい。普通以上に美味しい。
微生物発酵していた生茶の老茶は身体への馴染みが良くて、いくらでも飲める。飲み疲れない。
殺青のときに焦がした苦味が強いのは相変わらず。
この問題は農家の一次加工でのことなので、貯蔵のときの撹拌のムラとは関係がない。
大量につくられたお茶なので、一軒の農家の仕事ではない。
おそらく村人全員の殺青が下手くそだったに違いない。
この技術不足も、今なら許されないだろう。
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プーアール茶1993年
2023-05-19T16:25:00+09:00
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丁家老寨青餅2015年 その3.
製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨小樹
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨小樹
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
先日なにげなく飲んでいたお茶が実はお宝だった。
このお茶。
+【丁家老寨青餅2015年 その2.】
茶壺の底のほうに忘れていた欠片。のこり60gほど。
勘違いしていた。
その1.の記事では古樹ではなく小樹ではないか?と推測していたが間違い。
古樹が正しい。
この茶葉を圧餅したものだった。
+【丁家老寨春の散茶2015年 その1.】
3キロ分の毛茶を180gサイズの餅茶にしたから、15枚くらいはあったのかな?
覚えていない。
しかし、この文書を読み返してみると、早春のはじめの2日分の茶葉。
”一水”と呼ぶ、春のはじめての雨の降る前のだから旬が濃い。かなり貴重。丁家老寨の山じゅうで集めても15キロもないだろう。
冬に溜め込まれたエネルギーが燃える新芽・若葉。
葉の大きな大葉種の中の大葉種的な丁家老寨の古樹で、この小さく細い葉柄はかなりヤバい。今見てもゾクゾクする。
尖った仕事をしていた。
采茶したのも製茶したのも農家だが、こんなにたいへんな仕事を無理やりやらせたのは自分。
今ならこんな無理な仕事はしない。させない。どうせ分かる人などいないと諦めている。ほどほどに手を抜くことを覚えた年寄りになった。
その時(2015年の春)は若かったからやる気があった。
そして、この仕事を分かる人がいないことに腹を立てていたと思う。
今は腹をたてない。期待しない。
しっかり水を抜いて茶葉を眠りから覚ます。”醒茶”と呼ぶ。
10分ほど温めていたら茶葉から糖質の焦げる寸前の香りがしたので、すぐに火から離した。
春の成分が濃い証拠。甘い予感。
やはり甘い。
二煎めはおもいきり濃くしたけれど、それでも甘い。
綿菓子のような甘さ。
液体が舌の上で蒸発して消えるから喉を通る感覚がない。身体への馴染みの良さ。
その2.の記事でヒリヒリ感があると書いていたのは、早春のものだった。消えの早い上質なヒリヒリ。
これぞ高級茶。まったく隙のないカンペキなやつ。
若いときでないとできない仕事があると思った。
自分が消費者なら、なにか怒っている若い人のつくったお茶を買う。
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プーアール茶2015年
2023-05-18T18:41:00+09:00
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蛮磚古樹青餅2020年 その3.
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明蛮磚国有林古樹
茶廠 : 農家と茶友
采茶 : 4月29日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶200gサイズ
数量 : 十数枚
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
...
茶廠 : 農家と茶友
采茶 : 4月29日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶200gサイズ
数量 : 十数枚
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
上火した。
身体に熱がこもって体調を壊すこと。
慣れないパン食が3日間ほど続いて、温寒のバランスが崩れたと思う。
上火すると、口内炎ができたり、鼻水が出たり、喉が乾いたり、胃が荒れたり、寝付きが悪かったり。
風邪の症状にも似ているので、勘違いして体力をつけようとカロリーの高いものを食べると、火に油を注ぐことになって症状が長引く。
中国だったら「スイカを食べなさい」と言われる。瓜系のものは身体の熱を取り除く作用がある。
パン食が悪いとは言えない。
個人的な体質のせいでもある。
また、原材料の健康にもよる。
標準的な価格で買えるパン屋さんの小麦に自然栽培は期待できない。大量生産で無理やり肥らされた小麦もまた上火していて、それを食べた自分も上火する。因果な関係。
このように見るのが中医学的で、自分もそれに習っている。
数日間、外食と酒を控えておとなしくしていたら回復した。
茶葉の健康についてもこのような見方をしている。
必ず山を歩いて、茶樹のあるところの自然環境を見てからお茶づくりをしていた。
「○○という農薬を使っていなければオーガニックです」みたいな、国や業界の都合でつくられた基準は信用しない。
昨日からとつぜん夏が来たような暑さで汗が出る。
身体に涼しさを取り入れたくて、陰涼の森のお茶を飲む。
まるで森林浴。
熱帯雨林の森のお茶は暖かくて湿度の高いところに生息しているせいか、マイナスイオンのような癒やし感。やさしい涼しさ。
夏は朝一番に生茶を飲む。
一日中シャキッとして過ごせる。熱中症でボーッとすることなど一度もない。
夜に飲むとカフェインの効果で眠れなくなるので、午前中がよい。
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プーアール茶2020年
2023-05-18T14:51:00+09:00
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紫天樟香青磚80年代 その5.
製造 : 1980年代
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代) 南天公司監修
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代) 南天公司監修
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
微生物発酵していた時代の生茶のプーアール茶。
国営時代の孟海茶廠は円盤型の”餅茶”が多いが、これはレンガ型の”磚茶”250gサイズ。
南天公司監修というのがプレミア。
名前の”紫天”は、紫色の”天”の文字の印鑑が包み紙に押されているから。
内飛の小さな紙にチベット語らしき文字がある。お寺向けにつくられたのかな?
チベット向けには生活のお茶と修行のお茶がある。
お坊さんの修行に若い茶葉の覚醒の成分が必要。
なので、若葉の配合が多めになる。
対象的に生活のお茶は大きく育った老葉が多い。
お茶の目的が異なる。
お寺向けのお茶は国営時代の下関茶廠が多くつくっていたが、それを孟海茶廠が易武山の茶葉でつくるのがちょっと珍しい。
湯を注ぐと、若葉が黒麹で発酵したものに共通するバニラの甘い香り。
茶湯の舌触りに感じる水質は粗い。
秋の茶葉かもしれない。春なら二番摘み。
低コストでつくられたお茶なので製茶も雑で、茶葉の焦げたところが焼き芋っぽい香り。焦げの苦味が強い。
1980年代の生茶の中では低級だが、今となっては微生物発酵していたホンモノの生茶があることだけですごい。
このお茶を基準にしたら、市場に大量に流通している偽老茶との違いがわかる。
低級ながらも易武山の正宗の味。歴史ある茶地の”麻黒”や”落水洞”のものだろう。”易武古樹青餅2010年”と似ているところがある。
日本人の感覚では、茶葉の真贋を見極める趣味は理解できないと思う。
西双版納の有名茶山のお茶や年代モノの老茶は、古美術などと同じで、真贋の見極めが入り口になる。
翡翠、玉、天然モノの希少な漢方素材、など、中華圏ならでは価値観のあるもの。
茶葉の真贋のことをときどき書いているが、知らない日本人からしたら嫌な感じだろう。
他人の嘘を指摘する。否定的に言う。
しかし真贋は、歴史・経済・地理・政治・自然科学・心理学、いろんな観点から掘り下げて勉強できるテーマ。
真面目にやると面白い。
通信講座でこのテーマを書きたい。
また数ヶ月かかるかもしれない。
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プーアール茶1980年代
2023-05-11T09:24:00+09:00
ふじもと
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易武春風青餅2011年 その14.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
2011年の頭春の生茶。
頭春とは早い春の意味。
+【易武春風青餅2011年】
前回の”春風”の記事で、茶葉が湿気たことを報告していた。
小さな茶箱の蓋を、雨の日に閉め忘れたのが原因。
大きな茶箱にはまだ熟成中のが数枚ある。
これも同じように湿気ていないか心配になって、一枚出して確かめる。
茶箱の置き場所が異なる。
また、同じ茶箱に入っている別の生茶は湿気ていないから大丈夫と思うが・・・。
いつもより茶葉多めにした。
蒸らし時間を短めで出す。
一煎め・二煎めにやや湿気た風味があり、味を濁らせた。
三煎めからはキレイになって、その後は美味しかった。
湿気たことによる酸味は感じなかったので、軽症だと思う。
軽く焙煎したらおそらく味の濁りは消える。
保存熟成には”生”な状態のほうが良いと思うので、このまま茶箱に寝かせておく。焙煎はいつでもできるから。
一煎め・二煎めの湿気た味は、西双版納で保存した3年か4年の間に受けたダメージだと思う。
これには賛否両論ある。
西双版納の人はこの風味にマイナスイメージがなくて、むしろ熟成味とはこのようなものだと思っている。
昔の生茶のような微生物発酵はしていない。
黒麹菌由来の甘い風味はない。
しかし、まったく菌類が関わっていないとは言えない。
例えば、住宅の木材を腐食させる”腐朽菌”。
食用では椎茸もこの分類らしい。
この種の菌類が茶葉の湿気た一時期に少しだけ繁殖する可能性は十分にある。
その後に乾燥状態を保って菌類が死滅しても、菌類の残した酵素などの物質がお茶の風味を変える。
”腐朽菌”が”春風”の茶葉に一時的にでも居たかどうかはわからない。湿気た味が腐朽菌のものかどうかもわからない。
ただ、西双版納に保存した期間が長い茶葉と短い茶葉と、この2つの差はあきらか。
他に理由が見つからないので腐朽菌を疑ってみた。
四煎めから大きめの茶壺に交換した。
湯量=熱量。
茶葉にしっかり熱を入れたら、もっと甘くなった。
この煎からは新鮮味が戻って活き活きする。
高温の湯で煮えても濁らない。甘味が強くて、ベルギービールの甘濃いのに似ている。
ん?、お茶なのにビールの味?
腐朽菌の仕業なのだろうか?
熟成の味はほんとうに複雑で、謎が尽きない。
腐朽菌は茶葉の繊維を劣化させるはずだが、葉底はピンピンしていて、その影響はなさそう。
丸くてぽってりした形。茎の部分が短い。頭春の茶葉の証。
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プーアール茶2011年
2023-05-10T17:36:00+09:00
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刮風生態紅餅2018年 その4.
