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茶教室・京都

多依樹春の散茶2016年 その1.

製造 : 2016年04月7日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)多依樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マルちゃんの小さめの茶壺
多依樹春の散茶2016年

お茶の感想:
今年の春のお茶の中では一番高価なお茶。
『多依樹古樹春の散茶2016年』。
もともと1800gしかないのを、北京の茶友から360g分けてもらった。
このお茶はサンプル価値があるから、少量で十分。
漫撒山でトップクラスの”高幹”のお茶。
高幹とは、幹の部分の枝別れが少なくて、スラッと一本の幹がまっすぐ上に伸びている状態。
これは人がほとんど采茶しないで育ったことによるもの。
少なすぎるので、一般には流通しない。
多依樹春の散茶2016年
自然を尊重するあまり、人間を嫌う。
この価値観は時代の流れ。
高級茶は今、徹底的に人間の管理を嫌う方向へと向かっている。
”多依樹”は地名だが、漫撒山の弯弓のエリアにある。現在は国有林となって原生林の深い森に囲まれているが、明代から清代の貢茶の時代に、誰かが茶樹を栽培していた形跡が残っている。古樹はそのまま生きつづけている。
バイクと徒歩で片道3時間はかかる。
”高幹”の古茶樹は樹高10メートルを超える、木登り名人を集めて茶摘みを行う。
漫撒山の高幹はとびきり美味しい。爽やかさ、清らかさ、そして嫌味の無さ。煮出してもまったく嫌味が出ないどころか、香気・茶気に独特の気高さがある。
この味を知れば、やはり人間から離れたほどお茶の味は良いと思える。
茶葉を煮だす
徒歩で3時間かかる道を、草を刈って整地してバイクで行けるようにする。
森の奥深くに人知れず育つから高幹になっている茶樹。これを発掘する。
最初のお茶はマニアたちの憧れの的となる。
もっと奥地に、人知れず育つ高幹を求めて、山道がつくられてゆく。
ここまではよい。
しかし、人気が出るとニセモノや粗悪品の出てくるのが中国市場。
ホンモノをつくっている農家でさえ、自ら偽物をつくって儲けようとする。
国有林の森に植樹してはいけないことになっているが、国の管理は山奥まで届かない。
森が切り開かれて、新しい苗が植えられる。
山奥のことなので、この新しい茶樹が”古樹”とか”高幹”と偽られても、現地を見て確認できなければ騙されやすい。
森はたちまち新しい茶樹でいっぱいになる。
本来は原生林の森だったところが、人の管理する森となる。生体環境が変わってお茶の味も変わる。
ホンモノの森の古茶樹も、ホンモノの味ではなくなる。
山に道がつくられる
山に道がつくられる
ニセモノをつくるためにホンモノを失う。
農家は、国有林の森のお茶の採取の権利を持っている。
この権利を転売するのが流行している。
一年から数年、採取の権利を茶商人に販売する。
多依樹のこのお茶は、河南省の茶商が権利を買ってつくったもの。
漫撒山一帯で採取の権利を売るのが流行って、自分にもいろんな農家から声がかかった。農家としては価格の良い今のうちに何年分かの権利を売ることで、収入を安定させる狙いがある。
権利が売れるほどに、農家はもっと奥地へと道をつくって森を開拓して権利を増やそうとする。森がまた後退する。
たとえ森のお茶の味がしなくなっても、数年分の権利金を支払っているために、茶商は黙って販売するだろう。
国有林

手漉き紙をつくっているダイ族の村へ行ってきた。
この紙は『版納古樹熟餅2010年』を包んでいる。
ダイ族の村
ダイ族の村
ダイ族の紙の村
木の皮を煮ているおばちゃん
手工紙
天日干し
伝統的に紙づくりをしているのかと思っていたら、そうじゃなくて、政府の支援で村に特産物を与えたのだった。
原料の木の皮はラオスから送られてくる。
天日干しで仕上げる。

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茶想

試飲の記録です。
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