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茶教室・京都

易武単樹青餅2014年・秋天 その4.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山老街古茶樹の単樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包密封
茶水 : タイ・チェンマイの水道の濾過・瓶入れ
茶器 : 白磁の蓋碗小
アンティークショップ
ラオスの織物
タイシルク
タイシルク
タイの織物カレン族

お茶の感想:
タイに来ている。
北部のチェンマイとチェンコーンとなじみの場所で、ヨガしたり、お茶したり、酒盛りしたり、読書したり、昼寝したり。
今回のメインは、タイ・ラオス・ミャンマー・ベトナム・雲南のつながった山岳地帯の少数民族のアンティークの織物とアクセサリー素材の調達。
アンティークと言ってもせいぜい10年前から数十年前のものだが、近年になってこれらが失われゆくのを目の当たりにしているので、ちょっと急いでいる。
2004年にプーアール茶の老茶(1980年代以前の)を集めた時と同じような状況。
自然素材。色合いや模様のデザイン。織り縫いの手の仕事。
こういうのを受け継ぐのが難しくなったのは、山の人々の生活が変化したから。山奥の村に電線が引かれて、家でテレビを見て、携帯電話を操り、バイクやクルマを買ったり、子どもに畑仕事を手伝わさないで学校に行かせたり。
経済社会への参加がはじまり、移住生活から定住生活へと変化する。
山は地球のもの。
みんなのものだったのが、区画整理されて、国が勝手に所有なる概念をもってきて取り上げる。
電気による明かりの無いところで育った山の人々の眼。
その眼の感性で美しいと感じる光や色彩やデザイン。山の霊感を織り込む仕事がなくなってゆく。
現在市場で売られている手作りの土産物の品々には化学繊維や化学染料の使ったものが多くなり、色彩や模様は「私を見て!」とアピールの強いものになっている。
手の仕事に家族や仕事への愛情のあったものが、お金を得るための労働になって、細部のつくりが粗くなっている。
時間をかけて手間をかけてモノをつくる意味はもうない。
ラオスの織物布団
ラオスの織物帯
タイの織物
タイシルク
タイシルク
ミャンマー織物
ミャンマーの織物
昔の人の感覚の色合いや模様。素材の質感。これらには我々がまだ認識できていない言語が記録されている。山の霊や宇宙の意志と交信する言葉。
お茶と同じで、頭では理解できないかもしれないが、身体の内側にある自然がなにかを感じ取り、勝手に交信するはずだと思う。
われわれは、これがないと生きてゆけない。

ところで、
チェンマイで静かな隠れ家のような茶館を見つけた。
そこを借りてお茶した。
+【易武単樹青餅2014年・秋天】
易武単樹青餅2014年・秋天
易武単樹青餅2014年・秋天
易武単樹青餅2014年・秋天
茶気の穏やかな秋のお茶。
心が浮き上がるような春に対して、沈んで心地よく眠りたくなるような秋の生茶。
茶館のオーナーの女性に、
「チェンマイにはお茶の愛好家は何人くらいいるのですか?」と聞いてみた。
上質なお茶にお金を掛ける人はいるのですか?
定期的にここに来て、お茶を販売するほどの需要はあるでしょうか?
と、そんな意味の質問だったが、
「3人か4人かな。」
と即答された・・・。
チェンマイ雨バナナの葉
お寺の仏様
チェンマイのカフェ
お寺の門の彫刻
手作り石鹸
チェンマイの雨
夜の市場
チェンマイの川
チェンマイの夜
The North GateのJAZZよかった。

チェンコーンでは、やっぱり川を見ている。
メコン川
メコン川
メコン川
メコン川
メコン川
小鳥

南糯山秋天散茶2013年 その1.

製造 : 2013年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山Y口老寨
茶廠 : 農家
工程 : 生茶プーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの片口と湯飲み
南糯山
苦果
スネークヘッド
南糯山白酒蒸留
南糯山白酒蒸留

茶の感想:
「秋のお茶を淹れるのが難しい」とコメントをいただいた。
新しい生茶のプーアール茶のこと。
おそらくそれは、淹れ方の問題ではなく、つくり方の問題だと思う。
問題は産地にある。
秋の茶葉の独自の魅力を無視したお茶をつくっていると思う。
生茶は春が上等。
秋は春ほど薫らない・水質がキメ細かくない・味が華やかでない・茶気が爽やかでない・・・などなど。
春と比べるからそうなる。
昨年の秋に出品した4種。
『倚邦古樹青餅2014年・秋天』
『易武荒野青餅2014年・秋天』
『漫撒三家青餅2014年・秋天』
『易武単樹青餅2014年・秋天』
”易武単樹”以外は、易武山の工房に農家が売りに来た毛茶(原料となる天日干し緑茶)から良いのを選んで圧餅加工した。この方法は、山を巡って農地を見て茶樹を選んで目の前で茶摘みをしてもらうよりも、何十軒もの農家の毛茶を比較して選べるので、良い素材に出会う確率が高いだろう・・・と考えたのだったがハズレた。
どんぐりの背くらべの中からましなのを選んだだけで、春のお茶に引けを取らない秋のお茶は無かった。
根本的になにかが間違っている。
今日のお茶。
『南糯山秋天散茶2013年』。
南糯山秋天散茶2013年
こう推測してみた。
春の魅力は新芽・若葉に宿る。
秋の魅力は大きく成長した成葉・茎に宿る。
茶葉の成長度によって宿る内容成分は異なる。
秋ならではの魅力を求めるには、しっかり茶葉が成長するのを待ってから茶摘みをしたほうがよい。
茎は長いし太いし、繊維は硬いし。揉捻しても捩れずに開いたままの姿になる。見た目が悪くて売り物にならない。
春と比べるからそうなる。
新芽・若葉を摘み取らずに1週間ほど待つよう農家にお願いしても、うまくゆかない。
他人と異なることをして損をしたくないから、農家はみんなと同じ仕事しかしたがらない。

大きく成長した成葉・茎を重視したお茶づくりは、他の地域では行われている。
新しいことではない。近年の西双版納ではしていないだけで、昔はそういう茶葉のお茶もあった。生活の黒茶がそうだったし、漬物の茶(食べる茶葉)もそうだった。
秋の茶葉の魅力を発掘する仕事はこれから。

ダイ族バナナ包み焼き
春肉
豚脳バナナの葉包み焼き
バナナの花バナナの葉包み焼き
涼片
もち米
上海からグルメの友人が来て4日間美味いものを食べた。
9月のはじめ。
このタイミングしかないもの。
山の幸、田んぼの幸、村の幸。
ダイ族料理
ダイ族料理
ダイ族料理
猪顔
ダイ族料理
9月になったとたん西双版納の天気が崩れた。秋のはじまりの長い雨。ザーッと降ってサッと止んでカラッと青空になる8月とは違う空気。雲が空に低く広がる。冷たいく細い雨が夜に降る。
このためキノコ類がいっきに減った。豆やイモ類は甘味が増した。瓜や青菜は苦味が増した。田んぼの用水路で捕れる小魚類が増えた。
季節の食材は今の季節を生きるために自らの身体の成分を調整している。
自分の身体もまた、秋の身体をつくるために季節のものを求めている。
秋の魅力をお茶に求めるのは、自分自身が秋の身体、秋の心になってゆくということ。
棘の草
ダイ族料理

1

茶想

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