製造 : 2018年4月7日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
ひさしぶりにこの紅茶を飲んだ。
熟成5年目になる。
+【刮風生態紅餅2018年】
繊維の中の水を抜くために茶葉を温めると、白茶の寿眉のようなふんわり甘い香り。
このひと月ほど熟成の茶葉の状態が良い。
繊維の中の水が新しく入れ替わって、古い水が嫌なニオイを持ち去ってくれたのかもしれない。春の気温や気圧の変化が繊維の中の水を動かす。
一煎めからバランスの良い味。
ぼんやりした、いかにも漫撒山の大葉種の中の大葉種的な性質が出ている。
生態茶は樹齢30年から70年のもので、”古樹”とは呼ばないが、刮風寨の古樹の”茶王樹”や”茶坪”から取ってきた種が植えられて育っている。
この地の原生種の血が流れている。
一煎めによくある、熟成で湿気たときに出やすい酸味がほとんどなかった。
紅茶はとくに湿気やすくて、茶箱の乾燥に気をつけていても5年も寝かせていたら多少は酸っぱくなる。
同じ茶箱にある巴達山の紅茶はそうなっているが、このお茶はなっていない。
やはり、茶葉の繊維構造が水捌けの良いカタチになっているのではないだろうか。そのため長期保存した時に湿気ることのダメージを受けにくい。
熱帯雨林の森の多い漫撒山の国有林地帯は他の山に比べて水気が多い。乾季の雨の降らない冬でも夜露が雨のように降る。
茶葉は水に強い繊維構造をしていなければ、菌類に侵食されやすくなる。
この土地で千年も二千年も、あるいはそれ以上かけて育まれた品種特性。その繊維構造の水を溜め込まない性質が、保存熟成のときにも効果を発揮する。(あくまで推測)
体感はやさしい。
春のお茶なのに秋のお茶のように落ち着く。
繊維だけでなく、成分の構成にもなにか違いがありそう。
長期の保存熟成をするなら、今後は漫撒山の原生種だけコレクションしたい。
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雲南紅茶2018年
2023-05-04T10:00:00+09:00
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易武古樹青餅2010年 その47.
製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
熟成13年目の春。
熟成を追いかけるのがいちばん面白いお茶。
どこか魅力がある。
この山のお茶の個性だと思う。
同じ西双版納でも孟海県の山のお茶はそうでもない。孟臘県の旧六大茶山のほうが熟成の魅力がある。
これは個人的な見解ではなくて、現地のお茶マニアたちも同じ見方をしている。
現代製法の生茶なので、微生物発酵はしていない。
(このお茶に関しては、圧餅工程で微生物発酵があった?と疑わしいところがあるが、ごくわずかで、その特徴をお茶の味に見つけられるほどではない。)
なので熟成はゆっくり。
茶葉の陳化よりも人間の老化のほうが早い。
それでも、1ヶ月もしたら熟成の変化を見つけられる。
茶葉の繊維構造であったり、成分構成であったり、なにかが違う。
餅茶一枚370gほど。
1ヶ月に一度のペースで飲むなら、一回3g(2人か3人で飲むのに良い量)としても123回分。10年は楽しめる。
”七子餅茶”と呼ぶように、昔は竹皮包みの一筒7枚が最低単位。
もっと昔は一筒×6筒で一件の42枚が最低単位。
孫の代まで残せるお茶。
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プーアール茶2010年
2023-05-03T09:24:00+09:00
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南糯蜜蘭青餅2013年 その10.
製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
+【南糯蜜蘭青餅2013年】
昨年秋に湿気させた茶箱の中の一枚。
一煎めは流した。
湿気たところを洗い流した。
二煎めから。
美味しい。
まったく問題なく甘いお茶になった。
三煎めはじっくり待って苦さを強調してみた。
それでも苦くならない。
南糯山のお茶は一般的には苦いが、この”蜜蘭”は苦くない。
”苦茶”と呼ぶ苦いだけの品種特性の茶樹を避けたこと。
軽発酵をすすめたこと。
お茶づくりの2つの効果。
易武山の甘いお茶と間違ってもおかしくない。
と思ったが、ちょっと時間が経ってからの後味に苦味が残る。そこが南糯山らしさ。
ガツンとくる体感。
血行が良くなってじわじわと頭や手足の先が痺れてくる。
身体の芯を感じさせる。
お腹が減って美味しいものを食べたくなる。
元気になる陽のお茶。南糯山そのもの。
山の個性がお茶の個性。
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プーアール茶2013年
2023-05-01T17:51:00+09:00
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章朗古樹春餅2016年・黄印 その4.
製造 : 2016年4月7日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興の茶壺・景徳鎮白磁の杯+保温ボトル
お茶の感想...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興の茶壺・景徳鎮白磁の杯+保温ボトル
お茶の感想:
タケちゃんの絵の展覧会。
新緑の栖賢寺・鳳凰閣にて。
+【章朗古樹春餅2016年・黄印】
爽やかな日。爽やかなお茶。
保温ボトルにお茶をつくって持って行って、茶壺と茶杯で飲んだ。
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プーアール茶2016年
2023-04-29T19:48:00+09:00
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宮廷プーアル熟散茶03年 その8.
