プーアール茶.com

茶教室・京都

巴達山曼邁寨の散茶2012年 その1.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 京都御所周辺地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
喫茶室
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶

お茶の感想:
巴達山曼邁寨の古茶樹の茶葉。
2010年のものは以下を参照。
【巴達古樹青餅2010年】
このお茶『巴達山曼邁寨の散茶2012年』も同じく早春に采茶している。
製茶の殺青・揉捻は機械で行われている。
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
一煎めにキリッとした柑橘系の香り。
味はやや硬いかと思ったので、2煎め・3煎・4煎・5煎・・・と時間を調整したり湯の温度を変えてみたりしたが、やはり自分の思うような巴達山曼邁寨の味にはならない。
甘味が出にくいのでやや苦く感じる。
熱に弱く、高温では辛味・渋味が強くなる。
これは茶葉の品種特性の問題。
今後は巴達山曼邁寨の茶葉で生茶のプーアール茶をつくることはないだろう。
紅茶はあり。
割烹料理
割烹料理
料理は色も大事。
鮮度とか、栄養とか、薬効とか、味わいとか、歯触りとか、そういうものも色から読み取っている。

丁家老寨青餅2012年 その13.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶

お茶の感想:
熟成壺の効果をみるためにこのお茶。
【丁家老寨青餅2012年】
壺に入れてから7カ月目になる。
6ヶ月間いちども蓋を開けていない。
壺に入れてから2週間くらいのときに、茶にチョコレート香が加わった話をしていた。
【漫撒古樹青餅2013年・黄印 その2.】
ところが、今回開けてみるとその特徴は目立たず、以前ほど薫らない。
餅茶の包みを開けても、とくべつ薫ることはなかった。
そして淹れてみた。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶丁家老寨青餅2012年プーアル茶
湯を注いだ瞬間にふわっと薫る。
口に含むともっとふわっと薫る。
その香りはどこか焙煎っぽい方向のもので、熟成で”熟れた”感じの方向ではない。それがこの熟成壺の特徴。火入れっぽい効果が得られて、キリッとするようなのだ。
大げさに言うなら、これまで飲んだ『丁家老寨青餅2012年』のなかでいちばん美味しいと思った。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
このお茶は殺青のときの鉄鍋炒りで少々焦げたところがある。
崩した時に屑になる茶葉をいっしょに煎じると、このようにカスが多く出る。焦げの香りに嫌味がなければ魅力になる。
今年のテーマは製茶。
古茶樹は混生の品種。一本一本の茶樹が兄弟のように微妙に異なる。葉の形や大きさも成長のスピードもそろわないので、製茶の精度は落ちる。しかし、製茶の精度を上げるために品種改良して工業生産的に育てられたお茶よりも、魅力的な味だと思う。キレイに仕上げるのが良いと考えるのは脳の自分勝手な暴走。

8582七子餅茶99年 その2.

製造 : 1999年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海茶区大葉種晒青茶古樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港乾倉ー広州ー上海ー京都
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : 大きめの蓋碗

お茶の感想:
リンゴのような甘い香りのお茶。
【8582七子餅茶99年プーアル茶】
1990年代のお茶だから、1980年代の老茶に比べると劣る。
ほんの10年の間に、メーカーは大きな変化があって、いろいろと失った。
ひとつだけましな点は、この茶葉が晒青毛茶のときに若干微生物発酵したかもしれないこと。
風味にそんな痕跡がある。
また、上海に保存していた数年前に、温度・湿度を香港の気候のように調節した箱の中に数日入れてみた。そのときうっすら白い綿のようなものが現れた。良性のカビと思われる。
晒青毛茶のときに微生物発酵していない茶葉は、このようにはならない。
広州倉庫熟成のプーアール茶
この写真は広州の茶商の倉庫のもの。(銘柄は不明)
見るからに白カビ系。カマンベールチーズのようになっている。
8582七子餅茶99年
この写真は当店の箱の中で熟成を試したもの。
割った餅茶の断面に同じく白い綿っぽいものが見える。
7542七子餅茶90年代初期プーアル茶
この写真は『7542七子餅茶90年代初期』香港で熟成されたもの。
表面に「白露」と呼ぶ白い粉をふいたような色が残っているが、”白露”の出るのも、晒青毛茶のときに麹由来の微生物発酵があったものと見ている。
8582七子餅茶99年プーアル茶
8582七子餅茶99年プーアル茶
8582七子餅茶99年プーアル茶
リンゴのような甘い香りもまた、微生物発酵のときにつくられた酵素と茶葉の成分がどうにかなって発生しているものと思う。
8582七子餅茶99年プーアル茶
8582七子餅茶99年プーアル茶
8582七子餅茶99年プーアル茶
京都に置いている茶缶のお茶。
京都は京都の熟成風味。

