プーアール茶.com

茶教室・京都

漫撒古樹青餅2013年・青印 その10.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : タイ・チェンコーンの水道水・浄水器・大甕
茶器 : 小さめの蓋碗
チェンコーン
チェンコーン
チェンコーン
チェンコーン

お茶の感想:
メコン川の周辺は、
なかなかお茶が美味しく淹れられない。
水の相性が悪いのかと思っていたけれど、それだけではないみたいだ。
おそらく川の流れの引力に邪魔される。
雨季のこの時期は、空気を伝ってあらゆるモノの隙間という隙間に水が浸透して、川の流れの引力が支配する。
川を横切る雲は、ちょっと下がるようにたわんで見える。その力が強くなると、どしゃ降りの雨を落して抵抗する。場合によっては雷も落とす。強い風を呼ぶ。
川を見ると釘付けになるのは、体の中の水という水が引っぱられるからではないのか。
メコン川
メコン川
お茶の味もなにかに引っぱられるのだろうか。
普通に淹れると水くさいお茶になってしまう。ちゃんと意識しないといけない。
今回は火の味。二度炒りで仕上げたこのお茶を、ちょっと多めの茶葉と、熱い湯で、ささやかな抵抗を試みる。
【漫撒古樹青餅2013年・青印】
漫撒古樹青餅2013年・青印プーアル茶
あきらかに「火」がついたのは2煎めまで。
それで十分。
腹の底へ熱いものが沈んで、身体の余分な水が汗となって額や背中に噴き出る。
すっーと軽くなる。
どういうわけか、はじめの煎がよければ後も良い。まだ火がくすぶっているみたいて、7煎も8煎も爽やかなお茶になった。

ひとりごと:
友人に誘われて、ちょっと見学。
手づくりリゾート
手づくりリゾート
手づくりリゾート
タイの手づくりリゾートは、
お金があっても時間をかける。手間をかける。
オーナーが自ら拾ってきた廃材を、ひとつひとつ吟味して、ぴったり合う場所を探す。木も石も土も植物も、みんながいい顔をしている。
このひとつひとつのいい顔の感じが、大人にはわからなくても、子供たちにはわかるだろう。
すべての物質に愛情の輝きがあることを、いつか子供たちが見つける。
だからこれは未来へ残すメッセージ。
モノづくりの本質はここにある。
それ以外のどこにある?

漫撒山一扇磨の散茶2013年 その2.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨野生茶2013春
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納―茶缶密封
茶水 : タイ・チェンコーンの水道水・浄水器・大甕
茶器 : 小さめの蓋碗
メコン川
メコン川
メコン川

お茶の感想:
プーアール茶は、
多様性と可能性をもったお茶。
なぜかというと、
世界がまだ多様性と可能性の時代だった頃のお茶だから。
産地の雲南省南部は、100年前まで国境が曖昧で、いろんな国を祖国とする人々が点と線でつながって東洋的に混沌としながらお茶づくりに生きていた。土地の所有の概念が導入された現在も、過去のその雰囲気をいろんなところに残している。
この地域の山にずっと昔からある古茶樹は、種から育つので、一本一本の品種のそろわない混生状態となりながらも、山ごとの環境に合わせて進化した個性が色濃くある。
歴史の文献を見ると、
世界は250年ほど前から工業発展を中心に大きく変わっていって、人々の価値観も規格化・標準化されていって、お茶もまた人々の求めるように規格化・標準化の方向へ、栽培・製茶・販売の現場が変わっていった様子がある。
お茶を味わうという行為もまた、ひとつの価値を確認するようになっていって、そこに多様性を見たり可能性を探る試みの余地はなくなっていったのかもしれない。
誰か他人が見つけた正しい美味しさ。
多様性や可能性があるということは、この回答が用意されていないことになる。逆に言えば、ひとりひとりが自分で見つけることでしか、多様性や可能性は存在しないことになる。
言葉では簡単でも、学校教育に慣れたわれわれにとっては難しい。正しい美味しさ、正しい淹れ方、正しい飲み方、正しい味わい方、優れたところ、経済的価値。どうしても、他人が用意したそんな答えを探してしまう。
そんな答えはまだ用意されていないお茶。
その美しさ。その個性。
これに出会うためには、結局、自分と向き合うことになる。
他人が評価する自分じゃなくて、自分の中の多様性や可能性を探る試み。
今日はこのお茶。
【漫撒山一扇磨の散茶2013春】
漫撒山一扇磨の散茶2013春プーアル茶
漫撒山一扇磨の散茶2013春プーアル茶
今日はノーコメント。

ひとりごと:
あるお茶のことを2日間ほど考えていたことを先日書いたけれど、ゆっくり考えることが習慣になってきている。それで脳が精いっぱいだから、どこかへ行く用事があっても、それ以外のついでの用事がつくりにくくなっている。
例えば、タイのある町に友人に会いに行っても、そのとき交わした会話とか、周りの景色とか、食べたものとか、ぼんやりと回想しながら記憶の引き出しにしまってゆく作業がその後しばらく続く。
せっかく町に来たのだから、買い物して観光してグルメしてというふうにしたら、経済や時間の効率はよいのかもしれないけれど、脳が忙しすぎて大事な仕事ができないような気がする。
限られた時間であれもしてこれもしてというのは、経験の数や種類の多さに満足できるかもしれないし、他人に話しても分かりやすい。
でも、それはもう自分にはいらなくなった。
肩の荷が下りたようで、すっとした。
メコン川
メコン川
メコン川

巴達古樹青餅2010年 その15.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海 紙包み+竹皮 日本紙箱
茶水 : タイ・チェンコーンの水道水・浄水器・大甕
茶器 : 小さめの蓋碗
メコン川
メコン川
メコン川
メコン川
メコン川

お茶の感想:
夜明けに濃い霧がかかっていたので、
「熟茶」にしようと決めていたけれど、明るくなるにつれ雲散した。空気のモヤモヤしたものが散って、光の粒子がまぶしくなってくる。
ずばりこのお茶。
【巴達古樹青餅2010年プーアル茶】
熱湯で温めた蓋碗で、
しっかり茶葉を蒸らして、
再沸騰させた湯を、蓋碗の真ん中にまっすぐ垂らす。
「ショボショボ、と、高すぎず低すぎず、細すぎず太すぎず。」
茶海や杯も熱湯でしっかり温めて、
熱々のを受け入れる。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
お茶が「気」を吐く。
昇る太陽がすべてを照らしていろんなものを蒸発させるように、お茶の「気」は口から入っていろんなものを蒸発させる。今日のはパチパチと音を立てそうだった。真っ白になりそうだった。
熱い湯で淹れるほど、このお茶は燃える。燃える炎にやわらかで気品ある香りが漂う。
「火」の仕事。
みんなであちこち火傷しながら高温の鉄鍋炒りをした。薪は青い炎を吹いていた。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶の薪の火

ひとりごと:
朝食のお惣菜を求めて市場へ。
チェンコーンの市場
蟹
チェンコーンの市場チェンコーンの市場
ソムタムとナマズの蒲焼
市場のおばちゃん達に、
「朝から精つけてどうするの色男!」
とからかわれながら、ナマズの蒲焼や豚レバの串焼きなんかを買った。
山に上がるまでに身体を仕上げる。今日から食べ物を調整する。

巴達章朗青餅2009年 その1.

製造 : 2009年10月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ータイ・チェンコーン 密封
茶水 : チェンコーンの水道水・浄水器・大甕
茶器 : 小さめの蓋碗
メコン川の宿
メコン川の宿
メコン川の宿

お茶の感想:
ベッドからメコン川が見えるようにして寝たら、
夜明けにそっと起こしてくれる。
朝いちばんのお茶は、『巴達章朗青餅2009年』。
以前に製茶専業の農家から何枚か求めてアウトレットで売ったことのあるお茶。
サイトには記録がない。
巴達章朗青餅2009年プーアル茶
巴達章朗青餅2009年プーアル茶
白檀の香り。
仏教の薫り。
やっぱりそうか・・・・。
ま、これからだ。
ひとつひとつ出会ってゆこ。

ひとりごと:
ソムタム(青パパイヤサラダ)
蟹入り。
貝の発酵醤油入り。
唐辛子は1本だけ。
朝の屋台でソムタムを売るお姉さんは、100円もしないこのサラダを、オーダーしてからじっくり丁寧につくってくれる。忙しい人には無理。
ソムタムソムタムソムタム
愛のある食べものは、
人間の尊厳を守る最後の砦だ。

漫撒古樹青餅2013年・青印 その9.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : タイのミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
メコン川
漫撒古樹青餅2013年・青印プーアル茶
漫撒古樹青餅2013年・青印プーアル茶

