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茶教室・京都

易武単樹青餅2014年・秋天 その3.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山老街古茶樹の単樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口と湯飲み
真鍮のヤカン
易武単樹青餅2014年・秋天プーアル茶
易武単樹青餅2014年・秋天プーアル茶

お茶の感想:
今日はこのお茶。
+【易武単樹青餅2014年・秋天】
易武単樹青餅2014年・秋天プーアル茶
今日から集中的に秋摘みのお茶を飲むことにする。
秋の空気。
秋の身体。
秋の茶葉。
秋のものを食べる。
秋の山を歩く。
秋の茶葉に触れる。
秋をどう理解してよいのかわからなかったが、今はわかる。
栗

マルちゃんの器の手入れは、洗うだけではいけない。
再度熱い湯を注いで、しばらくしてから捨てて、その熱で器の温度を上げて水を蒸発させる。陶器の荒い肌の細かな隙間という隙間に入り込んだ水を熱で追い出す。こうしないと長時間乾かないので、細菌が発生してニオイの原因となったりする。
マルちゃんの茶碗

漫撒古樹青餅2013年・緑印 その13.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山瑶洞古茶樹春茶
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口・茶碗
緑印プーアル茶

お茶の感想:
森のお茶を飲むとその景色が想像できる。
行ったことも見たこともないのに、なんとなく分かる気がする。
身体という自分にある野生が、原始の森を知っている。
想像しようと頑張らなくても、身体が勝手に思い出してくれる。
風の道の茶葉に風が記録されていたように、森の茶葉には森が記録されている。
茶葉のミクロの繊維が風や森を物理的に記録している。
我々の身体もミクロの組織のどこかに物理的になにかを記録しているだろう。
先祖の経験した森を知らないわけがない。
今日はこのお茶。
+【漫撒古樹青餅2013年・緑印】
久しぶりに注文があり、手元のサンプルを飲んでみる。
緑印プーアル茶
緑印プーアール茶
しみじみ美味しい。
ずーっとこのまま飲んでいたくなる。
手足の指先が暖かくなってジンジンして、ゆったり湯上がりのような酔い心地が身体をめぐる。
何かに例えたくなる香りがあるわけでもなく、わかりやすい濃い味があるわけでもない。
自分の中のなにかが揺れて、すべて流れてゆく。消えてゆく。見えないチカラに圧倒される。
典型的な西双版納の森のお茶。
西双版納に居て、中国の全国各地から来る小売店や卸売の人の茶葉の買い付けを傍らで見ているが、こういうお茶は難しい。多くの人がわかりやすさを求める。お客様にもわかりやすいから売りやすい。
何度飲んでも飲み飽きしないお茶はわかりにくい。言いようのない魅力。
緑印プーアール茶
体感の心地よさ、その上質を短時間のティスティングで見分けるのは難しい。
このお茶を試飲して、それに気付かない人もたくさん見てきた。
出会わない人は出会わない。
出会わない時には出会わない。

竹皮には抗菌作用があると言われるが、それは無菌状態だからではない。殺菌効果のある毒素があるからでもない。
竹皮の大好きな乳酸菌が、まだ水分のある一時期に住み着いて繁殖したときに酵素(天然の抗生物質)がつくられている。それが竹皮の表面に残っているので、他の雑菌を寄せ付けない。
竹皮
(白い粉を吹いたようなのが乳酸菌のつくった成分)
竹皮に包まれた餅茶は、不測の事態でもしも水が掛かるようなことがあっても、水分を得た竹皮に乳酸菌が再度繁殖して、さらなる抗菌効果を発揮して、雑菌から守られるだろう。
ある大手メーカーが、「竹皮は細菌だらけで不衛生」と宣伝して、クラフト紙包みにした自社製品をアピールしたことがあった。
さすがに大手メーカーのヘンな理屈は通らなかった。
消費者の知らないことを利用して、経済性や合理性を専門家を雇って説得して、自分に有利な商売をしようとしたが、お茶ファンには通用しなかった。

紅河秋天晒青茶2014年 その2.

製造 : 2014年10月
茶葉 : 雲南省紅河州古茶樹
茶廠 : 哈尼族(ハニ族)の農家+漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口

お茶の感想:
片口淹れのお茶。
とくに散茶の生茶はいける。
マルちゃんの片口
この土、この焼き具合、この大きさ、この形状、いろいろ関係するので、この片口にかぎっては良いということになるかもしれない。
真鍮のヤカン。
真鍮のヤカン
毎日何度も湯を沸かしているので、使い始めて1ヶ月で燻し色がかかってきた。
他の銅のヤカンに比べて厚みがあるので重い。
電熱器の大きさがちょうどこのヤカンの直径にピッタリで熱効率も良い。
このヤカンで沸かす湯は水質がキメ細かで、飲むと甘い。
お茶はまろやかになるが、輪郭をボヤケさせることなくキリッとしている。
プーアール茶
今日はこのお茶。
【紅河秋天晒青茶2014年】
以前ちょっと気になっていた紅河州のお茶。
香りは甘くて爽やか。
味は滋味豊かな余韻も良い。
”消えの早さ”についてもなかなか良い。
喉の通りはスムーズ。
育ちの良さが伺える。
理屈で説明できる良さは満たしても、でも、なにか魅力に欠ける。
どこがどうと説明できない。
紅河州のお茶は安いのでよく売れるだろう。
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶
お客様は喜ぶだろう。
けれどリピート購入はされないだろう。
これまでの経験でそのくらいのことはわかる。
魅力に欠ける。

