倚邦古樹晒青茶2017年 その1.
采茶 : 2017年03月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
お茶の感想:
早春に茶友が農家から拾ってきたお茶。
采茶は3月15日頃かと思う。
古茶樹の春の旬のはしりだが、その後すぐに長い雨になったから、2017年3月のはこのお茶だけ。
晒青毛茶にして1キロ弱。
少なすぎて茶友たちと分けて飲んで終わり。市場に流通するわけがない。
5煎分の毛茶を分けてくれたが、美味しいから3日でぜんぶ飲んでしまった。
勉強会のサンプルにしたらよかった。
4月は雨がつづいて、結局今年の春のお茶をつくることはなかった。
旧六大茶山の倚邦には小葉種の古茶樹がある。
明代に漢族が南下して持ち込んだ品種と推測される。
この土地のお茶づくりは古いが、それまでは遊牧民などの生活のためのお茶がメイン。倚邦のお茶づくりは都市の茶文化の市場に向けたお茶なので、高級茶づくりである。
倚邦は現在3つの村に分かれていて、茶地(山)も3箇所に分かれている。
ちょうど真ん中に位置する村は昔の石畳が残っているので有名だが、残念なことに茶地にも村にも除草剤を使用している。
+【倚邦古茶樹 写真】
村長の管理が悪い。
他の2つの村は頑張っていて、村の中や茶地へ向かう道も村人が総出で草刈りをしている。除草剤を一切使わない。
いちばん奥地にある村は、この地域に最初に漢族が移住してきた村だが、後に茶荘(今で言う貿易商)らが真ん中の村に引っ越して、現在は当時の石畳すら残っていないので見学する人は少ない。
15世帯ほどだろうか、古くからこの地域のお茶づくりに関わってきた彝族の農家がひっそり暮らしている。
村は過疎化がすすんでいるが、近年の古茶樹ブームで農地の拡大は再び盛んになっている。新しく開拓された外地からの投資によるもの。”初製所”と呼ぶ一次加工の晒青毛茶をつくる製茶場が新しく建設されている。
茶地を開拓して農園がつくられる。
森が伐採され、ゴルフ場の芝生のような緑の農地に新しい苗が植えられる。
森が減ったことで山の気候が変わり、古茶樹の体質変わってくる。お茶の味も体感も変わるだろう。
それでも他の茶山に比べると自然環境は保っているほう。
村から1時間以上歩いて入る森の中には、まだ多くの古樹の群生地帯があり、手つかずのままになっている。
前回に訪問した際には村の近くの茶地を見学した。
昨年の秋はなぜか茶虫が異常発生していた。もちろん殺虫剤は撒かないでそのまま放置。小鳥が群れで来たらいっぺんになくなる。生態環境が良ければ茶葉だけ食い尽くされることなどない。
茶虫の糞を集めて乾燥させて、虫糞茶がつくられる。
倚邦のお茶は春の味。
香り高くジューシーで甘味も苦味もすっきりしている。
水の粒子が細かくて舌触りが滑らか。でも後味は軽い。旬が濃い。
”小葉種”といってもそこそこの大きさだが、殺青はいつもの調子ですると焦がしてしまう。とくに雨の前の水分の少ない茶葉は注意が要る。農家はそんな微調整などお構いなしなので、やはり焦げている。茶杯の底に焦げた黒い粉が見えるが、味にはたいした影響のないレベルだった。
問題は長期熟成。
この品種は長期熟成にあまり適さないのでは?と考えている。
まだ理由がわからないので説明できないが、保存熟成した現物で証明するときがくる。
四国の愛媛県で無農薬栽培されている甘夏。
見かけが悪いから市販されずに親戚からまわってくる。そのほうが市販されるものよりも良い。
酸っぱくて甘い。ちょっと苦い。
味は媚びていないが、体感が良い。息がスッと軽くなる。肩から背骨の上から下までの筋肉がゆるむ。
お茶もそうで、どんなに専門家が評価していても体感の悪いのはダメ。
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