お茶の感想:
メコン川の茶席で、
メコン川の親子にこのお茶。
【漫撒古樹青餅2013年・青印】
漫撒古樹青餅2013年・青印プーアル茶
雲が流れてゆくのと、
煎ごとにお茶の味が変わってゆくのと、
シンクロしていた。
ここでこのお茶を飲める幸せ。

ひとりごと:
朝はチェンマイで
「イングリッシュ・フル・ブレイクファースト」だった。
全部オーガニック素材。
手づくり。
チェンマイ
チェンマイ
チェンマイ
チェンマイ

南糯蜜蘭青餅2013年 その5.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : タイのミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
SIGMA DP2 Merrill

お茶の感想:
コンパクトでシンプルな『SIGMA DP2 Merrill』という単焦点(ズームなんてない)カメラは、光と色を素直に記録するために「フルカラーFOVEON X3 ダイレクトイメージセンサー」という破格にデカイ画像処理装置を持っている。
+【SIGMA DP2 MOROCCO】
シャッターを押すたびにそのセンサーが仕事をするのだが、かなりの重労働なのか、発熱する。カメラを持つ手が熱くて「大丈夫かな?」と心配になるときがある。電源を切ろうにも「processing」と表示されてしばらく切れないときがある。
2日間ほど、僕の脳も同じように発熱していた。
あるお茶の味を記録するためだったと思う。目の前のことに集中していても、脳が勝手に「processing」しているから、今何をしようとしていたのかを忘れたり、ご飯の味がしなかったりしていた。
大丈夫だ。自覚はある。
そのお茶は、烏龍茶で有名な茶師が2013年の春に雲南の山に入ってつくった生茶のプーアール茶だった。
ひとくちめはわからなかった。
烏龍茶の茶師の生茶
すぐにわからなくて、後から心が騒ぎだすようなお茶はヤバイ。
そう。ヤバイお茶だったのだ。
お茶の教室をしている先生から見たら、僕は味わう姿勢がなっていないと映るだろう。眼がキョロキョロするし、手足がソワソワ動くし、杯を飲み干さないうちからなにか話したりもする。ヤバイお茶はとくにそうなる。
パッと味のわかるようなお茶なら、すぐに言葉に置き換えて、脳の処理は途中で終わることができる。だから落ち着いた姿勢でお茶を飲める。
しかし、ヤバイお茶はちがう。
甘いとか苦いとか渋いとかいう言葉と関連付けできないのだから、すべて変換なしの「生」のデータで脳に取り込む膨大な情報処理となり、脳にしてみたら藁をもすがる思いで仕事のとっかかりを探して、眼は光の断片を探して、手足は肌の感覚を求めて、耳は言葉や音などの関連情報を拾おうとする。いろいろ繋いで繋いで、記憶の引き出しをたくさんつくってゆくのだろう。
そのお茶の3煎めに、先生は「馥郁(ふくいく)たる」と表現した。
いい言葉だ!
馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・
馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・馥郁たる・・・
言葉や声に引っかけてお茶の味のいろんなデータが関連付けられてゆく。今や「馥郁たる」のひとことで脳から芋づる式にこのお茶の記憶が引き出される。
2日後、脳の仕事が終わってすっきりしたときに、ふと、「このお茶に似ている!」とひらめいた。
『南糯蜜蘭青餅2013年』
山は違うけれど、餅茶を崩すときの質感、茶葉の重さ、色の感じ、そして味の印象、余韻のもたらす雰囲気。同じ方向にあるのだ。その方向での深度は、明確に半発酵を意識したこのお茶のほうがあるかもしれない。
しかし、そのような分かり易いのを嫌っている美意識があるかもしれない。
そうだ。そうに違いない。
茶師のお茶は産地や製法を公開していなかった。
そんな情報は邪魔だからだ。
味わう前から脳にカンタンな仕事をさせては、ヤバイお茶にはなれない。

ひとりごと:
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
ランプ―タン
タイのチェンマイ。
いつもの飯屋で朝食をとって、
いつもの市場で果物を買って、
いつもの宿でお茶をする。
この土地の人みたいに時間を愛する。
時間に愛される。

大益五子登科小餅11年 その1.

