下関甲級鉄餅05年 その1.
製造 : 2005年
茶葉 : 雲南省臨滄茶区大葉種喬木晒青茶ブレンド
茶廠 : 雲南大理下関茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
少し前まで販売していたお茶。
「鉄餅」というのは、金型で強く圧延されたタイプの餅茶。
独特の苦い風味がある。もともとはロシアに売ろうとしていたらしい。サモワールで煮出したようなお茶にジャムを混ぜて、カクテルティーにでもしたのだろうか。
1950年代の初代「鉄餅」を扱ったことがあった。
+【早期藍印鉄餅50年代】
餅茶に圧延加工する工程で、晒青毛茶(天日干しで仕上げられた緑茶)を、高温の蒸気でいったん柔らかくする。鉄餅の場合はそこでしっかり柔らかくする必要があるから、深蒸しになる。それが独特の苦い風味となる。
下関茶廠の生茶は鉄餅にかぎらず、「沱茶」・「磚茶」・「緊茶」のいずれもがしっかり蒸して固めてある。なので共通した風味があると思う。最近のはかなりソフトになっているが、1990年代前半まではハードだった。
数年熟成するとなぜかドラフルーツの杏子やプルーンのような甘酸っぱい香りが出てくる。お茶のお茶たる苦味と穀物のようなふくよかな甘味。香りと味のギャップに面白みがあるのだろうか。
・・・実はこれが個人的には苦手なのだ。
1980年代の鉄餅の銘茶があるけれど、これもあまり飲まない。
+【83鉄餅プーアル茶】
だだし、ひとつだけ鉄餅じゃなくちゃならない味覚がある。
アルコール度数40度以上の酒、焼酎でもウィスキーでもウォッカでもよい。鉄餅のお茶をチェイサー代わりにして飲む。ぜったいに割っちゃいけない。酒をひとくちキュッとやって、お茶をひとくちキュッとやる。この繰り返し。
これは鉄餅のお茶じゃないとダメなのだ。易武のように美人でもだめだし、烏龍茶のような厚化粧はもっとダメ。
ひとりごと:
『ヤクザが店にやってきた』 宮本照夫著
(―暴力団と闘い続けた飲食店経営者の怒濤の日々)
なぜかこんな本を読んだことがある。
この中で、ヤクザの親分と主人公である筆者が、一対一で静かに酒を飲むシーンがあったと思う。ふたりともなにも話さないのに、なんとなく通じている感じが味わい深かった。
自分の思い出では、ずいぶん前に四国の足摺岬を旅した時に釣り宿でいっしょになった親分。晩御飯の席で食べものの話で意気投合して、いつのまにか人生の話になって、親分は僕の来た道のことを静かに聞いて、親分の来た道のことを静かに語った。周りは宴会でガヤガヤしていたけれど、静かなよい酒だったなあと、なぜかときどき思い出す。
たぶん、僕が親分だったらやっぱりそうしたと思うし、親分が僕だったらやっぱりそうしたと、お互いに思ったのだろう。
まだどんよりしている西双版納。
茶葉 : 雲南省臨滄茶区大葉種喬木晒青茶ブレンド
茶廠 : 雲南大理下関茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
少し前まで販売していたお茶。
「鉄餅」というのは、金型で強く圧延されたタイプの餅茶。
独特の苦い風味がある。もともとはロシアに売ろうとしていたらしい。サモワールで煮出したようなお茶にジャムを混ぜて、カクテルティーにでもしたのだろうか。
1950年代の初代「鉄餅」を扱ったことがあった。
+【早期藍印鉄餅50年代】
餅茶に圧延加工する工程で、晒青毛茶(天日干しで仕上げられた緑茶)を、高温の蒸気でいったん柔らかくする。鉄餅の場合はそこでしっかり柔らかくする必要があるから、深蒸しになる。それが独特の苦い風味となる。
下関茶廠の生茶は鉄餅にかぎらず、「沱茶」・「磚茶」・「緊茶」のいずれもがしっかり蒸して固めてある。なので共通した風味があると思う。最近のはかなりソフトになっているが、1990年代前半まではハードだった。
数年熟成するとなぜかドラフルーツの杏子やプルーンのような甘酸っぱい香りが出てくる。お茶のお茶たる苦味と穀物のようなふくよかな甘味。香りと味のギャップに面白みがあるのだろうか。
・・・実はこれが個人的には苦手なのだ。
1980年代の鉄餅の銘茶があるけれど、これもあまり飲まない。
+【83鉄餅プーアル茶】
だだし、ひとつだけ鉄餅じゃなくちゃならない味覚がある。
アルコール度数40度以上の酒、焼酎でもウィスキーでもウォッカでもよい。鉄餅のお茶をチェイサー代わりにして飲む。ぜったいに割っちゃいけない。酒をひとくちキュッとやって、お茶をひとくちキュッとやる。この繰り返し。
これは鉄餅のお茶じゃないとダメなのだ。易武のように美人でもだめだし、烏龍茶のような厚化粧はもっとダメ。
ひとりごと:
『ヤクザが店にやってきた』 宮本照夫著
(―暴力団と闘い続けた飲食店経営者の怒濤の日々)
なぜかこんな本を読んだことがある。
この中で、ヤクザの親分と主人公である筆者が、一対一で静かに酒を飲むシーンがあったと思う。ふたりともなにも話さないのに、なんとなく通じている感じが味わい深かった。
自分の思い出では、ずいぶん前に四国の足摺岬を旅した時に釣り宿でいっしょになった親分。晩御飯の席で食べものの話で意気投合して、いつのまにか人生の話になって、親分は僕の来た道のことを静かに聞いて、親分の来た道のことを静かに語った。周りは宴会でガヤガヤしていたけれど、静かなよい酒だったなあと、なぜかときどき思い出す。
たぶん、僕が親分だったらやっぱりそうしたと思うし、親分が僕だったらやっぱりそうしたと、お互いに思ったのだろう。
まだどんよりしている西双版納。
- 2013.10.30 Wednesday
- プーアール茶2005年
- 17:59
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- by ふじもと