お茶の感想:
早春に茶友が農家から拾ってきたお茶。
采茶は3月15日頃かと思う。
古茶樹の春の旬のはしりだが、その後すぐに長い雨になったから、2017年3月のはこのお茶だけ。
晒青毛茶にして1キロ弱。
少なすぎて茶友たちと分けて飲んで終わり。市場に流通するわけがない。
5煎分の毛茶を分けてくれたが、美味しいから3日でぜんぶ飲んでしまった。
勉強会のサンプルにしたらよかった。
4月は雨がつづいて、結局今年の春のお茶をつくることはなかった。
旧六大茶山の倚邦には小葉種の古茶樹がある。
明代に漢族が南下して持ち込んだ品種と推測される。
この土地のお茶づくりは古いが、それまでは遊牧民などの生活のためのお茶がメイン。倚邦のお茶づくりは都市の茶文化の市場に向けたお茶なので、高級茶づくりである。
倚邦は現在3つの村に分かれていて、茶地(山)も3箇所に分かれている。
ちょうど真ん中に位置する村は昔の石畳が残っているので有名だが、残念なことに茶地にも村にも除草剤を使用している。
+【倚邦古茶樹 写真】
村長の管理が悪い。
他の2つの村は頑張っていて、村の中や茶地へ向かう道も村人が総出で草刈りをしている。除草剤を一切使わない。
いちばん奥地にある村は、この地域に最初に漢族が移住してきた村だが、後に茶荘(今で言う貿易商)らが真ん中の村に引っ越して、現在は当時の石畳すら残っていないので見学する人は少ない。
15世帯ほどだろうか、古くからこの地域のお茶づくりに関わってきた彝族の農家がひっそり暮らしている。
村は過疎化がすすんでいるが、近年の古茶樹ブームで農地の拡大は再び盛んになっている。新しく開拓された外地からの投資によるもの。”初製所”と呼ぶ一次加工の晒青毛茶をつくる製茶場が新しく建設されている。
茶地を開拓して農園がつくられる。
森が伐採され、ゴルフ場の芝生のような緑の農地に新しい苗が植えられる。
森が減ったことで山の気候が変わり、古茶樹の体質変わってくる。お茶の味も体感も変わるだろう。
それでも他の茶山に比べると自然環境は保っているほう。
村から1時間以上歩いて入る森の中には、まだ多くの古樹の群生地帯があり、手つかずのままになっている。
前回に訪問した際には村の近くの茶地を見学した。
昨年の秋はなぜか茶虫が異常発生していた。もちろん殺虫剤は撒かないでそのまま放置。小鳥が群れで来たらいっぺんになくなる。生態環境が良ければ茶葉だけ食い尽くされることなどない。
茶虫の糞を集めて乾燥させて、虫糞茶がつくられる。
倚邦のお茶は春の味。
香り高くジューシーで甘味も苦味もすっきりしている。
水の粒子が細かくて舌触りが滑らか。でも後味は軽い。旬が濃い。
”小葉種”といってもそこそこの大きさだが、殺青はいつもの調子ですると焦がしてしまう。とくに雨の前の水分の少ない茶葉は注意が要る。農家はそんな微調整などお構いなしなので、やはり焦げている。茶杯の底に焦げた黒い粉が見えるが、味にはたいした影響のないレベルだった。
問題は長期熟成。
この品種は長期熟成にあまり適さないのでは?と考えている。
まだ理由がわからないので説明できないが、保存熟成した現物で証明するときがくる。
四国の愛媛県で無農薬栽培されている甘夏。
見かけが悪いから市販されずに親戚からまわってくる。そのほうが市販されるものよりも良い。
酸っぱくて甘い。ちょっと苦い。
味は媚びていないが、体感が良い。息がスッと軽くなる。肩から背骨の上から下までの筋肉がゆるむ。
お茶もそうで、どんなに専門家が評価していても体感の悪いのはダメ。
- 2017.05.30 Tuesday
- プーアール茶2017年
- 17:14
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- by ふじもと