製造 : 2003年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド特級
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : なまこ火鉢
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
同じメー...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド特級
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : なまこ火鉢
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
同じメーカーがつくった”宮廷プーアル熟散茶”の2003年と2005年。
久しぶりに飲み比べてみたら、渥堆発酵の技術に違いがあることに気が付いた。
2004年に孟海茶廠は完全民営化している。
このとき技術の変化があったのだろう。
左: 2005年
右: 2003年
2005年のは現代の熟茶そのもの。強い甘味・水のとろみ。
2003年のは昔の熟茶の面影が残る。熟茶は熟茶でも生茶のような爽やかな酸味があり水はサラッとしている。
カンタンに言うと渥堆発酵のときの散水の量が2005年のほうが多い。
渥堆発酵にはいろんな菌類が活躍する。
黒麹菌がスターターになってベースの環境をつくってからは、その他の菌類とのチカラのバランスがお茶の味を左右する。
散水する水の量によって優位となる菌類の空間領域と時間帯が変わる。
いろんな菌類が同時に活動しているのではなくて、それぞれに都合の良い場所と時間だけ活動する。
水が多いと、嫌気発酵気味になる部分が多くなり、発酵熱で高温になる時間帯が長くなる。
水が少ないと、好気発酵気味になる部分が多くなり、発酵熱の低めの時間帯が長くなる。
黒麹菌は25度から30度くらいを好む。
そして通気の良い環境を好む。
まず、繁殖する領域の問題。
渥堆の茶葉の山となっている表面部・中心部・底面部のうち、黒麹菌は通気の良い表面部の環境を好む。
発酵熱が高温になる中心部や、水気の多い底面部は、別の微生物が優勢となる。
散水の水の加減によって、黒麹菌の繁殖領域が大きくなったり小さくなったりする。
つぎに、繁殖する時間帯の問題。
渥堆発酵はおよそ40日間に5回ほど散水と撹拌を繰り返す。
例えば、7日間に散水が1回としたら、散水してから発酵の熱が徐々に高くなって3日目あたりにピークを迎える。もっとも高温になる中心部は60度に達する。その後、茶葉が乾きながら徐々に温度が下がってゆく。この上昇と下降の波の中で、優勢となる微生物が変わってゆく。
散水する水の加減によって、黒麹菌の優勢となる時間帯が長くなったり短くなったりする。
渥堆発酵はいろんな菌類が活動するが、どの菌類にどれだけ優勢となる場所と時間を与えるかを、人の作業である散水と撹拌で調整できる。これが技術。
黒麹菌のつくるクエン酸(檸檬酸)の酸っぱい味は、水をたくさん与えるほど消えるのが早い。現代の渥堆発酵では散水開始から15日間ほどでほぼ消える。2003年のお茶の味には生茶のような酸味が少しある。もしかしたらこれはクエン酸由来かもしれない。2003年のは散水の量が少なかったと推測する。
現在、孟海県にあるメーカー(おそらく100社以上)は、どこも2005年のと似た味の熟茶をつくっている。共通して強い甘味と水のとろみがある。
過去(ブログの記事は2019年の春頃)の熟茶づくりの実験でも指摘していたが、近年の熟茶は水が多い。そのほうが安全かつ短時間でつくれるから生産効率が良い。
2003年の爽やかな風味は今となっては貴重。
渥堆発酵の話をする題材として良いので、茶教室のメニューにした。
+【飲み比べ宮廷プーアル熟茶(リクエスト)京都】
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プーアール茶2003年
2023-04-26T07:57:00+09:00
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漫撒春眠紅餅2016年 その3.
製造 : 2016年03月21日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : お菓子の缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
『漫撒...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : お菓子の缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
『漫撒春眠紅餅2016年』。
ひさしぶりにこのお茶を飲んでみた。
わずかしか残っていない。
実験的につくって失敗しているが、学ぶこともある。
この当時はまだ采茶のタイミングがわかっていなかった。
オリジナル製法の紅茶においては、若葉がそこそこ成長して葉の成分構成が変わるのを待ったほうがよい。
ほんの3日か4日の差であるが、これが大きい。
おそらく雲南紅茶全般にも共通する。
後に、春より秋のほうが紅茶に向いているという結論に至る。
+【通信講座#005 茶葉との対話】
泡茶は慎重に、茶葉を煮やさないように。
茶葉が湿気たときの酸味が出ている。
他のオリジナルの紅茶に比べて酸味が強い。
これも頭春の早すぎる采茶のせいで、茶葉の繊維の水捌けが悪いのが原因と思う。熟成中に湿気やすい。
1980年代の老茶の高級茶で、特に細かな新芽・若葉で構成された小葉青餅と呼ばれる”7532七子餅茶”は、香港など高温多湿の倉庫での歩留まりが悪かった。マイナスな印象の味になりやすい。
同じ倉庫で熟成された大葉青餅は問題なかった。この違いも茶葉の繊維構造の違いだと思う。
酸味の原因は、圧餅の蒸しによる熱が足りないせいもある。
しっかり熱(火)を入れて、ある種の成分変化を止める必要がある。
薬草のアロマオイルのような神秘的な香りが混ざる。
以前の記事で「白茶に似ている」と書いていたが、白茶の老茶にも共通する香り。
紅茶の軽発酵(茶葉の成分変化のみの発酵)は”完全発酵”と言えるくらいにするのが理想だが、早すぎる春の新芽・若葉は発酵するのに十分な成分構成ではない。微発酵くらいの白茶に似たところが出てくる。
陰の味わいの熱帯雨林の森。
茶酔い感は陰のお茶ならではで、深い底に沈んでゆける。
3煎めからは酸味が消えて甘いお茶になる。
6煎めになると紅茶の味さえ薄れて、純粋な甘い水になって、それでももう一杯飲みたくて終わりがなくなる。頭春の茶葉は水質のキメ細かくて、味はなくても舌触りや喉越しに甘い。
他人に飲ませるなら説明なしにシレッと淹れたほうが面白いかもしれない。
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雲南紅茶2016年
2023-04-25T11:03:00+09:00
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倚邦古樹青餅2014年 その6.
