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茶教室・京都

南糯蜜蘭青餅2013年 その1.

南糯蜜蘭青餅2013年
製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり。

お茶の感想:
当店オリジナルの2013年の生茶プーアル茶。
試飲のために1枚おろした。
【南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶】
包みを空けると微かにすももっぽい香り。飲むとライムのような柑橘系の香りと、その皮の苦味。後味に穀物系の米っぽさもある。吐く息にちょっとだけすももっぽさが漂う。そこに漢方系のスパイスがちょっと混じる。
1か月前の出来たてのときよりは少しは熟しただろうか。かえってお茶っぽくなったと思う。
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
これまでの南糯山のお茶とはまったく異なる印象。軽発酵を強くした仕上がりで、青茶(烏龍茶)の性質がある。湯を注いでから色の出る時間がやや長くかかる。茶湯の色は薄くても十分存在感があるので、他の生茶のプーアール茶よりも意識して透明に近い色であっさりめに淹れるとよいだろう。淡いというのと薄いというのは違う。
圧延は易武山の工房で行い、石型で圧して、涼干・晒干(陰干し・天日干し)で仕上げた。乾燥しきるまでつきっきりでデリケートに扱ったので、圧延前の晒青毛茶と圧延後の餅茶の風味に大差はないだろう。ピタッと決まった。
このお茶、つくり手としての満足度はこれ以上にないほど高い。完成してしまった。もうやることはなくなった。なので需要がなければ来年はつくらないだろう。
あとは長期熟成の変化に期待か。
青茶らしい華やかさをキープしたまま、とろんとした舌触りの甘いお茶になってくれたらよいと思う。

ひとりごと:
南禅寺
もみじの緑。

忙肺大樹青餅13年 その1.

忙肺大樹青餅13年
製造 : 2013年 4月
茶葉 : 雲南省臨滄市忙肺茶区喬木茶
茶廠 : 弘徳茶業收茶 金宇茶葉有限公司加工
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明ー上海 竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
蓋碗できっちり。

お茶の感想。
ひきつづき2013年の新しいお茶。
このお茶も美味しい。そして安い。
さすがに安すぎると思ったので、『帕沙大樹青餅13年』『孟庫大樹青餅13年』とともに値上げした。ときに価格は内容を語ることもあるから。
忙肺大樹青餅13年プーアル茶
忙肺大樹青餅13年プーアル茶
緑茶タイプの生茶ではなく、これはもう緑茶。
日本の煎茶をおもわせる芳ばしい緑の薫り。
くち全体と喉をとおるところまでしっかり何らかの味を感じさせるボリュームがあるのに、雲南のお茶はキレがよくて爽やか。
このお茶はすこし濃く淹れると舌に「粉っ」とくるほどのミネラル感があって、飲み終わってもしばらくは余韻がつづく。
製茶はキレイに仕上がっていて、焦げ味や煙味がほとんどない。
現在はプーアール茶の生茶がよく売れているから、圧延して生茶の形になっているけれど、このお茶は緑茶のオリジナル銘柄としても全国区で名が知れる実力があると思う。圧延するとどうしても長期保存のイメージがあるから、そこに誤解が生じそうな気がする。

ひとりごと:
南禅寺
苔と松。

孟庫大樹青餅13年 その1.

孟庫大樹青餅13年プーアル茶
孟庫大樹青餅13年プーアル茶
製造 : 2013年 4月
茶葉 : 雲南省臨滄市孟庫茶区古茶樹
茶廠 : 弘徳茶業收茶 金宇茶葉有限公司加工
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明ー上海 竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
蓋碗できっちり。

お茶の感想。
ひきつづき2013年の新しいお茶。
緑茶としてこのお茶すばらしい。
生茶としては別の評価があるが、5年ほどかけないとそれについてはわからない。
しかも安い。価格設定が間違っている?と疑った。
さきほどの帕沙山のに比べたら若干軽発酵をすすめた仕上がりになっている。どちらかというと昔ながらの風味。
くちにした瞬間の立ち上がりは遅いが、じわじわじわじわあとからあとから波のように押しよせる。
孟庫大樹青餅13年プーアル茶
ストレートで変化もなく複雑味もない。マスカット+山椒の香りが後味にあるが、あくまでもひかえめで特別な印象いを与えない。
葉底(煎じた後の茶葉)がとてもキレイ。機械炒りだろうか。こんなに美味しくて安いのだからとくに意見はない。

ひとりごと:
水路閣水路閣
水が頭の上を通るというのがたまらない。

帕沙大樹青餅13年 その1.

帕沙大樹青餅13年プーアル茶
帕沙大樹青餅13年プーアル茶
製造 : 2013年 4月
茶葉 : 雲南省西双版納各朗和帕沙山古茶樹
茶廠 : 弘徳茶業收茶 金宇茶葉有限公司加工
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明ー上海 竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
蓋碗できっちり。

お茶の感想。
2013年の新しいお茶。
帕沙の古茶樹はこの2年か3年でいっきに高騰して、西双版納孟海県では老班章や老曼娥につづく銘茶となったが、茶山の規模が小さいのでマイナーな位置にある。
【帕沙山古茶樹 写真】
3年ほど前まではひどい煙味のお茶だった。
製茶技術が良くなって、本当の姿が現れたら美人だった。
この素材に気付いた広東の茶商が製茶場をつくらせたり、殺青の技術指導をしたり、ずいぶん手を掛けた跡がある。こんな仕事、2年や3年ですぐになんとかなるものじゃないので、もっと以前から粘り強く取り組んだのだろう。頭が下がる。
帕沙大樹青餅13年プーアル茶
緑茶風味。
かすかにマスカットの香り。
ストレートな速球で変化はない。
同じ緑茶風味で先日良いと評価した『臨滄昔帰黄片青磚13年』にちょっと似ているが、新芽・若葉のふんだんなこのお茶は茶気にあふれる。飲んでしばらくしたら汗がふきでる。はっきりした陰影のない味だが存在は濃い。調子良く飲み過ぎると「うっ」とくるほど茶酔いする。
ただ、近年発掘されたこの手の緑茶風味は、長期熟成で色香が薫るように変身することはないと見ている。

ひとりごと:
南禅寺
絶景かな・・・。

版納古樹熟餅2010年 その3.

版納古樹熟餅2010年プーアル茶
製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県老茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海ー日本 紙包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
蓋碗できっちり。

お茶の感想:
1995年の『厚紙黄印七子餅茶』の後に、
つくりの似ている2010年のこれを飲んだらどうだろう?
【版納古樹熟餅2010年プーアル熟茶】
小学生の甥っ子も飲むと言うので、マグカップに分けた。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
こう比べたらやっぱり辛い。
溌剌としたお茶の気にあふれている。
しっかり発酵していて他と比べたらかなりまろやかなほうだけれど、長期熟成のまろやかさとは明らかに違う。
ちょっと冷めかけた時に薔薇の香りがした。1995年のお茶に比べてずいぶん煙味が少ないから、微妙な香りがわかりやすいのだと思う。
このお茶は鉄鍋の手炒りだが、製茶を専業とする農家に鮮葉をあつめて技術のくるいのないようにキレイにつくった。キレイにつくることは、つくり手として心掛けるべきことだけれど、だから良いとか、魅力があるとか、そういうことではない。1995年の煙味の醸す味わいは独特の魅力があった。キレイなつくり方でそれをどう再現するのか?このあたりに現代の熟茶づくりの課題がある。

ひとこと:
水路閣
水路閣

厚紙黄印七子餅茶 その1.

厚紙黄印七子餅茶95年プーアル茶
厚紙黄印七子餅茶
製造 : 1995年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本 紙包
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
蓋碗できっちり。

お茶の感想:
1995年の熟茶。
これぞ孟海の熟茶という穀物風味。どことなく粉っぽくてとろんとした舌ざわり。のどごしは艶やかながらサラッと消える。
2004年にはじめて仕入れた時は「米」のようだと思ったが、その後もずっと広州倉に入っていたので、仕入れるたびに熟成がすすんでいた。2010年に完売したが、上海に何枚か残っていたのがさらに熟成して、現在は「米」というよりは「あずき」だろうか。ぜんざいの汁みたいになっている。
ぜんざいっぽさの中にも「煙味」の存在を嗅ぎとれるので、やはり原料の晒青毛茶は昔ながらの鉄鍋炒りだったのだろう。はじめは焦げ味の刺激があったのかもしれないが、20年ほど経つ今は落ち着いた漢方薬の芳香が漂う。
厚紙黄印七子餅茶プーアル茶
熟茶の熟成は風味が浄化されてゆく。
このお茶もいつか炭みたいになるのを静かに待っている。
【厚紙黄印七子餅茶プーアル茶】

ひとりごと:
鯖ずし鯖ずし
鯖寿司はここ。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その5.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
ボダムのグラスポット1000ml