竹皮包み完了。
版納古樹熟餅2010年
+【版納古樹熟餅2010年】
現代熟茶の最高峰である。
このお茶のもともとの竹皮がしょぼいので、1筒7枚組の注文があった時に新しく包み直している。
今回は、いつもの漫撒山の工房が竹皮の素材を切らしていた。竹皮は冬の乾季に採集されたものでないと虫が齧る。在庫がなければ次の冬を待つしかない。

漫撒山の職人が、「弟分が景洪市の小さな茶廠でやっているから・・・」と紹介してくれたので、早速行ってきた。
竹皮(正確には筍の皮)を濡らして柔らかくしてから餅茶を包む。
このため水分がある。湿気が茶葉の中にも浸透するだろう。
ここでちょっと熟成がすすむ。
天日干しによる遠赤外線はグッと内側から温度を上げる。これによって外気と茶葉の温度差ができて、陰干しするときにやや熱のある餅茶が内側の水分を吐き出しやすくなる。
機械乾燥では、はじめは外側が暖かい空気で、餅茶の内側が冷たい空気になり、この温度差により水分が餅茶の内側へ入り込みやすくなる。水分を溜めたままじわじわ温度が上がる。乾燥室の餅茶に独特のモヤっとした香りがあるのはそのせいだと思う。
餅茶を乾燥させる工程も同じで、やはり天日干しが良い。

漫撒陰涼紅茶2015年 その4.

製造 : 2015年03月22日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨古茶樹
茶廠 : プーアール茶ドットコム
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口と湯飲み
マルちゃんの片口
マルちゃんの片口と湯飲み

お茶の感想:
お客様からコメントいくつか。
老茶の枯れた味と、マイルスディビスのトランペットの枯れた音。
雨の日のお茶と、雨の日の音楽のセレクト。
熟成の茶葉と、大学の校庭にあった広葉樹の落ち葉の香り。
ゆっくり湯を沸かして丁寧に淹れるお茶と、量子物理学と人の精神。
茶葉が採取された森の呼吸と、お茶を飲むときの呼吸。
静かな観点。
お茶を売る側は、安易にわかりやすい価値に訴えかけやすい。ダイエットや健康の栄養価値、毎日一回あたりのコストパフォーマンス、他の地域のお茶との価格競争力、産地や製法における希少性、無農薬・無肥料などの栽培条件、有名茶山・有名職人・有名メーカー・・・。
やかましい観点。
たしかにそれはモノを買う動機になるけれど、そこに注目されたお茶はかわいそう。
伝えにくい価値こそ大事。
定量化しにくかったり、みんなと共有できなかったりするところ。
お茶づくりの現場においても同じことがある。
わかりやすい価値をつくろうと作為的になったり、わかるところだけを重視して生産効率を追求したり。
茶葉の乱獲は、茶樹を痛めていると同時に人間も傷めている。
製茶のときの機械の嫌な音は、茶葉に形状記録されて、お茶の湯に再現される。
気持ち良く飲めるお茶は、気持よく育ったお茶、気持ちよくつくられたお茶。
だから人の心に作用する。
こんなことを追求するとお茶は高くなる。売れにくくなる。
多くの業者が安いお茶をつくろとして過剰生産になって、大量在庫となっている。
中間流通にも在庫が大量にある。業者が損失を確定したくないために倉庫いっぱいにかかえている。
安くてお得な茶葉が魅力的に広告宣伝されてたくさん売られるが、そんなお茶は1回か2回で気持よく飲めないことがバレて、消費者の手元で在庫となって、いつか捨てられる。
こんなことしていたらバチが当たる。
心の作用を安く見た代償。
今日はこのお茶。
+【漫撒陰涼紅餅2015年】
漫撒陰涼紅茶2015年

漫撒陰涼紅茶2015年 その3.

製造 : 2015年03月22日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨古茶樹
茶廠 : プーアール茶ドットコム
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗・清代末期の茶杯
漫撒陰涼紅茶2015年
漫撒陰涼紅茶2015年
清代の茶杯

お茶の感想:
過去100年くらいお茶は価値を下げてきたと思う。
人が一生のうちに、茶葉にかけるお金、道具にかけるお金、お茶を飲む時間にかけるお金。
クルマ・ガソリン・電子機器・通話料・電気代・学費・海外旅行・・100年前にはなかった消費がいろいろ増えている。
趣味にハマったごく少数の人以外は、給料の一部をお茶に回すなんて考えもしないだろう。
お茶の価値が絶頂期にあった時代はそうじゃなかったはず。良い茶葉やよい道具は「女房を質に入れてでも手に入れろ!」くらいではないかと、古典落語を聞いたり、古い道具を眺めてたりして想像してみる。
今日はこのお茶。
+【漫撒陰涼紅餅2015年】
漫撒陰涼紅茶2015年
清代末期くらいの景徳鎮の茶杯。江戸末期から明治にかけての日本の商人が煎茶用に景徳鎮にオーダーしていたらしい。
手に取るとハッとするほど軽い。薄い作りと土質と焼しめ具合のせいか、杯の真ん中に雫を落とすとキン!と金属音が響く。
一見ヘタウマ的な図柄だが動きがある。古美術屋さんにあったが、そんなに高価ではない。現代作家の景徳鎮のほうが下手で高い。
これからもお茶は価値を落としてゆく。
生産者は悪知恵を働かして、消費者の感性は堕落してゆく。
漫撒陰涼紅茶2015年
漫撒陰涼紅茶2015年
お茶の道具は日常使うにしては上等すぎたからこそ美の世界が大衆の生活に入り込めた。
週末の博物館や美術館にわざわざ行かなくても、お茶の間に毎日それらが存在していた。
「クルマを買うお金で茶葉や道具を買ってください」。

漫撒風道青餅2015年 その4.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗

お茶の感想:
上海から西双版納(シーサンパンナ)に移動。
緑の山々に包まれる。
飛行機を降りたとたんに青い空と湧き上がる白い雲。
遠くの山には黒い雲が降りて雨を落している。風が湿った緑の息を運んでくる。
今回は上海のスタッフ親子に10日間の夏休みをプレゼントした。
上海の坊
上海のスタッフには8月末で仕事を辞めてもらう。
10年間手伝ってもらった。本人の意志もあるのでちょうど良かった。
西双版納の山と仕事場を一度見てもらって、スタッフの将来になにか役立つことを願う。
上海の坊は5歳の夏休み。
無駄にフルパワーで動きまわる。
叔叔は疲れた。
10日間の嵐が去った静かな午後にこのお茶。
+【漫撒風道青餅2015年】
7枚のはずだったが、西双版納に帰ったらもう一筒6枚が残っていた。
在庫数の記録が間違っていた。
プーアル生茶
もしかしたら長期熟成のために残していたのかもしれない。
マルちゃんの片口
漫撒風道青餅2015年
上海の拠点が8月末になくなってお茶づくりのことだけを考えるようになる。

漫撒陰涼紅茶2015年 その2.

製造 : 2015年03月22日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨古茶樹
茶廠 : プーアール茶ドットコム
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの紫砂壺
漫撒陰涼紅茶2015年

お茶の感想:
ある人は茶葉を売る仕事なんてしょーもないと思っている。態度には出さなくても心の隅で、こんなのは自分の人生ではないと思っている。
そんな人が茶葉を売ったら価値が下がる。
逆もある。
茶葉を売る仕事は素晴らしい仕事だと思っている。これをするために自分は生まれてきたと思っている。そんな気持ちで仕事をする人が売った茶葉は、価値を超えて人生を豊かにする。
同じ茶葉なのに、同じ価格なのに、結果は違う。
だから上海の拠点をなくしたい。
これからは他人にお茶を売らせない。
漫撒陰涼紅茶2015年
今日はこのお茶。
+【漫撒陰涼紅茶2015年】
漫撒陰涼紅茶2015年
今朝、空港へ行ったら、オーバーブッキングで飛行機の席がひとつもなくて、乗れなくなった。軍事訓練が影響しているらしい。
航空会社の係員は親切で、いくつかの代替案を提案してくれて、明日の席をファーストクラスにして、空港までの交通費を負担してもらうことで合意した。
スケジュールが合わなくて、今回の滞在中に会えなかった茶友に会える。
上海最後の晩餐をもう一度楽しめる。

版納古樹熟餅2010年 その29.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と清代末期の景徳鎮

お茶の感想:
お茶の味、口感(口当たり)、体感のつながり。
この数日、気温・湿度ともに夏のピークに達した上海で、チェコ土の茶器を選んだのは、なんとなく身体が求めていたからだと思う。
まろやかで涼しい口感。静かな味の現れ方。
茶器を選ぶと体感が変わる。
試しに年代モノの景徳鎮で飲んでみた。
【版納古樹熟餅2010年】
版納古樹熟餅2010年
清代末期の景徳鎮
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
縁のカーブに特徴がある。
上の唇が当たり、茶湯で濡れてツルッと滑る。パッと開く香気。辛いと感じるほど輪郭のはっきりした味の現れ方。
景徳鎮は情熱的で、今はちょっと暑苦しい。
お茶の味だけではない。
水にもいろんな印象がある。甘い水、辛い水、元気な水、静かな水、浮いた水、沈んだ水、細かい水、粗い水、丸い水、角い水。
版納古樹熟餅とマルちゃんの湯飲み
地球の星の水と土と。
自分の身体と。
お茶を飲むときにすべてが調和する。
お茶を美味しく淹れようとするとき、お茶を美味しく飲もうとするとき、お茶から栄養をもらおうとするとき、頭で考えるひとつやふたつの目的にとらわれず、物質のすべてと調和することを意識しましょう。
お茶ヨガ。

1

茶想

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