采茶 : 2014年3月17日
圧餅 : 2014年4月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・茶杯・鉄瓶+炭火
...
圧餅 : 2014年4月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・茶杯・鉄瓶+炭火
お茶の感想:
茶教室のメニュー『飲み比べ象明と易武』で選んだお茶。
象明のお茶『倚邦古樹青餅2014年』。
+【飲み比べ象明と易武(リクエスト)京都】
残り少なくて、めったに飲まないから熟成具合が心配になった。
茶教室メニューにする前に一度試飲しておいた。
小葉種の小柄な葉なので、熱湯で火傷しやすい。
数滴の湯を垂らして蒸らして、茶葉を熱に慣らしておいて、一煎めから熱々の湯で淹れる。
びっくりするほど美味しい。
予感があった。
毎日いろんなお茶を淹れていると飲む前からわかるときがある。
例えば、茶葉を温めているとき、茶壺に湯を注ぐとき、茶壺から杯に注ぐとき、杯を手に取るとき。
香りとか色とか、そんなわかりやすいサインではなくて、指先がなんとなくオーラを感じている。
頭でわからなくても、指がわかっている。
美味しいのはよいけれど、ひとつ予想外の問題が出てきた。
熟成によって変化したのか”無い味”感が出ている。本来は初心者ウケするはっきりした味。特に香りは高級感漂う。
わかりにくいのは自分好みだけれど、倚邦山よりも漫撒山の特徴である。
象明(倚邦山)と易武(漫撒山)の対象的な飲み比べがコンセプトだったので、ちょっと趣旨がズレてきた。
それでも無い味同士で、倚邦山のは姿の見えないキリッと感があって、漫撒山のは姿の見えないボンヤリ感がある。
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プーアール茶2014年
2023-04-23T11:54:00+09:00
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香椿林青餅2016年 その5.
製造 : 2016年4月1日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 農家
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 農家
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
茶教室のメニュー『飲み比べ象明と易武』で選んだお茶。
+【飲み比べ象明と易武(リクエスト)京都】
実は直前に茶葉を変更した。
易武茶区のお茶を『弯弓古樹青餅2014年』のから『香椿林青餅2016年』に替えた。
香椿林は弯弓区にあり、同類である。
変更の理由は、香椿林のほうがより熱帯雨林の風味が現れているから。
孟臘県漫撒山(旧易武山)には国有林に指定されている広域な森があり、その一部はいかにもな熱帯雨林。映画なら恐竜が出てくるジャングル。
この熱帯雨林が地域一帯に湿った柔らかな空気を提供して独特の気候になる。熱帯雨林は年々減少して乾燥した空気が一帯を支配しつつあるから、このタイプのお茶の味はいずれなくなる。
餅面に現れる熱帯雨林の感じ。2017年に撮影した写真を再度掲載。
山を歩くといろいろな場所があることに気づく。
高低差や複雑な地形で環境が異なり、そこに生息する植物たちにも違いがある。その場の雰囲気が違う空気も違う。
そこの空気を吸っていた茶葉は、そこの雰囲気そのものを味に宿している。
いろいろな茶山を歩いてきたが、お茶の味はその場所の空気そのもの。
茶樹は山のやや高いところに生息するから熱帯雨林の植物たちに紛れてはいないが、香椿林の茶樹はやや低いところに生息帯があって、すぐ下に迫る緑の悪魔的なモワンと湿った空気を思い出す。
このタイプのお茶は香りが弱い。味には輪郭がない。苦味はあるが甘味のほうが強い。ひとことで言うとぼんやりしている。
初心者の頃は、他人の欲しがりそうな味のお茶を求めていた。
その場の個性を客観視できなかったので、このタイプのお茶の魅力に気付いていなかった。
もしも気付いていたら、他のお茶は要らない。このタイプだけ集めている。
辛味・渋味の刺激が少なくて静かな味わい。
一煎めだけ煮やさないように気をつけて、二煎・三煎としっかり熱を入れてゆく。だんだん苦味と甘味が交代してゆく。十煎になると甘いだけの水になるが、なぜか飽きずに飲み続ける。
飲み比べに選んだもうひとつの『倚邦古樹青餅2014年』は対象的。
倚邦は清代の貢茶ブランドをアピールする産地で”王子山”と名付けられたりして、コマーシャル的な役割があった。お茶の味はいかにもウケの良い味。
面白い飲み比べになると思う。
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プーアール茶2016年
2023-04-22T11:51:00+09:00
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沈香黄片老茶磚80年代 その6.
製造 : 1980年代
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納易武山)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 竹皮4枚一組
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壷・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納易武山)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 竹皮4枚一組
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壷・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
ひとつの製品なのに一枚一枚の色が違う。
大きく育った老葉のお茶はだいたいこうなる。微生物発酵していた時代の生茶なので、とくに色の差が大きい。もちろん味も異なる。
このタイプの磚茶型の老葉の生茶は、製法がはっきり知られていない。
これまでの経験から推測してみる。
まずは殺青が必要。
鮮葉を炒るなり蒸すなりして殺青して乾燥させる。
その後、圧延加工を待つ間、茶葉を山積みにして集積しておく中央あたりから微生物発酵がはじまる。ムラにならないよう定期的に撹拌される。
ここまでは昔(1990年代初期より昔)の微生物発酵していた新芽・若葉の生茶と同じ。
参照
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
この後にもう一度微生物発酵の機会がある。
蒸してレンガ型に固めて4枚一組竹皮包みになったのを倉庫に山積みにする。
ここが円盤型の餅茶になる生茶との違い。圧延加工後にすぐに乾燥させないで、しばらく倉庫で醸す工程がある。(昔の六堡茶に似ている。)
蒸したことによる水分で湿っているうちに再び微生物発酵がはじまる。
山積みになった位置によって温度や湿度の環境が異なるため、一枚一枚の発酵ムラができる。
このように考えていたが、もうひとつ発酵ムラのできる別の原因があることに気がついた。
それは、茶葉の成長度の違い。
大きく育った老葉といえど、例えば一芽・五葉くらいで採取すれば新芽も柔らかい若葉も少しは混ざる。
とくに柔らかい若葉は水分を含む能力が高い。そのような繊維構造になっている。
磚茶一枚の茶葉の構成に若葉が多いものは水分をより多く含んで、微生物が増殖して発酵が盛んになる。
赤黒くなっているのが若葉の配合が多い一枚。
赤黒いほど甘い。生茶なのに熟茶っぽい甘さ。
中国茶は飲んだ後の葉底を観察する。
新芽・若葉は水を含んで大きく膨れて元の姿に近づこうとするが、老葉はそれほど膨れない。
もともと水を吸って保持する能力が低い繊維構造になっている。
生茶がそうなら熟茶はもっと。
大きく育った老葉の熟茶づくりが1990年代後半から消えていったのは、これもひとつの原因だったと考えられる。
水を撒いて積極的に微生物発酵を促す製法において、老葉は水を少ししか含まないのですぐに乾いて発酵が止まる。作業効率が悪い。
甘い熟茶をつくりたいのに老葉が多いと甘くならない。
国営時代のメーカーにとって、お茶が売れる売れないの問題は職員の知ったことではない。作業効率が良いか悪いかが問題。「老葉は面倒だからやめとこ!」となるのは自然のなりゆき。
農家の都合だけではなく、メーカーの職員の都合もあった。
あくまで個人的な推測だけれど、ひとつひとつの疑問を潰してきて、けっこう核心に迫ってきた気がする。
詳しくは通信講座を参照。
+【通信講座#004 熟茶の時代】
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プーアール茶1980年代
2023-04-21T08:28:00+09:00
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http://x.puer-cha.com/?eid=1431
沈香黄片老茶磚80年代 その5.
製造 : 1980年代
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納易武山)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 竹皮4枚一組
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納易武山)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 竹皮4枚一組
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
大きく育った老葉の生茶は、かつて生活のお茶として山岳地帯の遊牧民たちが利用していた。
遊牧民は老葉のお茶を大きなヤカンで”煮茶”して飲む。バターや塩などを混ぜてスープのようにする。
これを都市生活者が飲むのは、利用目的が異なるから、淹れ方も工夫したい。
われわれの飲み方、小さな茶壷に茶葉を入れて湯を注ぐ”泡茶”は、葉の姿のある若葉のお茶が基本設定になっている。
これで老葉を淹れるのはちょっと無理がある。熱量も湯量も足りない。
それでも美味しく飲めるから間違いではないけれど、もうちょっと別の方法もあるだろう。
そこで今回は茶葉を細かく砕いて淹れてみる。
粉々になった茶葉に熱々の湯を注いで”泡茶”すると濃くなりすぎる。それが狙い。
クスリを味わう”煎茶”に近い泡茶である。
濃くても、老葉のお茶には辛味・渋味の刺激が少ないから嫌な感じはしない。かといって美味しいという感じもしない。ちょうどよい侘び寂びな味わい。
味はお茶の渋味がある甘くないココアに近い。
重低音に響く苦味。奥のほうに緑の森の香り。
一瞬で時空を超えて中国の古い街に連れてゆかれる。
清代に交易で栄えた港町の空気を呼吸している。そんな感じ。
ここまで濃いと胃への刺激が強いので一杯か二杯で終わるのがよい。
余韻がずっとつづくから十分満足できる。
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プーアール茶1980年代
2023-04-20T11:02:00+09:00
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宮廷プーアル熟散茶05年 その4.
製造 : 2005年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド特級
茶廠 : 孟海茶廠(民営化後)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 梅干し壷
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
梅...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド特級
茶廠 : 孟海茶廠(民営化後)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 梅干し壷
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
梅干し壷にて熟成中の2005年の宮廷プーアル熟散茶。
自分の手元での熟成は10年になる。
梅干し壷は蓋がゆるくて通気があるので、空気中の水の入れ替わりが早い。
熟成の変化も順調。
宮廷プーアル熟散茶は、2003年とこの2005年のを所有している。
同じメーカーの製品。当初は互角と思っていたが、現在は2003年のほうを高く評価している。
2005年のは市場に流通している平均レベルよりはずっと良いはずだが、どうしても2003年のと比べてしまって、見劣りというか味劣りする。
美味しさ=食欲をそそるとか、身体に健康的な刺激が感じられるとか。一般的な食べものや飲みものの美味しさの観点は、身体に対してどうなのかを生理的に判断していると思うが、お茶の場合は身体だけではない。心への作用を重視する。
実際に食欲をそそる美味しさのアピールは2005年のほうが強い。茶葉の栄養の充実が味のボリュームに現れている。
このために自分も当初の評価を誤っていた。
濃く淹れても味は濃すぎずまろやか。水質はなめらか。バニラのような甘い熟成香もあって、発酵の良さが現れている。
2005年のは健康的で嬉しくなる味。果物のジュースに求めるのに似た価値観で評価できる。
それに対して、2003年のは得体のしれないものがある。感情に現すことのできない大きなチカラを感じる。心が揺さぶられる。飲む人を黙らせる。雰囲気というか印象というか景色というか、ある種の味わいがある。陰の味わい。
この味わいは難しくない。
飲み比べたらわかる。一瞬でわかる。これぞお茶に求めていたものだ!と誰もが思うだろう。
懐かしい風景みたいな感じ。
茶葉の良し悪しを評価する”品茶”はこの観点が大事。
2005年のは素質が良いのだから、もっと熟成がすすんで心を揺さぶる味わいになることを期待している。
10年では現れなかったけれど、20年めには現れるかもしれない。
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プーアール茶2005年
2023-04-19T14:20:00+09:00
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大益貢餅熟茶98年 その2.
製造 : 1998年
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山
茶廠 : 孟海茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶崩し
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
曇りのち雨。
バニラの甘...
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山
茶廠 : 孟海茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶崩し
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
曇りのち雨。
バニラの甘い香りしかしない熟茶。
茶麹の熟成された香り。
新芽・若葉のとろりとした水質。
思い出すだけで涎が出る。
三煎めから山に霧がかかるような味。味の景色。
ほんの2gで別世界に行ける。
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プーアール茶1998年
2023-04-17T04:45:00+09:00
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易武春風青餅2011年 その13.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶+炭...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
雨のち晴れ。
春風。
サンプル用に1枚崩していたのを湿気させてしまった。
前回の記事参照。
+【易武春風青餅2011年 その12.】
回復させるために餅茶ごと天日干しした。
その後の経過を見る。
焦がさないよう低温で20分かけて温めて水を抜く。
茶壷の蓋裏に結露する水を4回も拭きっとった。茶葉に入っている水は多い。
急がないでこのまま茶箱の中で自然に水が抜けるのを待つ。そう言っている間に梅雨の季節が来る。また新しい水が茶葉に入ってくる。これでよい。
湿気た茶葉は一煎めが酸っぱくなりやすいが、どうだろ。
今回の一煎めは大丈夫だった。ギリギリな感じ。
これなら大丈夫ということで、三煎めはぐっと濃くして輪郭を立てた。
濃い・苦い・ほんのり甘い。はじめは重たい味に感じるが、エッジの効いたピリピリする辛味の後味が軽くて爽やか。
熟成で枯れた香りの中に、ほんのり新緑の香りが混ざるのもよい。
春の風を表現できたと思う。
お茶淹れの技術が問われる。
微生物発酵していない近年の生茶は、熟成したから必ず美味しくなるということはない。
昔の微生物発酵していた生茶は、熟成すると誰が飲んでも文句なしの美味しさになったし、お茶の淹れ方はだいたいひとつでよかった。
近年の生茶は難しい。
熟成の魅力を表現するには、もっとお茶淹れの技術を高める必要がある。
旬の濃い新芽・若葉の茶酔いは夏。
青空に高く昇る積乱雲のような上昇気流。
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プーアール茶2011年
2023-04-16T09:08:00+09:00
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版納古樹熟餅2010年 その50.
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
...
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
雨の日の朝。
雨の匂いと熟茶。
堆肥発酵に似た渥堆発酵で、土に近づいた茶葉。
+【版納古樹熟餅2010年】
微生物の残した酵素が13年経った今も茶葉を変化させつづける。
週に3度は飲んでいるのに、その変化がわかる気がする。
渥堆発酵に時間をかけた熟茶は濃く淹れるほど味が丸い。輪郭が隠れる。
隠れていても、水質に密度の濃いものを舌が見つけて充実感がある。甘い錯覚。
背丈のある信楽土の茶壷から半分だけ杯に注いで、半分残して、その上から湯を足す。二煎・三煎・四煎・・・と繰り返し。
茶葉を煮やさないで煎を重ねる工夫。
茶杯に注いだ湯はぬるくなっているが、熟茶はこのくらいが美味しい。
熱々のはさっぱり。ぬるくなるとボリュームが出てしっとり。
酵素のチカラで後味はサラサラ。
雨の日は布もしっとり。
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プーアール茶2010年
2023-04-15T09:51:00+09:00
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刮風生態紅餅2018年 その3.
製造 : 2018年4月7日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 信楽土の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
ちょっと大きめの茶壺で、いつもとは異なる淹れ方を紹介する。
茶壺に湯を垂らして茶葉を蒸らしておく。
一煎めはお湯を満タンに注ぐ。
杯に注ぐのは半分。
茶壺に半分残しておいて、二煎めの湯を上から足して満タンにする。
また半分注いで半分残す。
三煎めからも同じ。
湯の温度が高くなりすぎないので茶葉を煮やさない。
辛味の落ち着いた穏やかな味になる。
ちょーどよい味加減が何煎もつづく。そのかわり一煎一煎のメリハリはつくれない。
友人や家族とおしゃべりを楽しみたいときや、ひとりなにか作業しながら飲むときに。
終わりがないからお腹タプタプになるまで飲んでしまう。
一天一采のお茶。
一日の采茶分でひとつのお茶をつくる。365日分の最高の1日。
新芽・若葉の様子を毎日見に行って、明日がチャンスというときに采茶のアルバイトを数人手配するのは、有名茶山では難しいこと。この日は運が良かった。
タイミングの良さは水質に現れるから分かりやすい。
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雲南紅茶2018年
2023-04-14T10:49:00+09:00
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巴達古樹紅餅2010年 その28.
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶380gサイズ
保存 : お菓子の缶 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶380gサイズ
保存 : お菓子の缶 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壷・茶杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
晴れた日の朝に飲むのが美味しい。
『巴達古樹紅餅2010年』。
茶葉やや多め。
三煎までいつものとおり。
濃くもなく薄くもなく。閉じた風味を味わう。
熱が入って味のバランスが良くなった四煎めからは鉄瓶の上でじっくり蒸らして抽出。
春茶の舌にピリピリする刺激がゆっくり消えてゆく感じがよい。後味にメントールの涼しさ。
体感は上昇気流でいっきに昇りつめる。
熟成は、すすんではいるが大きな変化はなし。
(もちろん微生物発酵はしていない)
香りにお香っぽさが微かに出ている。
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雲南紅茶2010年
2023-04-07T17:20:00+09:00
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http://x.puer-cha.com/?eid=1424
中茶牌65周年青磚03年 その10.
製造 : 2003年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
2003年の生茶。2...
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
2003年の生茶。20年モノ。
微生物発酵していたかどうかの白黒がはっきりしない。
もしも微生物発酵していても、もっと昔の1980年代のものほどしっかり発酵しているわけではない。
微生物が残した酵素は少なめだろうから、熟成に及ぼす変化も少なめだろう。
このまま何年か追いかけて、バニラの甘い香りが出てきたら微生物発酵していた茶葉と見てよいだろう。
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プーアール茶2003年
2023-04-07T12:59:00+09:00
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紫大益7542青餅00年 その2.
茶葉 : 雲南省西双版納州大葉種晒青茶
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
2000年の生茶。微生物...
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯+鉄瓶・炭火
お茶の感想:
2000年の生茶。微生物発酵していないもの。
1990年代から微生物発酵していた生茶は少なくなる。
2000年のはほとんどない。
内票には”作原料、適度発酵、経高温蒸圧・・・”と、ちゃんと順番どおりに書いてあるけれど、メーカーはこのときすでに言葉の意味(適度発酵は微生物発酵だったこと)を知らないらしい。
熟成の変化に注目すると魅力に乏しい。
変化が少ない。
甘くなっていない。
三煎めくらいから甘くなるが、それは茶葉の中心あたりから抽出される甘味。
微生物発酵の生茶は一煎めから甘い。
微生物が茶葉に残した酵素の効力は10年でも20年でも続く。
保存熟成期間が長くなるほど、その差が開いてきてわかりやすくなる。
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プーアール茶2000年
2023-04-06T10:35:00+09:00
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http://x.puer-cha.com/?eid=1422
92紅帯青餅プーアル茶 その8.
製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海ー日本茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の...
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海ー日本茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯・鉄瓶・炭火
お茶の感想:
1992年の生茶『92紅帯青餅』。
微生物発酵していた生茶。
ひとくちめから甘い。バニラの甘い香り。茶麹の香り。
昔ながらの黒茶の生茶。微生物発酵の跡形がある。熟成もまっすぐの道の上にいる感じ。
1980年代の配方7532をモデルにした茶葉の構成。旬の新芽・若葉が多いとバニラ香がより鮮明になる。
葉底は、粉砕されて崩れた茶葉が多い。
晒青毛茶を微生物発酵させるには技術的にこうなる。
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プーアール茶1992年
2023-04-05T10:38:00+09:00
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