お茶の感想:
それならば、
もっと大きなグラスポットならどうか?
耐泡(煎がつづく)なんて考えないで、一発で煮出すよう茶葉を少なめにする。
ポットをしっかり温めておいてたっぷりの湯を注ぐ。
蒸らし時間に5分ほどかかっただろうか。それでも湯は冷めない。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
こうなると精彩に欠く。
味はぜんぶある。香りもある。
しかし、なぜか風味が弾まない。
おそらく煮出しすぎ。
350〜600mlサイズのグラスポットで3回くらいで抽出する湯の量と茶葉の量、そして蒸らし時間。これがこのお茶にとってのベストバランスということになるだろう。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
このお茶は巴達山曼邁寨の古茶樹。
およそ400年前に布朗族が新しい村「曼邁寨」をつくったときに森に茶果(種)を植えて増やしたと推測している。茶花が咲いて種を宿すたびに曼邁寨の森に適応して進化(変化)を遂げてきた茶樹は、西双版納の布朗族のかかわる他の茶山の中ではやや小さめの新芽・若葉を産む。それでも、例えば雲南紅茶でいちばん有名な「デン紅」の鳳山茶区の茶葉よりも大きいし、太いし、厚い。
単純に形状だけみても、品種の個性が泡茶に調整を求める。
さらに、揉捻、発酵度、圧延具合によっても抽出スピードはちがってくるから、古茶樹でつくられたお茶はひとつひとつに淹れ方がある。
それを不便と思うか、面白いと思うかによって、お茶は異なる姿を現す。

ひとりごと:
割烹と酒
日本酒と割烹
酒も異なる姿を現す。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その4.

巴達古樹紅餅2010年紅茶プーアル茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
ボダムのグラスポット600ml

お茶の感想:
ほんとうに、
グラスポットのほうが美味しいのか?
湯の温度が高温を保つからなのか?
それを確かめたいので、今回はボダムのグラスポット600mlをあらかじめ熱湯で温めて、茶葉を入れて、沸きたてぽんぽんをたっぷり注いだ。
巴達古樹紅餅2010年紅茶プーアル茶
むちゃくちゃ美味しい。
芳ばしい。
バジルの葉みたいな香り。ちょっと冷えてくるとラベンダーのような甘い香りも混じる。
そういえば、このお茶づくりのときの夜にこの香りがしていた。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】

ひとりごと:
先斗町のあかり。
先斗町

巴達古樹青餅2010年 その7.

巴達古樹青餅2010年プーアル茶
製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海 紙包み+竹皮 日本紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり淹れる。

お茶の感想:
定期試飲リポートを書いた。
【巴達古樹青餅2010年プーアル茶・熟成】
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
ひとことで言うと、シャキッとしたお茶。
暑い季節ののどをうるおし、くちをサッパリさせる。
このお茶ができた2010年4月の頃は、僕はまだ一風変わった風味を求めていたところがあったと思うが、今はこういう目立ったところのないお茶にむしろ高い評価をする。
お茶だけが熟成するのではない。

ひとりごと:
ニューサンマ
「ニューサンマ」は内側の白い皮ごと食べる。
香りや甘味に隠れているけれど、柑橘の渋味・苦味・酸味はお茶に負けない。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その3.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶プーアル茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり。

お茶の感想:
明け方ひんやりしていたので紅茶で温まる。
蓋碗でもういちど。
熱湯で茶器を温めて、茶葉を少くなめにして湯の相対的な量を増やした。
これで温度が下がるのが少しはゆっくりになるだろう。
蓋碗の蓋をあけたときにふわっと香りが立って、うまくいったのがわかった。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
ミントを複雑にしたような香りもちょっと出た。
それでも大きめのポットに比べると不利。このお茶はやはりポットがよい。
巴達山の古茶樹は他の茶山よりも渋味・苦味が効いている。
2010年の春はかんばつで雨がなかったのでより強くなった。紅茶は軽発酵の工程で渋味・苦味の成分がコクや旨味に変化しているはずだけれど、それでも他の茶山に比べるとずっと鮮烈。熟成3年目の今になってそれが生きてきた。
ほんの少しチョコレート風味が出て来た。
生茶のプーアール茶にある「常温で焦げる」現象がこの紅茶の熟成にもあるのだろうか。

ひとりごと:
朝一番の美味しいお茶が一日を変える。
メコンの朝
写真はメコンの朝。


茶想

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