巴達古樹青餅2010年 その21.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 京都御所周辺地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
「梅の香りがする」とお客様が言いだして、京都お茶会の先生も同じことを言うので、確かめてみた。
【巴達古樹青餅2010年】
西双版納の手元のサンプルに”梅”と言えるような印象はなかったので、今回上海に置いてある一枚を持って来た。
上海は7枚一組竹皮包で保存している。開封した後はすべて熟成壺に保存している。上海倉と呼ぶことにする。
上海倉
上海倉の特徴は年中しっとりしていること。
上海に住んだことのある人はわかるだろうが、夏も冬もしっとりしている。
風の吹く春と秋だけはカラッとする。寒い季節に湿度が高いと悪いカビが発生しやすいが、竹皮や素焼きの陶器が湿度を調整してうまい具合に熟成をすすめてくれる・・・かもしれない。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
やはり梅の香りがある。
本当だった。
これが上海倉の効果かどうかを確かめるために、1年前から京都で袋に密封保存していた一枚を出して飲み比べた。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
これにはぜんぜん梅の香りはない。
草っぽい香りで、どちらかというと自分の知っている西双版納で保存しているものに近い。
やはり上海倉の個性が出てきているようなのだ。
ししとう
カキフライ
お酒の品揃えがいまひとつだが、近所の人たちに愛される名店。アルバイトの女の子たちがかわいらしいのがポイント高い。
ししとう。カキフライ。

ラオス瑶族の散茶2013年 その6.

製造 : 2013年4月
茶葉 : ラオス古茶樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : 京都御所周辺の地下水60メートル
茶器 : 作家さんの蓋碗
七子黄印大餅70年代
七子黄印大餅70年代
老班章古樹純料茶10年

お茶の感想:
台湾茶の先生と生徒さんたちと、いくつかのプーアール茶を飲む機会があった。
【七子黄印大餅70年代】
【老班章古樹純料茶10年】
【ラオス瑶族の散茶2013年】
【7582大葉青餅70年代】
プーアール茶の試飲
プーアール茶の試飲
お茶の試飲
味の鑑賞は、学ぶ機会があったほうがよい。
同席した器のギャラリーの旦那さんが、以前はぜんぜん知らなかった器の美しさに気付いてゆくプロセスを話されたが、プーアール茶の味の魅力についてもそう。誰かに教えてもらう過程があるほうが早い。
例えば『老班章古樹純料茶10年』のピリ辛さは、西双版納の西側の茶山の特徴。それを知ったら、後に共通したピリ辛さを他のお茶に見つけることができる。
お菓子
お菓子、口に溶けて喉を滑り落ちた。

中茶牌3917沱茶93年 その8.

製造 : 1993年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 昆明 紙包+竹皮密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター 上海浄水器の水、京都御所付近の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗 小さめの茶壺
西双版納
上海
上海
京都お茶会

お茶の感想:
西双版納ー上海ー京都。短期間の移動。
ひとつのお茶をそれぞれの茶器、それぞれの水、それぞれの空気、それぞれの人たちと味わった。
自分はなるべくお茶の味だけを見ようとしているけれど、そんな器用な事、ほんとうは出来ないと思った。
中茶牌3917沱茶93年プーアル茶
とくに上海はお茶に味わいがあった。
生活が沁みている。
上海の冬の寒さや夜のしっとりした空気が、お茶とともに薫った。
黄茶
熱い湯に反応する黄茶の香りもよい。

8582七子餅茶89年 その1.

製造 : 1989年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海茶区大葉種晒青茶古樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー昆明 紙包+竹皮包
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
8582七子餅茶89年プーアル茶

お茶の感想:
プーアール茶の問屋さんは、茶葉の良し悪しをを選んだりしていない。
有名メーカーの新茶や転売の老茶を片っ端から仕入れて体育館のような食糧倉庫に積め込んでゆく。
倉庫がいっぱいになるのが早いか、現金が尽きるのが早いか。
たいてい先に現金が不足する。
倉庫の中のを少しずつ売りながら現金をつくりながら回してゆく。
だから、この数年の新茶の値上がりは痛い。売ったお金で買えないから。
昨年と同じ量の茶葉を仕入れようと思ったら、昨年の仕入れた金額の3割増しの現金を用意しなければならない。
倉庫に眠るお茶を売るにしても、将来値上がりの見込みのあるのは今は手放したくない。
価値の付かないお茶から順番に出してゆきたい。
そのようなわけで、問屋さんから回ってくるサンプルの茶葉はひどいものばかり。
今日のも残念なお茶だった。
良いお茶を飲んで、舌を正常な位置にもどす。
【92紅帯青餅プーアル茶】
92紅帯青餅プーアル茶
『92紅帯青餅プーアル茶』。むちゃくちゃ美味しい。
香りが強い。
旧六大茶山の中でこのくらい香りの強さがあるのは倚邦の小葉種のお茶。
産地の記録はないが、おそらくそうだろう。
92紅帯青餅と8582七子餅茶89年
奥: 92紅帯青餅
前: 8582七子餅茶89年
問屋さんから来たサンプルは1989年の『8582七子餅茶89年』。
『8582七子餅茶』は1985年が最初のお茶。
【8582七子餅茶】
1980年代の最高傑作のひとつである。
南天公司の監修で第一作、第二作、第三作と何度かつられるが、結局第一作を超える評価のは出なかった。南天公司が1996年頃に解散してからも、同じ茶号のものが孟海茶廠によりつくられており、当店では1999年モノを扱ったことがあった。
【8582七子餅茶99年】
今から考えると、この時点ですでに製法は継承されていなかった。
1980年代までには多くあった微生物発酵の陳年茶葉は使われていない。
それどころか、茶葉の産地が異なる。旧六大茶山の味ではない。
さて、このサンプルの1989年モノはもしもホンモノだとしたら南天公司の監修ということになるから元祖の味が残っているかもしれない。
ちょっと期待していたが、湯を注いだ瞬間になくなった。生臭い匂いが漂った。
念のために飲んでみると苦くて不味い。
腐っていた。
南天公司モノの市場に残っているのはほぼダメだと思う。
ちゃんとした味の『8582七子餅茶』なら試飲だけで40万円はする価値があると思う。そんな茶葉、タダでサンプルを配るはずがない。
西双版納のメコン川
西双版納のメコン川
ちょっと気分転換。

大益銷台A熟茶磚96年 その2.

製造 : 1996年代
茶葉 : 雲南省西双版納大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 紙包みのまま
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶

お茶の感想:
同じ系統のお茶と飲み比べたい。
「焼味」に特徴あるもの・・・・と考えたら、3つ思い当りがある。
【鳳凰金毫沱茶05年】
【老茶頭プーアル茶磚06年】
【中茶牌7581雷射磚02年】 
年代やメーカーは異なるが、焼味の雰囲気はちょっと似ていると思う。
手元には『中茶牌7581雷射磚02年』しかないので、これと比べてみる。
焼味は、発酵が終わった茶葉を機械乾燥したときに生じる焦げ。
微生物発酵により澱粉が糖化されて甘味が増えるが、この糖分がカラメルのように焦げる。
芳ばしい香りとなればよいが、嫌な香りになることもある。
量産される熟茶は機械乾燥を利用するケースが多い。
大益銷台A熟茶磚96年と中茶牌7581雷射磚02
大益銷台A熟茶磚96年と中茶牌7581雷射磚02
左: 大益銷台A熟茶磚96年
右: 中茶牌7581雷射磚02
茶湯の色は違うが、焼味は似ている。
『大益銷台A熟茶磚96年』のほうがまろやかで甘味も強く透明感があり上等な味がする。やはり価格もそれなりにちがう。
価格帯の同じ『7581荷香茶磚97年』と比べてみる。
【7581荷香茶磚97年 その1.】
7581荷香茶磚97年プーアル茶
大益銷台A熟茶磚96年と中茶牌7581雷射磚02年
大益銷台A熟茶磚96年と7581荷香茶磚97年
大益銷台A熟茶磚96年と7581荷香茶磚97年
左: 大益銷台A熟茶磚96年
右: 7581荷香茶磚97年
『7581荷香茶磚97年』が圧倒的に美味しい。
この時点で『大益銷台A熟茶磚96年』は不採用と決定。
『大益銷台A熟茶磚96年』は雑味が多い。
熟茶は食欲に訴えかける味覚の甘味・旨味が強くなるが、味が濃くなるほど気品が損なわれる。
その点で『7581荷香茶磚97年』は優れている。透明感があり、爽やかな風味に仕上がっている。
生茶のようにあっさり淹れるのが美味しい。
熟茶の味をみる舌が出来上がっているぞ!
と思って続けてサンプルの試飲2種。
2007年の磚茶プーアル茶
2007年の磚茶プーアル茶
2007年の磚茶プーアル茶
2007年の磚茶。
『孟庫戎氏宮廷小熟餅05年』と同じメーカーだったので期待したがダメだった。
微生物発酵の温度が上がり過ぎた(60度にも達する)と思われる風味がある。納豆菌などが増殖するせいで後味に舌がネトっとする。
1991年の磚茶プーアル茶
1991年の磚茶プーアル茶
91年の磚茶。
このお茶は良い。
ふわっと花の香り。搾りたて果汁のすっきりした酸味。
とても爽やかだと思ったら・・・・生茶だった。
熟茶の良いのは生茶の老茶と共通する美味しさがある。
職人が生茶と同じ味を目指して熟茶をつくっていた時代があったと思う。

大益銷台A熟茶磚96年 その1.

製造 : 1996年代
茶葉 : 雲南省西双版納大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 紙包みのまま
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶

お茶の感想:
『大益銷台A磚90年代』。
これについては過去に試飲の記録がある。
【大益銷台熟茶磚90年代 その1.】
この記録を読んでみると「よくわからないお茶だ」と締めくくっている。
いろいろな情報があってほんとうによくわからないのだけれど、総合するとこうだ。
1994年・1996年・1998年と何度かつくられていて、そのたびに包装を2枚組にしたり4枚組にしたり、茶葉のブレンドの配合が変わったりしている。2枚組は1998年のもので、4枚組は1996年のもの。1998年のはチベットの支援に充てられたという説まである。
前回の『大益銷台A磚90年代』は、1998年のものであると思われる。(2枚組)
今回の『大益銷台A熟茶磚96年』は、1996年のものであると思われる。(4枚組)
今日の試飲は1996年のほう。
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶
大益銷台A熟茶磚96年プーアル茶
いろんな濃さで淹れてみた。
美味しいことや問題のないことはわかったけれど、魅力的ではない。
個人的に好みでないお茶。
この年代の熟茶にいくつかある煙味というよりは焼味。焦げの味。焼き芋の皮。桂皮っぽいスパイスも出かけている。
生茶とのブレンドと思うが、おそらくそこは重要な見どころではない気がする。
白磁の茶海
新しく入手したこの茶海(公道杯)がなかなか良い。
持ち味がよい。
手の味わい。
これも大事。
それでいうと、この蓋碗は優れている。湯を一杯に張っても指に熱くなりにくい。
白磁の蓋碗
これ以上に手にしっくりくる蓋碗はまずないだろう。
毎日使えば分かる。

下関美術字鉄餅90年代 その1.

製造 : 1990年代中期
茶葉 : 雲南省大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 雲南大理下関茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 広州乾倉
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
サントリー山崎蒸留所
サントリー山崎蒸留所
(サントリー山崎蒸留所)

お茶の感想:
ウイスキーに似た煙味がこのお茶の魅力。
『下関美術字鉄餅90年代』 。
プーアール茶の20年モノ。
残念ながら良いのがめったにない。鉄餅と呼ぶ種類のはとくにそう。
下関美術字鉄餅90年代プーアル茶
下関美術字鉄餅90年代プーアル茶
鉄餅は1950年頃に、当時ソビエトの依頼によって下関茶廠がつくったのが最初。
【早期藍印鉄餅50年代 (圓茶鉄餅プーアール茶)】
ところが、これが人気がなく、1990年頃まではあまりたくさんつくられていなかった。
過去に1983年のを所有していた。これは台湾の茶商がオーダーしてつくられたもの。
【83鉄餅プーアル茶】
その頃から台湾ではプーアール茶ブームがあって、鉄餅の魅力に気付いたお茶ファンが増えた。1990年代から徐々に増えて、現在は毎年何種もの鉄餅がつくられている。
鉄餅は今でも老舗メーカーの下関茶廠のが多いと思うが、美味しいのが少ない。
少し前に出品したこのお茶。
『中茶牌3917沱茶93年』 。
鉄餅ではないけれど、茶葉や圧延感じが似ている。
美味しい鉄餅に似た魅力がある。
沱茶というお碗型で形は違うが、カチカチに強く固められているところが鉄餅にそっくり。
中茶牌3917沱茶93年
圧延加工をここまで強く硬くするには、晒青毛茶の蒸し加減を深くして柔軟性と粘着力をしっかり持たせる。
この長めの”蒸し”が鉄餅的な風味につながる。そして後の保存熟成にも影響がおよぶ。
今日はこの2つの飲み比べ。
下関美術字鉄餅90年代プーアル茶と中茶牌3917沱茶93年プーアル茶
下関美術字鉄餅90年代プーアル茶と中茶牌3917沱茶93年プーアル茶
左; 下関美術字鉄餅90年代
右: 中茶牌3917沱茶93年
『下関美術字鉄餅90年代』は一煎めから味や香りが変幻して揺れる。ストレートに煙味がくることがあれば、鼻にツンとくる森の『樟香』が薫ることもある。二煎・三煎とすすめるごとに甘味・旨味がにじみ出てくる。
それに対して『中茶牌3917沱茶93年』の一煎・二煎くらいはやや単調。三煎くらいから味に深みがでてくると、後味の吐く息に仏教っぽいお香の薫りがかすかにある。
産地の茶山が違うと思う。
そもそも鉄餅はロシアが下関茶廠に依頼してつくったお茶。
サモアールで煮出してジャムを混ぜて飲むには十分美味しい。


茶想

試飲の記録です。
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