プーアール茶.com

茶教室・京都

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その16.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶

お茶の感想:
土と水と茶葉と。
交信している。
ツヤツヤの水は熱いのに冷たいような不思議な感触。
今日は紅茶で試す。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
チェコ土のマルちゃんの茶器が手放せなくなった。
西双版納に連れてゆこうと思う。割ってしまうのは怖いけれど、割れても欠片を部屋に置くだけで安心できる気がする。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
お茶を飲むことで、水や土となにかを交信している。

上海の事務所の後片付け中。
老茶の資料はもう自分には要らない。
本を書いた人よりもずっと真実がわかっている。
老茶の本
上海の茶室に寄贈するつもり。
後片付けがトントンとすすんでゆく。
8月4日に上海から西双版納に移動。
8月末に事務所を閉める。
自分はもう戻らないで西双版納で秋の準備をする。
サヨナラ上海。

倚邦単樹春の散茶2015年 その2.

製造 : 2015年03月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山中葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海ステンレス茶缶
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗
倚邦単樹春の散茶2015年
倚邦単樹春の散茶2015年

お茶の感想:
台湾の”高山茶”が上手な宣伝によって人気が出て、海抜の高いところほど上等なお茶ができる印象があるのか、西双版納のお茶にもそれを求めようとする声を聞く。しかし、”高山”はどの山にも通じる良さではない。
西双版納のお茶は海抜1300メートルから1700メートルくらいまでが良くて、それ以上になると風味が痩せる。単調になる。
これは茶樹の品種特性が関係している。
西双版納の原生品種は基本的に寒さに弱い。
海抜1800メートルを超えると気候が変わって冷たい風に晒される。昼夜の気温差が大きくなる。太陽の紫外線が強くなる。
原生品種にとっては気持よく生きられる環境ではなくなる。
周囲の森林が濃く深く、湿度・気温が一定に保たれた温暖な環境に気持ちよく育つ品種。
そこに生きる植物たち動物たち細菌たちとも共生の関係を築いて生きていることだろう。
そんな生態環境が西双版納の海抜1300メートルから1700メートルにできやすいというだけで、場所によっては例外もあるから、海抜何メートルという数字で茶の質の善し悪しが決められるものではない。
茶樹が気持よく生きているかどうかは、お茶の味や飲んだ後の体感に現れる。
その差は飲み比べたら誰にでも分かる。
気持よく育った茶樹のお茶は、飲んでも気持ち良い。
今日はこのお茶。
『倚邦単樹春の散茶2015年』。
生茶のプーアール茶という製法が生まれたとされる400年くらい昔の西双版納の貢茶創成期に、北の地方からの改良品種(おそらく烏龍茶の品種)を持って来たと思われる小葉種の茶樹が今も生き続けている。
なぜこの品種で烏龍茶をつくることにならなかったのか?
なぜ晒青毛茶(天日干しで仕上げる緑茶)を蒸して圧延する”青餅”というお茶が完成したのか?
ずっと不思議に思っていたが、今、森の環境に適応した品種のことを書いて、ふと閃いた。
先祖返りしたのじゃないだろうか。
茶樹の故郷である西双版納からラオスやミャンマーにかけての森から、種や苗が運ばれて、長い長い年月をかけて世代交代しながら、それぞれの地方の土質や気候や生態環境に適応した品種特性が形成されて、バラエティー豊かになっていった。
とすると逆もあるよな・・・。
茶樹が故郷の森に帰る。
たぶん台湾の高山茶も種を持ってきて蒔いておいて何世代かしたら、森のお茶になっていることだろう。
倚邦単樹春の散茶2015年
倚邦単樹春の散茶2015年
マルちゃんの茶碗と上海の坊
マルちゃんの茶碗と上海の坊
良いお茶とはどんなお茶か。
売り手がそれを説明するとき、あるいは、買い手がそれを解釈するときに、わかりやすさに逃げる。
これは人間の弱みだと思う。
お茶づくりの現場、流通、消費の過程で、人間の弱みについて考えてみる機会がある。
倚邦単樹春の散茶2015年

一扇磨単樹B春の散茶2015年 その3.

