章朗古樹春餅2016年・黄印 その1.
製造 : 2016年4月7日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 生茶のプーアル茶
保存 : 密封
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺+銅のヤカン
お茶の感想:
銅のヤカンが久しぶりに登場。
しばらく使っていなかったのは修理に出していたから。
内側の錫引きにムラがあったので職人さんのところへ持って行ったら無料で新品同様に仕上げてくれた。やはり仕事に不備があったのだろう。
手づくりにはこんなこともある。
錫引きが新しくなったので金属臭を取り除くためにもういちど開壺作業をやり直した。茶葉を1時間ほど煮ると化学反応で茶湯が真っ黒になる。それを捨てて水を煮る。こうすると金属臭が取れる。ちなみに茶葉は熟茶が良いような気がする。
それでもまだ安定しない。毎日使って3ヶ月くらい経ってやっと安定してくる。
銅のヤカンでこのお茶を試す。
+【章朗古樹青餅2016年・黄印】
銅のヤカンはちょっとクセがある。
クセを理解すると、いつもとは違うお茶の味を引き出せる。自分だけの特別な味。
この歩み寄りが道具との関係をつくる上で大事なところ。買ってすぐに上手に使いこなせるような道具は、たぶん当たり障りなくみんなが使いやすいように作ってある。便利で、安くて、安定していて、日用品としては満点である。
自転車で言うとママチャリ。はじめから足として使う以上の期待はしていない。
例えば、細いタイヤでドロップハンドルで前傾姿勢をとる自転車であれば、まだ行ったことのないもっと遠くへ行ってみたくなる。太いブツブツのタイヤでサスペンションがついているマウンテンバイクなら、わざわざ山のオフロードを駆け下りてみたくなる。
ある目的に機能が特化してゆくと、日常の足としては逆に使い勝手が悪くなる。なにかを得てなにかを諦める。その一長一短を心得ているから楽しみが深くなる。
(7月に購入した愛車は、完成車として販売された自転車だから、汎用性の高いようにシングルスピードを後から多段ギア化できるようにフレームに幅を持たせてある。それが今になってちょっと物足りなく感じる。もしもシングルスピード限定のフレームなら、もっとシャープな線で美しいだろう。ペダルはもっと敏感に反応してシングルスピードならではの漕ぎ味が味わえるだろう。しかしそこまで特化して需要を限定すると数が売れなくなる。自分だけのために特注すると高価な趣味になる。中間は存在しにくい。)
黄印+宜興紫砂の茶壺+銅のヤカンは、孟海県の古茶樹独特の”苦底”を味わうのに最強の組み合わせ。苦いけれど辛くない。苦いけれど軽い。軽いけれど長く響く。甘味もノッている。
香りは微かに”松香”がある。高温淹れでしっかり熱が通った時に顔を出す。
葉底の茶葉の開き具合、フワフワの触感、そして色からもしっかり熱の通った状態が伺える。
ちょっと茶葉が多すぎた・・・。
茶葉を少なめにすると濃くなり過ぎる心配がないので、じっくり時間をかけて抽出できる。グッと熱の通った味わいが引き出せただろう。
広東の茶友に頼まれて手配した。
黄銅(真鍮)のヤカン。
彼はすでに同じタイプの赤い銅のヤカンを愛用していて、リピートの注文。
銅のヤカンは水が柔らかくなりすぎて、茶葉の香りが立ちにくい。彼はそこを心得て、自分好みの美味しいお茶を淹れている。
熱伝導率のちょっとだけ低い黄銅がどのように使われるのか、どんなお茶の味と出会えるのか楽しみ。
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 生茶のプーアル茶
保存 : 密封
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺+銅のヤカン
お茶の感想:
銅のヤカンが久しぶりに登場。
しばらく使っていなかったのは修理に出していたから。
内側の錫引きにムラがあったので職人さんのところへ持って行ったら無料で新品同様に仕上げてくれた。やはり仕事に不備があったのだろう。
手づくりにはこんなこともある。
錫引きが新しくなったので金属臭を取り除くためにもういちど開壺作業をやり直した。茶葉を1時間ほど煮ると化学反応で茶湯が真っ黒になる。それを捨てて水を煮る。こうすると金属臭が取れる。ちなみに茶葉は熟茶が良いような気がする。
それでもまだ安定しない。毎日使って3ヶ月くらい経ってやっと安定してくる。
銅のヤカンでこのお茶を試す。
+【章朗古樹青餅2016年・黄印】
銅のヤカンはちょっとクセがある。
クセを理解すると、いつもとは違うお茶の味を引き出せる。自分だけの特別な味。
この歩み寄りが道具との関係をつくる上で大事なところ。買ってすぐに上手に使いこなせるような道具は、たぶん当たり障りなくみんなが使いやすいように作ってある。便利で、安くて、安定していて、日用品としては満点である。
自転車で言うとママチャリ。はじめから足として使う以上の期待はしていない。
例えば、細いタイヤでドロップハンドルで前傾姿勢をとる自転車であれば、まだ行ったことのないもっと遠くへ行ってみたくなる。太いブツブツのタイヤでサスペンションがついているマウンテンバイクなら、わざわざ山のオフロードを駆け下りてみたくなる。
ある目的に機能が特化してゆくと、日常の足としては逆に使い勝手が悪くなる。なにかを得てなにかを諦める。その一長一短を心得ているから楽しみが深くなる。
(7月に購入した愛車は、完成車として販売された自転車だから、汎用性の高いようにシングルスピードを後から多段ギア化できるようにフレームに幅を持たせてある。それが今になってちょっと物足りなく感じる。もしもシングルスピード限定のフレームなら、もっとシャープな線で美しいだろう。ペダルはもっと敏感に反応してシングルスピードならではの漕ぎ味が味わえるだろう。しかしそこまで特化して需要を限定すると数が売れなくなる。自分だけのために特注すると高価な趣味になる。中間は存在しにくい。)
黄印+宜興紫砂の茶壺+銅のヤカンは、孟海県の古茶樹独特の”苦底”を味わうのに最強の組み合わせ。苦いけれど辛くない。苦いけれど軽い。軽いけれど長く響く。甘味もノッている。
香りは微かに”松香”がある。高温淹れでしっかり熱が通った時に顔を出す。
葉底の茶葉の開き具合、フワフワの触感、そして色からもしっかり熱の通った状態が伺える。
ちょっと茶葉が多すぎた・・・。
茶葉を少なめにすると濃くなり過ぎる心配がないので、じっくり時間をかけて抽出できる。グッと熱の通った味わいが引き出せただろう。
広東の茶友に頼まれて手配した。
黄銅(真鍮)のヤカン。
彼はすでに同じタイプの赤い銅のヤカンを愛用していて、リピートの注文。
銅のヤカンは水が柔らかくなりすぎて、茶葉の香りが立ちにくい。彼はそこを心得て、自分好みの美味しいお茶を淹れている。
熱伝導率のちょっとだけ低い黄銅がどのように使われるのか、どんなお茶の味と出会えるのか楽しみ。
- 2016.08.27 Saturday
- プーアール茶2016年
- 13:17
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- by ふじもと