大益五子登科小餅11年プーアル茶大益五子登科小餅11年プーアル茶
製造 : 2011年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 孟海茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 小餅茶
保存 : 昆明ー上海 紙包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
茶器 : 大きめの蓋碗

お茶の感想:
このサイズでこの価格は高いな・・・と思ったけれど、
包み紙を開けてたら納得。「宮廷プーアール茶」に使われるクラスの新芽・若葉が選ばれている。
大益五子登科小餅11年プーアル茶
器を湯で温めて、
湯を捨てて空にした蓋碗の中で茶葉を蒸らして、
ぬるめの湯で洗茶して、
「プツプツ」の音が減ったら、
熱湯を注ぐ。
このやり方では、茶葉に水分がしっかり浸透しているので、1煎め・2煎め・3煎めくらいまでの抽出時間がいつもより短くなる。このお茶はさらに細かな新芽・若葉のお茶なので、ドッといっきに濃く出やすいので、そこを気を付ける。
大益五子登科小餅11年プーアル茶大益五子登科小餅11年プーアル茶
新芽・若葉のどくとくの濁り。
とろんとした液体の質感。
透明で姿を現さないけれど、上昇力を感じさせる「茶気」。
口に含んで漂う香りに、『版納古樹熟餅2010年』をつくったときの発酵の倉庫と同じものがあった。
このお茶も「完全発酵」に近付くような仕上がりで、お茶のお茶足る輪郭が失われて、別モノが存在している。

ひとりごと:
さあ、戻ろう。
あんまりキレイごと言えないリアルな世界へ。
今回の滞在はめずらしくいろんな人と交流があって、みなさんからキレイな見方をしていただいて、恥ずかしくなってしまって、いろんなところで突然背を向けたりした。
例えば、ある茶教室の席で、
そこの生徒さんから、
「良いお茶を入手する決め手はなんですか?」
と聞かれて、
「現金です。」
と答えて、どん引きされてみたりとか・・・。
しかし、そんなことはどうでもよかった。
泡茶(お茶淹れ)では周辺情報がどうであれ、この1煎にすべてがかかっている。
お茶の味の語ることがすべてであり、隠しようのない真実であり、人の心にとどくのはそれしかない。
潔い世界なのだ。

下関銷法沱茶90年代 その4.

下関銷法沱茶90年代プーアル茶
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
製造 : 1998年頃
茶葉 : 雲南省臨滄茶区大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 下関茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包みのまま
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
茶葉を思いやるお茶淹れで、このお茶。
【下関銷法沱茶90年代プーアル茶】
崩した茶葉に見える肥えた新芽と若葉。立体的でまるみがある。
茶器を温め、
湯を捨てた蓋碗で茶葉を蒸らし、
茶海で冷ましたぬるめの湯で洗い、
沸きたての熱い湯で淹れる。
呼吸を整えて、脳が静まるのを待ってから手を動かすこと。
気持ちの良い音を立てること。聞くこと。
なぜ音のことを言うのか今わかる。
ミクロの世界の水や茶葉の粒子にとって、音のショックは大きいのだ。人間の耳に痛いような音は破壊的な影響を与えている。
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
くちにスッと入る。
のどをスッと通る。
もうちょっとゆっくりと思いつつもう一杯、
くちにスッと入る。
のどをスッと通る。
この繰り返し。延々と。
『版納古樹熟餅2010年 その15.』で見つけたのとおなじ系統の薔薇の香り。
やがて喉がスースーと爽やかになり、腹の底が温まって胃腸がリラックスし、手先足先の毛細血管に熱い血が流れ、脳がゆるんで眠たくなる。

ひとりごと:
丁寧なお茶淹れ。
丁寧な食事。
丁寧な生活。
気持ちの良い音を立てること。聞くこと。

南糯山神青餅2011年 その2.

南糯山神青餅2011年プーアル茶
南糯山神青餅2011年プーアル茶
製造 : 2011年12月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹2011年春茶
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : 大きめの蓋碗

お茶の感想:
「大きめの蓋碗」+「熱い湯」+「少ない茶葉」で可能性を探る。
【南糯山神青餅2011年プーアル茶】
うすうす気付いているが、この茶葉は熱い湯に火傷する。
しかし、一気に熱が通る泡茶はどうだろう?
熱で変化するなんらかの成分があるところを通り越して、今まで見なかった表情を見せるかもしれない。
高温の蒸気と火の味による「見えない炎」の出たお茶のように、いろんな味を包みこんでしまうような反応があるかもしれない。
しっかり茶器を温めて、湯を捨てた蓋碗の中で茶葉をじっくり蒸して、茶海に冷ましたぬるめの湯で洗茶する。洗茶後にさらに蓋をして少し間をおいて、沸きたての熱い湯を注ぐ。
南糯山神青餅2011年プーアル茶
熱くてめらめらの透明で甘い液体。
漢方薬のような薬味が少し効いている。
煙草味は軽く、隠し味的なスパイスとなっている。
ぬるめの湯で淹れた時のようなスイカの甘い香りはない。
3煎めになるとより甘く、ちょっと奥行きのある易武山に似た香りがでてくる。
後口にはスカッとミントがあるが、全体的には精彩に欠ける。
南糯山神青餅2011年プーアル茶
葉底(煎じた後の茶葉)は焼けて赤味を増している。
こうなることは予想できたけれど、さあ、次はどうしようか。

ひとりごと:
製茶での、
殺青の火入れを浅くするのなら、軽発酵を深くする。
殺青の火入れを深くするのなら、軽発酵を浅くする。
というようなバランスが、プーアール茶の生茶にはあるのかもしれない。
このお茶『南糯山神青餅2011年』は、火入れが浅いわりに、軽発酵の深さが足りないのかもしれない。

南糯山神青餅2011年 その1.

南糯山神青餅2011年プーアル茶
南糯山神青餅2011年プーアル茶
製造 : 2011年12月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹2011年春茶
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
泡茶の一問一答。
どういうわけか、お茶は、求めている人が求めていたような答えしか出さない。
いや、ちがう。
お茶はいろんな答えを出しているけれど、人は求めている答えしか拾えない。
というのが近いだろうか。
お茶を飲む側の人は、ありのままを楽しむ。
お茶をつくったり売ったりする側の人は、自分の求めていないところの可能性を探る。
そんなことが出来ていなかったと思う。
ま、これからだ。
このお茶の可能性を探る。
【南糯山神青餅2011年プーアル茶】
はじめの1〜2煎めのエグ味をどうするか?
終わりの5〜6煎めの蜜の甘味をどうするか?
ときどき見え隠れしていた、霧の煙る山で香る花をどうするか?
大きな古茶樹の滋味は、ほんとうに抽出できているか?
過去にいちばん美味しく淹れられたのは、大きめのポットだった。ということは、紅茶のようにしっかり熱が通るほうがよいということだろうか?
それなら殺青(鉄鍋炒り)の火入れをもっとしっかりしておくべきだったのではないだろうか?
南糯山のお茶に長期熟成の美味しいお茶と出会ったことがないのは、泡茶の観点が間違っていたのではないか?
この流れでゆくと、
「大きめの蓋碗」+「熱い湯」+「少なめの茶葉」で試したいところだが、
その前に、「小さめの蓋碗」+「ぬるい湯」+「適度な茶葉」で探りを入れてみる。
お茶の味、葉底(煎じた後の茶葉)、なにかわかることがあるかもしれない。
茶商の泡茶らしくなってきた。
南糯山神青餅2011年プーアル茶
南糯山神青餅2011年プーアル茶
はじめの1〜2煎めのエグ味は少ない。スッキリ甘くてサラサラの透明なお茶。
微かであるが、煙草のヤニっぽい味が舌にへばりつく。これは南糯山や布朗山に多い古茶樹の味で、地元のファンはこれゆえに南糯山や布朗山のを選ぶくらいだから、嗜好として悪くはない。3煎めくらいからは少なくなる。
湯を沸かすポットは一煎めから再沸騰させずに使うので、85度、80度、75度という具合に下がっていると思う。
3・4煎めは、なぜか易武山のお茶に似たスイカの甘い香り。
葉底(煎じた後の茶葉)を見ると、あきらかに緑を保っている。こころなしか、熱湯で淹れた時よりも弾力がある。スイカの甘い香りは葉底にもある。
ここで、再沸騰させた熱い湯で淹れてみる。
5煎め。
香りに霞がかかって山水画っぽくなる。
もういちど煙草のヤニっぽい味が出てきて舌にへばりつく。飲み干した後から、舌に甘味、苦味、という具合に戻る味がある。
もう一度再沸騰させて6煎め。
底から沸いてくるような鈍い苦味、甘味、煙草味。スイカの甘い香りが和らげて、全体を調和させる。
南糯山神青餅2011年
葉底の色が、あきらかに黄味を帯びている。
熱い湯で焼けたのだ。

ひとりごと:
とりあえずここまで。
今はまだ結論を出したり、まとめたりしない。


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