製造 : 2015年03月20日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)一扇磨
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : チェコ土の片口と湯飲み

お茶の感想:
朝一番はこのお茶。
『一扇磨単樹B春の散茶2015年』。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
片口は湯が冷めるのが早いので、ぬるいお茶が飲める。
一煎めはしっかり熱い湯で抽出して、それ以降は片口に茶湯を残したまま熱湯を足してゆく。
つづけて湯を足して足して午前中いっぱいくらい飲めるが、出勤する人は保温ポットに入れ替えて持って行くと良いだろう。
ちょっと濃くして苦いくらいが、夏の暑いときに涼しい。
生茶の新しいのは新鮮な風味があって、これを朝に飲むと爽やかで、朝の光の輝きが増すように見える。
眼の光への反応が変わる。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
一扇磨単樹B春の散茶2015年
朝のボーっとした頭のまま、湯の中で茶葉が開いてゆくのを眺める。
茶葉がじわじわ開いてゆくように、吸う息ごとに背骨の骨と骨の隙間がじわじわと開いていって、吐く息ごとに大きな伸びを感じる。
お茶ヨガ。
お茶の酔いが回ってきたら身体じゅうに血が巡ってキビキビ動けるようになる。
自然とお腹が減ってくる。
食べたいから食べる。食べておかなければならない朝食ではない。
今日もパン。
上海のパン
オーガニック小麦。
しっかり発酵した酸っぱいやつだから、防腐剤が入っていなくても2日くらいはぜんぜん大丈夫。

氷や冷蔵庫で冷やした茶は飲まない。身体に悪い。
この仕事をはじめて10年以上経って、冷たい飲み物が身体に悪いということを体感してわかって、 「冷たいお茶は身体に悪いです」と、日本で冷たい飲み物を常に飲んでいる人達に言う。
「うるさいな他人の好みだから放っとけ」と思っているだろう。
あなたのお腹の中の微生物たちのことを心配しているのであって、あなたのことはどうでもよいのですけど。

7581荷香茶磚97年 その6.

製造 : 1997年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶景谷茶区
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司 昆明茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : チェコ土の片口と湯のみ
7581荷香茶磚97年
7581荷香茶磚97年

お茶の感想:
昨日と同じように、チェコ土の片口でこのお茶。
『7581荷香茶磚97年』。
湯の温度が高く保てないので、いつもの赤い茶湯の色が出ない。
7581荷香茶磚97年
はじめに器を温めて、ちょっと多めに熱い湯を注いだが、それでも味がぼやけてしまう。
成長した大きな茶葉はこれでは無理。
1980年代の熟茶にはまだ生活のお茶としての機能性が残っていて、ヤカンで煮出すような飲み方が標準になっている。
大きな茶葉でつくられるお茶、”昆明茶廠”の製品にはそういうのが多かった。
7581荷香茶磚97年
現在は、新芽・若葉のお茶が主流になっている。
明代の頃から流行しだした”泡茶”は、新芽・若葉を煮やさないようにエキスを抽出するのに適した道具。小さな茶壺や蓋碗がそれ。
この道具が普及している現在は、熟茶も新芽・若葉の構成が主流になっている。

お茶を売る現場では、わかりやすい説明を求められる。
けれど、わかりやすい説明はむしろその裏に企みがあると疑ったほうが良いかもしれない。
情報の出処と経済との因果関係を考えてみる必要がある。
わかりやすい説明でスッキリした気分になれるのは、自分で感じて考えて解釈するという面倒なプロセスを省略できるからだろう。
わかりやすい言葉に固めた知識。
固めたまま他人にも伝えやすい知識。
自分で試したり感じたり疑ってみたりということをしなくても済む知識。
別の可能性や例外について探る必要のない知識。
楽なのだ。
しかし、失うものも大きい。
ほんとうに理解するチャンスを逃す。
感じたり考えたり疑ってみたりをしないほうが都合の良い人々。
人類の退化がつづいている。
上海のパン
上海のパン
上海のBAKER&SPICEの『全酸麦面包』をオリーブ油と黒酢で食べる。

版納古樹熟餅2010年 その28.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : チェコ土の片口と湯のみ
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの片口
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
上海の夏。
蒸し暑すぎてエアコンして眠るので手足が冷える。
目覚めに暖かいお茶で汗をかく。
チェコ土の器は土のような熟茶と相性バッチリ。
【版納古樹熟餅2010年】
片口は湯の高温が保てないので、茶葉を煮やさない。
微生物発酵の黒茶は一般的には高温で淹れることになっているが、それは昔の黒茶は大きく育った茶葉が主体だったから。
現在の黒茶、とくにプーアール熟茶は新芽・若葉が多く使われるので煮えやすい。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
マルちゃんの器で飲むお茶
マルちゃんの器で飲むお茶
暑い夏に身体を温める熟茶は、ときによって有効。
飲んで汗をかいて熱を逃したら、その後に涼しさを感じる。

版納古樹熟餅2010年 その27.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : アルミ茶缶
茶水 : 京都の地下水 
茶器 : チェコ土の茶碗
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
熟茶を煮やさないようサラッと淹れると、暑い夏でもサラッとした口感のお茶になる。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

日本の窯元でつくる熟成壺はもうあと少し。
熟成壺
熟成壺
3年かかっている。

倚邦古樹青餅2014年 その5.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : アルミ茶缶
茶水 : 京都の地下水 
茶器 : チェコ土の茶碗
倚邦古樹青餅2014年
倚邦古樹青餅2014年

お茶の感想:
森林礼賛のお茶。
+【倚邦古樹青餅2014年】
倚邦古樹青餅2014年
倚邦古樹青餅2014年
倚邦古樹青餅2014年
土の性質のせいか、厚みのある器に熱を奪われるせいか、香りが立たない。
隠れている香りが、杯の底に残っていたり、吐く息に香ったりする。
そういう奥ゆかしさを楽しむ。
+【版納古樹熟餅2010年】
倚邦古樹青餅2014年
倚邦古樹青餅2014年
熟茶も同じ。

弯弓古樹青餅2014年 その5.

製造 : 2014年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶崩し
保存 : アルミ茶缶密封
茶水 : 京都の地下水 
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の白磁の杯
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年

お茶の感想:
およそ200年間も手付かずだった森の環境が崩れてゆく。
森は人が守れるものではない。
お茶づくりで森が守れるなんて大間違い。
人の知恵でコントロールしようとするほどダメになる。
茶葉の需要があるかぎり森は後退をつづける。
100年先か200年先か、人が森に入らなくなったらまた復活する。
今日のお茶。
+【弯弓古樹青餅2014年】
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年
茶杯は清代の景徳鎮。
茶托は錫で同時代の中国のもの。
茶盤はヒバで水野さんの加工。
茶壺はチェコの土でマルちゃんの作。
お茶は漫撒山弯弓の森。

祈享易武青餅2014年 その6.

製造 : 2014年04月02日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 上海 紙包+竹皮+紙箱
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
祈享易武青餅2014年

お茶の感想:
単樹のお茶、風道のお茶、陰涼のお茶、これらはお菓子もお喋りも無いほうがよい。
静かに味わう。
黙って、茶葉を観察したり、注がれる水の音を聞いたり、淹れる人の呼吸を感じたり、道具や茶器を見て味わったり、部屋の空気や光に気配を感じたり。
お茶の静かな酔いに身を任せる。
甘いお菓子やお喋りのお供にするお茶は安いお茶で十分。
安いお茶は酔い感が騒がしいから、にぎやかにしたいときにピッタリ。
糖分でエネルギーを入れて発散したくなる身体。
なにかもっと興奮を求めて、静かにしたくない気分。
病気だろ。
今日のお茶。
+【祈享易武青餅2014年】
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
上海で今年の2015年の春の新作を飲む機会があった。
作者は今年のほうが良いと言うけれど、ちょっと雨の味がしていた。春の天気が影響している。
今日2014年のを改めて飲んでみると、やはり乾いた空気の軽快な風味。
製茶時の湿度も気温も比較的低かったことだろう。晒青毛茶が圧延されるまでの1ヶ月間は雨の少ない乾いた空気の中で保存されただろう。
2014年のは茶気が強いので晴れた日に飲めばよい。
2015年のは茶気が穏やかなので雨の日に飲めばよい。

下関銷法沱茶90年代 その6.

製造 : 1998年頃
茶葉 : 雲南省臨滄茶区大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 下関茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包みのまま
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
下関銷法沱茶90年代
下関銷法沱茶90年代

お茶の感想:
プーアール茶は老茶と新茶にファンが2つに分かれる。
老茶ファンは老茶だけを追いかけて、新しいお茶には見向きもしない。
老茶と新茶の中間にあたる1990年ごろから2006年頃まで、生茶はとくにひどい低品質なものが流通した。
前後でまったく別モノのようなお茶になったから、ファンが続かなかった。
熟茶はその点でグラデーションな変化になっている。
微生物発酵の渥堆発酵技術は大量生産向きなので、近年の市場規模の拡大についてゆけたのだろう。
1998年頃の国営時代の下関茶廠の定番。
+【下関銷法沱茶90年代】
下関銷法沱茶90年代
”銷法”(フランスに売り出す)は、産業発展夜明け前の中国が、外貨を稼ぐためのお茶として輸出用に生産したことを意味している。
マルちゃんの器
マルちゃんの器
マルちゃんの器


茶想

試飲の記録です。
プーアール茶.com

・キーワード検索

通信講座

開催中
+【通信講座】

・カレンダー

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2015 >>

・表示されている記事

・お茶と年代のカテゴリー

・記録

Instagram

お茶の歴史
お茶の歴史 (JUGEMレビュー »)
ヴィクター・H・メア,アーリン・ホー

・サイトリンク

・プロフィール

 

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM