プーアール茶.com

茶教室・京都

倚邦古樹青餅2014年・明後 その9.

製造 : 2014年05月15日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 密封
茶水 : タイのミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺+銅のヤカン
メコン川
川の舟
川の草
空
川の階段
川の社
窓からメコン川

お茶の感想:
火入れ実験のつづき。
『邦古樹青餅2014年・明後』
低温の火入れをしてみる。
茶葉
茶壺をつかって茶葉の火入れ
ヤカンの上に乗せた茶壺の中で40分。
茶葉の火入れにしては低温だが、時間をかけて熱を伝える。この変化を確かめる。
前回の勉強会で生茶の餅茶『易武古樹青餅2010年』を炭火で炙ってみた。
お餅を焼くみたいに小さめの七輪に網を敷いて餅茶の崩したカケラを置いて炙った。
お餅
(写真は実際にお餅を焼いているところ。)
初回は加減がわからずに焦がしたが、2回めは手を近づけても耐えられるほどの遠火でじっくり1時間ほど炙った。
これがとても香りのよいお茶になった。
新鮮な緑が蘇るような爽やかな香り。やや烏龍茶っぽくなる。生茶の複雑な味がシンプルになる。
遠赤外線の照射熱は茶葉のミクロの複雑な形状にもまんべんなく熱を当てることができる。
茶壺の中
今回は、茶壺ごと蒸すが、茶壺の中は乾燥している。
茶葉に水分がある状態で加熱すると酸化しやすい。
どんな茶葉でも繊維の中にわずかな水を持っている。
ゆっくり熱を加えて、茶葉の繊維から抜ける水が茶壺の蓋の裏につくのを拭き取りながら、乾燥させながら、火を入れる。
ヤカンの上で蒸気で蒸すのは焦げる心配がない。そこがよい。
泡茶
こうして火入れした茶葉は、なぜか湯を注いでから茶葉の成分が出るのにちょっと時間がかかる。
熟成期間の長い茶葉のようになる。
味もまた熟成されたものに近づく。
いつもは4煎めくらいから出てくる深い味わいが1煎めからいきなり出てきた。
煎を重ねて熱を加えてゆくのと同じ効果が、茶壺の中での火入れによって得られたのだと思う。
また、焙煎したときのように、複雑な味がシンプルになっている。
体感は落ち着いている。”寒”の性質から”温”の性質に傾くせいか、近づいているせいか、身体が温まる。
このブログでもたびたび指摘しているが、”寒”の強い新しい生茶のプーアール茶を飲むのは、天候や体調の合うタイミングが難しい。
なにもしないで汗をかくような暑い季節はよいが、寒い季節には向かない。個人差があるのでその加減を自分で調整しなければならない。
この感覚がつかめるまで。慣れるまで時間がかかる。
火入れによってお茶の性質を変える技術には知恵がある。

チェンコーンに通いだしてから6年経つが、今回はじめて見つけた豚の生の血のラープ。
ラープは肉を香草やスパイスをいっしょに叩いてミンチにして、塩や魚醤や辛子味噌などで味付けしたもの。
生のラープ
この写真のラープは血だけでなく肉も生である。数年前に西双版納のタイ族の村でご馳走になって以来だったが、チェンコーンのお惣菜屋さんにも生のものが売っていた。
味は、牛肉の生のユッケやタルタルステーキや魚のなめろうにも似ているが、血生臭さなど全くなく、脂っぽいこともなく、サラッと口に溶ける。血の成分が生きているのだろう。
豚の生の血、細菌や寄生虫が怖いよな。
体調の良いときに食べる。ゆっくり食べる。付いている香草といっしょに食べる。主食のもち米といっしょに食べる。ラオスの50度の焼酎ストレートを飲みながら食べる。冷たい飲み物を飲まない。
お腹の中の消化の過程で発酵に似たようなことが起こっているが、良い発酵をしたら悪い菌などやっつけてくれる。はず。

巴達古樹紅餅2010年 その23.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : タイのミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺・銅のヤカン
川を見ている
川を見ている
川の社
川と舟
川と朝日
川を見ている
夕焼けの空
川の夕焼け
川の月
川の月

