倚邦古樹青餅2014年・明後 その2.
製造 : 2014年05月15日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
倚邦は小葉種の古茶樹。
そして混生の品種。
いろいろな色や形の葉をした品種がそろっている。風味も微妙に異なる。
もともと西双版納にあった品種だけではなく、明代に外地から持ち込まれたものがある。
これらの品種は広東の”鳳凰単そう”、福建の”岩茶”など、烏龍茶をつくっている産地から来たのではないだろうか。つまり、都市生活者が嗜む茶文化のお茶づくり。この大規模な実験が過去に行われたと推測できる。
小葉種の黄片。
黄片は新芽や若葉を摘んだ時に、いっしょに摘み取ってしまった老葉(成長しすぎた葉)や茎の部分のこと。
ところが、いつも見ている雲南大葉種の黄片とはずいぶん様相が異なる。
小さい。茎が短い。全体的に青黒い。そして薫る。そもそも黄片の量が圧倒的に少ない。
これを少し分けてもらったので今日はその飲み比べ。
左: 倚邦古樹青餅2014年・明後
右: 倚邦の黄片
写真で見ても黄片とは思えない。
そして烏龍茶のように薫る。
『倚邦古樹青餅2014年・明後』は新芽・若葉のもつ茶気と辛味があり、茶湯の密度が細かく滑らか。
その点で『黄片』はややおっとりして辛味が少なく湯の密度が粗い。舌触りがザラッとする。味わいに深みがあり喉越しは爽快。香りは、強さにおいては新芽・若葉に軍配が上がるが、魅力はむしろ黄片のほうにある。
茶とは思えない異質な甘い香り。
黄片は茶葉の厚みがあるなどの物理的な理由や、活発な光合成による成分構成から、新芽・若葉と同じ製茶で仕上げても軽発酵のすすんだ状態になりやすい。
烏龍茶の風味に近付く。
茶湯の色が濃く出ないのも、軽発酵のややすすんだ状態で殺青されたことによる現象だと思われる。
(倚邦古樹青餅2014年・明後)
(倚邦の黄片)
葉底。黄片は厚みがあるのでゴワゴワしているが、この感触もまた軽発酵のすすんだ烏龍茶の葉底に似ている。
小葉種でないとこうはならないだろう。
青茶づくりが小葉種を選んだのではなくて、小葉種が青茶(烏龍茶)の製法を生み出したのだ。
明代に倚邦でつくられたお茶はおそらく青茶だった。圧餅して運んだから青餅と呼ぶ。
仮説であるが筋の通った話になる。
旧六代茶山はどこも山奥の辺鄙なところにある。
なぜこんな遠いところまで来たのか?
なぜこんな不便なところにお茶づくりの拠点をつくったのか?
ここに来るまでの道中には気候や土質の似た山はいくらでもあり、茶樹の自生地帯もある。
それなのになぜ、この山を選んだのか?
いつも不思議に思っていたのだけれど、今はわかる。
霊気が違う。
お茶に宿る山の霊気を昔の人は感じることができた。
高級茶は山の霊気を飲むためにある。
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
倚邦は小葉種の古茶樹。
そして混生の品種。
いろいろな色や形の葉をした品種がそろっている。風味も微妙に異なる。
もともと西双版納にあった品種だけではなく、明代に外地から持ち込まれたものがある。
これらの品種は広東の”鳳凰単そう”、福建の”岩茶”など、烏龍茶をつくっている産地から来たのではないだろうか。つまり、都市生活者が嗜む茶文化のお茶づくり。この大規模な実験が過去に行われたと推測できる。
小葉種の黄片。
黄片は新芽や若葉を摘んだ時に、いっしょに摘み取ってしまった老葉(成長しすぎた葉)や茎の部分のこと。
ところが、いつも見ている雲南大葉種の黄片とはずいぶん様相が異なる。
小さい。茎が短い。全体的に青黒い。そして薫る。そもそも黄片の量が圧倒的に少ない。
これを少し分けてもらったので今日はその飲み比べ。
左: 倚邦古樹青餅2014年・明後
右: 倚邦の黄片
写真で見ても黄片とは思えない。
そして烏龍茶のように薫る。
『倚邦古樹青餅2014年・明後』は新芽・若葉のもつ茶気と辛味があり、茶湯の密度が細かく滑らか。
その点で『黄片』はややおっとりして辛味が少なく湯の密度が粗い。舌触りがザラッとする。味わいに深みがあり喉越しは爽快。香りは、強さにおいては新芽・若葉に軍配が上がるが、魅力はむしろ黄片のほうにある。
茶とは思えない異質な甘い香り。
黄片は茶葉の厚みがあるなどの物理的な理由や、活発な光合成による成分構成から、新芽・若葉と同じ製茶で仕上げても軽発酵のすすんだ状態になりやすい。
烏龍茶の風味に近付く。
茶湯の色が濃く出ないのも、軽発酵のややすすんだ状態で殺青されたことによる現象だと思われる。
(倚邦古樹青餅2014年・明後)
(倚邦の黄片)
葉底。黄片は厚みがあるのでゴワゴワしているが、この感触もまた軽発酵のすすんだ烏龍茶の葉底に似ている。
小葉種でないとこうはならないだろう。
青茶づくりが小葉種を選んだのではなくて、小葉種が青茶(烏龍茶)の製法を生み出したのだ。
明代に倚邦でつくられたお茶はおそらく青茶だった。圧餅して運んだから青餅と呼ぶ。
仮説であるが筋の通った話になる。
旧六代茶山はどこも山奥の辺鄙なところにある。
なぜこんな遠いところまで来たのか?
なぜこんな不便なところにお茶づくりの拠点をつくったのか?
ここに来るまでの道中には気候や土質の似た山はいくらでもあり、茶樹の自生地帯もある。
それなのになぜ、この山を選んだのか?
いつも不思議に思っていたのだけれど、今はわかる。
霊気が違う。
お茶に宿る山の霊気を昔の人は感じることができた。
高級茶は山の霊気を飲むためにある。
- 2014.05.30 Friday
- プーアール茶2014年
- 18:50
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- by ふじもと