漫撒風道青餅2015年 その3.
製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
上海は数日ずっと雨。蒸し暑い。
汗が肌から蒸発しない。
この季節になるとお茶の売れ行きが悪くなる。
天山茶城の友人の店も客が減る。
お客様のいない静かな店。
お茶を淹れる席に座って、店員の女の子に熟茶のレクチャーをしはじめたときに、バタバタ慌てた感じのお客様が入ってきた。
「お茶を淹れましょうか?」
と勧めたが、
「今日は忙しいから茶器を買ってすぐ帰る・・・。」
と遠慮された。
後から聞いたら茶葉を買う店は決めているらしい。
およそ300店舗の集まる天山茶城にはそれぞれ専門店があって、岩茶ならここ、白茶ならここ、となじみの店が決まっている。プーアール茶の店はまだ見つけていなくて、期待していない様子。
親戚に易武山のお茶マニアがいて毎年産地に行くので、わざわざ買う必要がないと言う。
4煎めになった『版納古樹熟餅2010年』をひとくち飲んでもらった。
「新しい熟茶のようだがキレイな味わいで、奥行きもある。回甜もすばらしい。」
「この透明感はなぜ?」
と聞くので、
「旬の古茶樹から採取してます。 」
と答えた。。
お客さまは旦那さんに電話をかけて「帰りは遅くなるから・・・」みたいなことを上海語で話して、席に座ってじっくり飲む構えになった。
(上海は女性が男性のように働いて稼ぐので、家事は男性がしている家庭がよくある。)
「蒸し暑いので生茶にしましょう。」
『易武古樹青餅2010年 』を淹れた。
淹れ方についていろいろ質問される。茶葉の性質の見方、茶葉の量、湯の温度、水の落とし方、などなど細かい。それをヒントにして、蓋碗で一煎ごとに淹れ方を変えてみる。その味の出方の違いを確かめるように飲む。
中国のお茶好きは味を表現する言葉を豊富に持っている。味を通していろんなことを見ている。
こういう見方ができたら生茶が面白い。
「風の吹く山の斜面の5本か6本の古茶樹からつくった今年のお茶があります。」
お客様の好奇心が騒ぐ。
「お茶づくりをする人は、その違いをどうやって見つけるのか?」
と聞くので、
「それを見つけるために今年は風道と陰涼のお茶をつくってみたのです。」
と答える。
+【漫撒風道青餅2015年】
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
この2つを淹れてみる。
蒸し暑かったせいか風のお茶が爽やか。
2gという少なめの茶葉。蓋碗を使ってちょっと温度を落とした湯でじわっと抽出した。7煎めになっても水質のキメ細かさを維持して印象が落ちない。水質に密度があることが今日わかった。
陰涼のお茶は最後の粉々になった茶葉にもかかわらずひたすら柔らかい。柔らかいのにスキっと切れの良い甘味。清らかな舌触り。滑るようなのどごし。
風のお茶がパッと陽気をするのに対して、陰涼のお茶はあくまでも静かにささやくような語り口。こちらから紹介しないまでも、お客様がそう表現した。
風のお茶を一枚お求めいただいた。
今後もお茶を買いたいからSNSで繋がりたいと言われたが、仕事の邪魔になるのでSNSはしないと答えると、とても納得されていた。
今回の2ヶ月間の上海滞在中に、勉強会や試飲会をしたいと思って、会場も探して、いくつか候補を見つけていたが、結局しないままになった。
知識も経験もバラバラなお客様を対象にすると、みんなに満足のゆく結果にならない。
お客様のレベルがバラつくと雑談が増える。
多くのお客様が茶葉よりも人に興味を持つ。
茶葉に注目できるような勉強会にしたいが、良いアイデアがない。
いろいろ課題を増やした上海滞在だった。
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
お茶の感想:
上海は数日ずっと雨。蒸し暑い。
汗が肌から蒸発しない。
この季節になるとお茶の売れ行きが悪くなる。
天山茶城の友人の店も客が減る。
お客様のいない静かな店。
お茶を淹れる席に座って、店員の女の子に熟茶のレクチャーをしはじめたときに、バタバタ慌てた感じのお客様が入ってきた。
「お茶を淹れましょうか?」
と勧めたが、
「今日は忙しいから茶器を買ってすぐ帰る・・・。」
と遠慮された。
後から聞いたら茶葉を買う店は決めているらしい。
およそ300店舗の集まる天山茶城にはそれぞれ専門店があって、岩茶ならここ、白茶ならここ、となじみの店が決まっている。プーアール茶の店はまだ見つけていなくて、期待していない様子。
親戚に易武山のお茶マニアがいて毎年産地に行くので、わざわざ買う必要がないと言う。
4煎めになった『版納古樹熟餅2010年』をひとくち飲んでもらった。
「新しい熟茶のようだがキレイな味わいで、奥行きもある。回甜もすばらしい。」
「この透明感はなぜ?」
と聞くので、
「旬の古茶樹から採取してます。 」
と答えた。。
お客さまは旦那さんに電話をかけて「帰りは遅くなるから・・・」みたいなことを上海語で話して、席に座ってじっくり飲む構えになった。
(上海は女性が男性のように働いて稼ぐので、家事は男性がしている家庭がよくある。)
「蒸し暑いので生茶にしましょう。」
『易武古樹青餅2010年 』を淹れた。
淹れ方についていろいろ質問される。茶葉の性質の見方、茶葉の量、湯の温度、水の落とし方、などなど細かい。それをヒントにして、蓋碗で一煎ごとに淹れ方を変えてみる。その味の出方の違いを確かめるように飲む。
中国のお茶好きは味を表現する言葉を豊富に持っている。味を通していろんなことを見ている。
こういう見方ができたら生茶が面白い。
「風の吹く山の斜面の5本か6本の古茶樹からつくった今年のお茶があります。」
お客様の好奇心が騒ぐ。
「お茶づくりをする人は、その違いをどうやって見つけるのか?」
と聞くので、
「それを見つけるために今年は風道と陰涼のお茶をつくってみたのです。」
と答える。
+【漫撒風道青餅2015年】
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
この2つを淹れてみる。
蒸し暑かったせいか風のお茶が爽やか。
2gという少なめの茶葉。蓋碗を使ってちょっと温度を落とした湯でじわっと抽出した。7煎めになっても水質のキメ細かさを維持して印象が落ちない。水質に密度があることが今日わかった。
陰涼のお茶は最後の粉々になった茶葉にもかかわらずひたすら柔らかい。柔らかいのにスキっと切れの良い甘味。清らかな舌触り。滑るようなのどごし。
風のお茶がパッと陽気をするのに対して、陰涼のお茶はあくまでも静かにささやくような語り口。こちらから紹介しないまでも、お客様がそう表現した。
風のお茶を一枚お求めいただいた。
今後もお茶を買いたいからSNSで繋がりたいと言われたが、仕事の邪魔になるのでSNSはしないと答えると、とても納得されていた。
今回の2ヶ月間の上海滞在中に、勉強会や試飲会をしたいと思って、会場も探して、いくつか候補を見つけていたが、結局しないままになった。
知識も経験もバラバラなお客様を対象にすると、みんなに満足のゆく結果にならない。
お客様のレベルがバラつくと雑談が増える。
多くのお客様が茶葉よりも人に興味を持つ。
茶葉に注目できるような勉強会にしたいが、良いアイデアがない。
いろいろ課題を増やした上海滞在だった。
- 2015.06.28 Sunday
- プーアール茶2015年
- 09:16
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- by ふじもと