お茶の感想:
また川を見ている。
+【ずっと川を見ている】
前回の勉強会”煎じるお茶”に思いがけない成果があった。
火入れの火(熱)でお茶の味も変わるし体感も変わる。
製茶のときの火(熱)のように、お茶を淹れるときの熱もまたお茶の性質を左右する。
中国茶には様々なお茶があるが、そのつくり分けは薬効のタイプをつくり分けるところからはじまったと推測している。
昔はお茶がもっと医食同源に近いところにあったから。
茶葉を炙ったり煮出したりは薬草を煎じる感覚に近い。
西双版納の山の農家では今でも薬草を採ってきて家庭の常備薬をつくっている。村にひとりは詳しい老人がいる。例えば三七(田七人参)は、生のまま・天日干し・炙り・煮出し、などの加工によって効能が異なる。
お茶づくりの火入れもこのようであったと考える。
タイのチェンコーンに滞在中にこのお茶に気付きがあったので記録する。
+【巴達古樹紅餅2010年】
雨の川
雨
タイの北部のチェンマイやチェンコーンに行くときはいつも崩しかけの餅茶を持ってゆく。ジップロックに密封しているけれど、お茶を淹れるたびに開封して湿度の高い空気に晒す。パリパリに乾燥していた茶葉が一週間後には湿って、柔らかくなるのが指先の触感でわかる。一煎分ずつ小さな袋に小分けして密封しておくとよいが、面倒なのでしていない。
餅茶ごと晒干(天日干し)する。
餅茶を晒干
チェンコーンの太陽はとくべつ強く感じるが、おそらく広大なメコン川の水面や、空の真っ白な雲に反射した光のせい。
ちょっと思いついて、今回は晒干する前に崩した茶葉をちょっと残しおいて、晒干した後の茶葉と飲み比べてみた。
2時晒干した。晒干後は茶葉の粗熱がすぐには取れないので翌日に淹れた。
巴達古樹紅餅2010年泡茶
巴達古樹紅餅2010年泡茶
思った通り。
晒干のは火入れのとよく似た風味になっている。
体感も火入れのと似ている。
調子に乗ってこんなこともしてみた。
茶壺で茶葉を炙る
茶葉を火入れする
茶壺を銅のヤカンの口に据えて、お湯を沸かす湯気で茶壺ごと茶葉を温める。40分ほど。
より火入れのすすんだ茶葉になる。
火入れ後
茶壺の中は水が入っていないのでカラカラ。
かすかに焙煎香が出ている。もちろん烏龍茶とまではゆかないが、その雰囲気はある。
泡茶焙煎後
味は紅茶そのもの。メイラード反応に似たココアっぽい風味が出て、やや糖質の焦げた甘い香りがある。
透明感が増して、ひとことで言うとサッパリしている。生の辛味のピリピリ感はなくて、喉の通りがスッと落ち着いている。腹の収まりも良い。
もちろん失うものもある。色彩豊かな複雑な風味、一煎ごとの表情の変化。これらは生の特有の魅力だったことがわかる。
晒干の餅茶
生に仕上げた晒干の紅茶だからこそ、淹れるときにちょっと手を加える余地がある。
冷蔵庫もない時代の昔の家庭では、保存食の食材の蘇生方法がいろいろあっただろう。
そこに家庭の医学のような知恵も潜んでいたと思う。

上海の坊
8月中頃から上海の坊が京都に遊びに来てバタバタして、彼らが帰ってすぐの8月末にタイのチェンマイに移動して、やっとひとりになったのもつかの間、今度は西双版納の茶友がラオス経由でタイに来てチェンコーンで合流してチェンライまでいっしょに行って、またチェンコーンに戻ってやっと落ち着いたらもう9月中盤。
日本から飛行機を乗り継いでチェンマイの宿に着いて疲れて爆睡して目が覚めたときに、ほんの3秒くらいだと思うけれど、ココがどこかわからなくなっていた。もしかしたら一瞬自分が誰かもわからなかった。
けっこう慌てた。こんなことはじめて。今度寝て起きたらどうなるのだろ。
ランテン村
アンティークの布
チェンコーンからチェンライ伸ばす
パパイヤビレッジ
チェンコーンに遊びにきている韓国人のジョンさんにこの話をしたら、「僕もときどきなります」とのことなので、大丈夫かなと思う。ジョンさんはあちこち気ままに旅して移動が多いから、体と気持ちの在るところにタイムラグが生じるのだ。
この件はそういうことにしておく。

1

茶想

試飲の記録です。
プーアール茶.com

・キーワード検索

通信講座

開催中
+【通信講座】

・カレンダー

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

・表示されている記事

・お茶と年代のカテゴリー

・記録

Instagram

お茶の歴史
お茶の歴史 (JUGEMレビュー »)
ヴィクター・H・メア,アーリン・ホー

・サイトリンク

・プロフィール

 

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM