プーアール茶.com

茶教室・京都

章朗古樹紅餅2016年・青印 その6.

製造 : 2016年4月6日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・炭火
鉄瓶縦長
チェコ土の茶壺
夏の空

お茶の感想:
暑さで内蔵が疲れて、生茶のプーアール茶が重い。
熟茶はお腹をいたわるけれど、身体の熱がこもるのでスッキリしない。
なので紅茶。
+ 【章朗古樹紅餅2016年・青印】
みんな同じことを感じているせいか、なぜか今年の夏は紅茶のリクエストが多い。
章朗古樹紅餅2016年・青印
晒干で仕上げた涼しい体感が夏にピッタリ。
とくに巴達山章朗寨のは苦味がキリッと立つので味もまた涼しい。
生茶に比べるとおっとりしていて、お腹への収まりもよい。古樹のミネラルを採って熱中症予防にもなる。
お茶を飲んでしばらくすると内蔵が活性化されてお腹が減ってくる。
ねっとうをかける
身体のいろんなところにジワジワくる。
個人によって現れ方が異なるから、各自が自分を観察をして、飲むべき量や飲むべき時を選べるようになるべき。
注ぎ
西双版納の古茶樹には山の性質が現れている。
そこを味わえなかったら価値がない。
他人がどう評価しようが、自分の身体がどう評価するか。
茶湯の色
チェコ土の茶壺と皿

瑶洞古樹青茶2015年 その1.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山瑶洞古茶樹春茶
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 京都・陶器の壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紅泥の茶壺+鉄瓶+炭火

お茶の感想:
瑶洞は地名。
漫撒山の一部で、ラオスとの国境近くの中国側。
このあたりは瑶族のテリトリーだから瑶洞。
森に囲まれた小さな茶地なので有名ではないが、後にここが刮風寨のエリアにあることがわかった。
刮風寨と言って茶葉を売れば高値がつくが、これを手掛けた泰族の農家。
瑶族との関係上なにか遠慮があるのかもしれない。
瑶洞古樹青茶2015年
刮風寨は”茶王樹”と”茶坪”の2箇所がメジャー。古樹がもっとも多くある。
マイナーな地域の”冷水河”や”三家寨”にも古樹があり、過去に試飲したことがあるが、”茶王樹”と”茶坪”に比べるとやや劣る。
刮風寨は国有林に指定された広大なエリア。
現地の瑶族といっしょに山を歩くと、あっちの山の斜面にもこっちの山の斜面にも古樹が隠れている話が出てくる。
しかし、それをお茶に加工するのは容易ではない。
茶葉を収穫して村に持ち帰るまでの山道を整備するところからはじまる。
人が歩くだけの道をつくるにしても、密林の整備は人件費がかかる。少量の茶葉では採算をとるのが難しい。
結局まだ手つかずになっているところが多い。
瑶洞もそういうマイナーな茶地であった。
易武山麻黒の農家が個人で借りて、個人で手入れして、個人で采茶しているからこそ成り立つ。
毎年この茶葉を求める茶商がいるから、つくればそれなりの価格で売れる。
2010年の春に麻黒の大漆樹でお茶づくりをしていたときに、瑶洞へつづく道の草刈りに行って帰ってきた農家の服にヤマビルがたくさんついていたのを見た。
まだ乾季の終わらない早春で、雨が降らない季節なのにヤマビルがいるのはおかしい。その森は深く水気をたっぷり含んでいたことがわかる。
瑶洞古樹青茶2015年
鉄瓶
瑶洞古樹青茶2015年
瑶洞古樹青茶2015年
マイナーな茶地のお茶は、まず素質を見る。
水質が良いか。体感が良いか。
これはあくまで個人の判定になるからゆるい。
しかし、瑶洞が刮風寨のエリアにあることがわかったからには、今後は比べて飲むことになる。
マイナーな”冷水河”や”三家寨”、そしてメジャーな”茶王樹”や”茶坪”。
これからは厳しい品茶のリングに上がる。闘茶に勝つか負けるか。
銘茶になるのはそうやって鍛えられて残ってゆくやつだけ。
葉底
お茶づくりを学ぶなら、無名茶山のゆるい評価のところに居てはダメ。有名茶山の厳しい評価に晒されたほうがよい。

孟海旧家紅餅2018年 その1.

製造 : 2018年3月18日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県孟宋山小茶樹
茶廠 : 愛尼族の農家
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の茶杯・銅のヤカン+炭火
銅のヤカン
チェコ土の茶壺

お茶の感想:
先日紹介した緑茶のような生茶と同じ原料でつくられた紅茶。
+【孟宋新緑散茶2018年 その1.】苦いけれど
紅茶になると苦いけれど涼しさは満点。
生茶のプーアール茶は、7煎でも8煎でもダラダラ続けて味わいたいファンが多くて、その期待があるので摘み時が早い新芽・若葉はちょっと物足りなくなる。
紅茶の場合は、これはこれで早春を表現できていて良いかもしれない。
1・2煎めの鮮烈な印象。
もちろん、4煎でも5煎でも続けて飲めるし、だんだん甘くなってゆくけれど、このお茶ならではの個性は1煎めに宿る。
餅面
オリジナルの紅茶の製法を農家の若者が参考にして自己流で軽発酵させている。
プーアール茶のように圧餅するオリジナルの紅茶は、圧餅工程での変化を計算して、晒干で散茶が仕上がる時点では軽発酵がちょっと足りないくらいに仕上げている。
しかし農家の若者はその加減がわからないので、しっかり軽発酵をすすめて、それゆえに茶漿と呼ぶエキスに粘着力が無くなって、圧餅がうまくゆかなかった。
圧餅失敗したのが3枚ほどある。その分は崩して壷熟成することにした。
孟海旧家紅餅2018年
これぞ春!という風味で、完成度は高いと思う。
晒干(天日干し)だけで仕上げた紅茶にしては、メイラード反応によるココア風味も出ている。
対象的な甘い紅茶はこれ。
+【刮風生態紅餅2018年】
茶葉が大きくて、茎の部分が長くて、そこから成分を抽出するのに1・2煎では足りない。3煎・4煎と深くなってゆくプーアール茶っぽい紅茶。
気分に合わせてチョイスするために、両方あったほうが良い。
葉底
『孟海旧家紅餅2018年』の「旧家」は、昔の村の意味。
現在は国道に近いところに村が新設されて、数年前からみんな新しい村で生活していて、茶摘みの季節だけ山奥の古い村に住んでいる。
春の終わりに孟海県の孟宋山の村へ行った。
鳥居
鶏
囲炉裏
農家の若者が鶏料理を御馳走してくれた。

孟宋新緑散茶2018年 その1.

製造 : 2018年3月18日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県孟宋山小茶樹
茶廠 : 愛尼族の農家
工程 : 生茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 宜興の茶壺・ガラス杯・鉄瓶+炭火
孟宋新緑散茶2018年

お茶の感想:
西双版納でよく交流している愛尼族の農家の若者がつくったお茶。
緑茶のような生茶。
強い火でしっかり炒って半乾きになって軽発酵のスキを与えないので新鮮味が固定される。
ここまで高温で攻めて焦がさないのはなかなかの腕前で、その腕前を自慢をしたい若さを感じる。
茶樹は樹齢70年くらいの小樹で、2年前までしばらく采茶されていなかった自然栽培。原料としては申し分ないが、采茶のタイミングが数日早くて、葉の成分構成が未熟であることも軽発酵しにくい原因。
サッパリ爽やかなお茶。
泡茶
孟宋新緑散茶2018年
春一番のりで新茶を飲みたい需要にピッタリ。
全部で8キロ。
このようなタイミングのお茶は、一軒の農家に8キロつくれたらよいほう。
農家の若者が山から持って降りてきた。計画性なくいつも金がなくて困っているので、現金と交換した。
たぶんお金を急いでいたから采茶のタイミングが早かったのだと思う。
茶湯の色
上海の天山茶城の友人の店に6キロ送った。7月に立ち寄ったときにはすでに売り切れていた。
残りの2キロは自分の手元に残した。
圧餅を試そうかと検討してみたが、殺青で火入れしすぎているから圧餅による軽発酵の効果も期待できず、散茶のままにした。
みんなに人気で、夏の終わる頃にはなくなるだろう。
葉底
新芽若葉
忘れた頃にまた春が巡ってきて、あいかわらず金に困っている若者がタイミングの早い采茶をして、できたての晒青毛茶を8キロほどを持ってくるだろう。
上海
上海に9日間。
今回は勉強会をしなかった。
台風が近づいて雲がすごいスピードで流されていて、毎日雨が降って、お茶の味も荒れていた。
夏休みになったところの小学2年生の上海のスタッフの坊と遊んだ。
雨のときは天山茶城にある友人の店を借りて二人でお茶淹れの稽古をした。
晴れのときは中山公園を走り回ったり、美味しいものを食べ歩いたりした。
上海の坊はまだ幼いから、叔叔が他の大人たちよりも暇人であることに違和感がない。

1

茶想

試飲の記録です。
プーアール茶.com

・キーワード検索

通信講座

開催中
+【通信講座】

・カレンダー

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>

・表示されている記事

・お茶と年代のカテゴリー

・記録

Instagram

お茶の歴史
お茶の歴史 (JUGEMレビュー »)
ヴィクター・H・メア,アーリン・ホー

・サイトリンク

・プロフィール

 

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM