プーアール茶.com

茶教室・京都

醸香老茶頭散茶90年代 その3.

製造 : 1995年頃
茶葉 : 雲南省景谷茶区大葉種潅木晒青茶
茶廠 : 昆明第一茶廠(推定)
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
熟茶の壺熟成
熟茶の壺熟成
チェコ土の壺
宮廷プーアル茶2005年

お茶の感想:
壺熟成をはじめている。
美味しいお茶をつくるのは夢で、それを長年熟成させるのは夢のまた夢。
壺はどういうのが良いのか、置き場所の環境はどんなところが良いのか、こだわりだしたら果てしない。
壺が足りない。場所が足りない。時間が足りない。お金が足りない。
一生かかっても満足できないから、愉しみは足りる。
写真は熟茶のプーアール茶。
生茶と熟茶の熟成はちょっと違う。
そのコツをカンタンに言うと、生茶は乾燥気味にして熟茶はちょっとしっとりさせる。しっとりさせた分、飲む前にカラッと乾燥させる必要がある。
茶缶で熟成
乾燥を保ち、密封性の高い茶缶に入れておくだけでも熟成はすすむ。
少量だったらこれでもよい。日が当たらない室温の安定したところに置くこと。エアコンの風が当たるところはダメ。
熟茶の場合は、甘くまろやかで透明感が増し、カカオ風味が少し加わるのが理想。
通気のある入れ物なら、幸運に恵まれると、金花と呼ぶ麹カビの一種が緩慢に活動して、お香のような甘く上品な香りと、ほろ苦味のスパイスを加えてくれる。
このお茶は金花がもともと着いていた。
+【醸香老茶頭散茶90年代】
入荷した当時はそれがまだ活動していたせいか、黄色やオレンジ色が鮮やかだったけれど、茶葉が乾燥してゆくにつれ金花カビは休眠するせいか、いつのまにか色が落ち着いている。
これでよい。菌類のつくって残した酵素がびっしり茶葉についているだけで熟成はすすむ。もしも菌類が生きたまま活動を続けたら、茶葉が土になって、お茶の味はなくなるだろう。
良性の菌類を付けて増殖させる”発酵”の過程と、それがつくった酵素成分による緩慢な変化が起こる”熟成”の過程と、区分けするべきなのだ。
鉄瓶と茶壺
チェコ土の茶壺
茶葉は乾燥していても熱するとミクロの繊維が抱える水が出てくる。
この繊維の中の水はわずかなので、菌類が増殖することはないけれど、酵素の作用を促すことはできる。茶葉の成分が変化する。熟成はこれで十分。
余計な雑菌に活動させないためにも、湿度を上げるようなことはしないほうがよい。
注ぎ
注ぎ
茶湯の色
入荷した当時よりも味が薄くなった気がするが、それで正しい。透明感が増して、もっと繊細なところの風味が鮮やかに見えて、飲んだときの充実感がある。
雑味のあるうちはミルクティーにしても良かったけれど、現在はストレートの味のほうが広がりや奥行きを感じられる。
茶葉の乾燥
茶葉の乾燥
もうちょっと乾かして熟成させたほうが良いと考えて、炭火の熱で水を抜いた。

「当たり年のワインのポテンシャルはそれはいいだろう。せっかちな俺には早く飲み時を迎えるから、ハズレ年のワインもそう悪いもんではない。」
という熟成の言葉があるらしい。

刮風寨単樹2号2018年 その2.

製造 : 2018年4月13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶100g
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯・鉄瓶・炭火
単樹2号
単樹2号
茶壺

お茶の感想:
はじめて飲むプーアール茶の美味しさが一瞬で分かるのは、過去に別の食べものや飲みもので経験した記憶があるから。その記憶は抽象化したカタチになっていて、美味しさの要素みたいな共通点を見つけることができる。
ここまでが、どこかで聞いた脳の働きの話。
ここから先が、勝手に想像を膨らませた話。
美味しさの記憶は舌や鼻だけでなく、歯の記憶も、目の記憶も、耳の記憶も、喉の記憶も、胃の記憶も、腸の記憶も関連しているかもしれない。
味覚データだけでなく、光や音や温度や振動や電気信号からカタチの共通点を見つけているかもしれない。
例えば、はじめて飲むお茶に、いつか見た夕日の空の光と同じカタチを見つけて「懐かしい味」と認識するとか。
例えば、好きな音楽の旋律やリズムと同じカタチを見つけて、お茶の味の印象を味わうとか。
経験がなくても美味しさを判断できる。
紫砂
注ぎ
注ぎ
茶湯の色
+【刮風寨単樹2号2018年 その1.】
「静かな湖面を水鳥が低空飛行でずーっと飛んでいる感じ」。
チェンコーンの友人がこのお茶を飲んで言っていたのは、そんな風景だった。
想像力を働かせて比喩的に表現したのではなくて、ほんとうにこのお茶の余韻と同じカタチの湖の風景を見たのかもしれない。
お茶を飲んで、心が遠い景色を見たり、雲の上を散歩したり、海の深いところへ潜ったり。
無意識は自由自在。
葉底
こんな話をしているせいか、お客様二人からメールで写真をもらった。
無意識ですべてが繋がっている。
許可を頂いて掲載。
海
海
港
海の光。
森と火
森と日
森の空気。

漫撒一水紅餅2016年 その4.

製造 : 2016年4月3日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 店長+孟海県の工房
工程 : 晒干紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 通気を許した保存
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の白泥の茶壺+チェコ土の杯+鉄瓶+炭火
宜興の白泥の茶壺
漫撒一水紅餅2016年

お茶の感想:
漫撒山の原生品種に近い茶樹が日陰で育った"陰"の味わい。
+【漫撒一水紅餅2016年】
手で揉捻したことでこの効果が引き立ったと思う。
紅茶の味には違いないが、身体への影響と心への作用に手揉みの作用がある。
口に溶ける。喉を滑る。腹になじむ。背中や肩がゆるんで沈んでゆくような体感。
なにもしたくなくなる脱力感。心が静まって、だまって一点を見つめたままになる。
多くの紅茶が目の覚めるような”陽”の性質を持つ。それを飲み慣れた人や、陽の気にすら気付いていない人からすると、陰の味わいがピンとこないだろう。
得体のしれない感覚に拒否反応が現れる。
仲間といっしょに居ると無言のままでいられなくてお喋りしたり。
お茶を飲むだけでなにもしないのはもったいないので仕事をしたり音楽を聞いたり。
とにかく陰に光を当ててしまう。
注ぎ
白泥の茶壺
陰翳礼讃。暗がりの美しさ。
この美しさを表現する絵画や写真は数あれど、陰の味わいを体感できるのはお茶ならでは。
これを伝えたくて勉強会をする。
学芸員や評論家が芸術作品を解説するように、お茶の鑑賞方法を解説したい・・・・という気持ちをぐっと堪えて、陽の味わいの紅茶と飲み比べる。
陽の紅茶。
+【孟海旧家紅餅2018年】
対象的なお茶の印象を、身体と心で気付いていただく。
この場合、2つのお茶を交互に口にしてもどちらが陽で陰なのかわからないから、ひとつずつ時間をかけて飲む。
注ぎ
実は10日ほど前に仲間内でお茶を飲む機会があって、この実験をした。
効果がはっきりわかって面白かった。
陽の紅茶を飲んだ後はおしゃべりがはずんで、陰の紅茶を飲みだしてからはみんなだまってしまった。
意識しなくても自然にそうなる。
このとき解説資料を用意していたが、勉強会では資料も無しにする。
茶学の資料
資料があるとそこに目がゆく。外の世界の情報を拾うほうに意識が向いてしまう。
自分の中に意識を向けてほしい。目を瞑って外の世界の情報を断つくらいのほうがよい。
外側にはなくて内側にある美の鑑賞。
自分の身体や脳がどのように反応しているかを観察する。

越境野生青餅2010年 その4.

製造 : 2010年4月
茶葉 : ミャンマーJing dong 野生古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 通気のある常温
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
鉄瓶に鉄瓶の湯
餅茶崩し
茶葉

お茶の感想:
布朗山系のお茶は、熟成して石鹸のような香りが出てきたという話を地元の茶商から聞いたので、このお茶を飲んでみた。
ミャンマーのお茶であるが、布朗山から山続き。
+【越境野生青餅2010年】
たしかに石鹸っぽい香りがある。
煙草と鰹節の混ざったような、もともとのスモーキーな香りに石鹸が交じる。
2010年当時の文章を読むと「お香のような香り」と書いているが、それが今言う石鹸の香りのことだが、たしかに以前よりも華やかになっている。
布朗山系統のお茶は個人的に好みではないけれど、魅力がわからないでもない。
ちょっと濃くすると舌にピリッとしたスパイスを残すワイルドな感じ。
タバコっぽい煙味。
何煎めかになるとお米っぽい「糯米香」のほっこりした雰囲気。
苦さと甘味の絶妙な綱引き。
快楽のクスリ的な観点では、どちらかというと気分を明るくさせる酒にも似た陽気さがあって、仲間とお喋りしながら飲むのも良いし、ひとりで仕事をしながら飲むなら、やや興奮気味に集中力を高めるだろう。
注ぎ
茶湯の色
今になって気付いたのだが、このお茶の産地はミャンマーのシャン州チャイントンである。チャイントンは中国語の漢字で景棟(Jing dong)。このお茶と同じ地域。
+【曼晒古樹青餅2017年 その1.】
清朝の貢茶が流行った時代にチャイントンは大規模に茶地を開拓されて、その後に需要が低迷した時代が長く続いて森の中に野生化しているのが近年徐々に見つかっている。
ミャンマーのアクセサリー
チャイントンのあたりは布朗族が多くて、生活のお茶づくりの歴史は長いはずだが、茶文化のお茶づくりは清朝の時代の一時期だけ。現在また大規模に茶畑が復興しているが、これは主に西双版納に売られて産地偽装の茶葉になる。
チャイントンの地域には茶山がいくつもあると聞くので、この2つのお茶の風味の違いは大きい。
葉底
美人かどうか。
このお茶『越境野生青餅2010年』は美味しさの要素は満たしているけれど美人じゃない。対して『曼晒古樹青餅2017年」は美人である。
この違いが高級茶になるかならないか。

刮風古樹青餅2018年・黄印 その2.

製造 : 2018年4月11日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
黄印餅形表
黄印餅形裏
黄印餅形包内側
包み紙
餅面
茶葉

お茶の感想:
このお茶。
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
ちゃんと炭で湯を沸かす。
鉄瓶
鉄瓶
湯を注ぐ
蒸らす
茶湯の色
泡茶
すべてがピタッと揃わないと。

熟成壺入り。
熟成壺
熟成壺
1年以上熟成させる。
がまんがまん。

老字号可以興茶磚80年代 その4.

製造 : 1980年代
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山
茶廠 : 可以興茶庄
工程 : 生茶のプーアル茶 (陳年茶葉)
形状 : 磚茶
保存 : 香港ー昆明乾倉 紙包み
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・鉄瓶・炭火
鉄瓶と炭火

お茶の感想:
お客様から「思っていたようなお茶ではない。」とコメントを頂いたので試してみる。
『老字号可以興茶磚80年代』。
老字号可以興茶磚80年代
老字号可以興茶磚80年代
もともと量産できて安く売れることを目指したメーカーのもので、一批か二批だけ本当に良いものが出荷されて、日本円にしたら数十万円から二百万円くらいで取引されるが、それ意外に量産されたものは生活のお茶レベル。老茶の中でも評価の低いお茶であるが、正しい評価だろう。
茶葉は表面だけ新芽・若葉に見えるが、ほとんどが粉砕されたクズ茶葉で、熟成度もバラバラで、いろんな茶葉をかき集めて混ぜ合わせて圧延加工したことが伺える。
茶湯の色
飲んでみると、あんがい良い。
湿気た雲南紅茶みたいな香りもあるし、カビた生茶の苦味もある。しかし、健康的な味。茶湯の色のように味も透き通っている。
甘くもなく苦くもなく。
可もなく不可もない。
美味しいお茶を求める人にはおすすめできない。
そういえば、チェコで勉強会をしたときに、同じような意見をいただいた。ニセモノじゃないのか?という意見もあったが、可以興の廉価なつくりの特徴を考えると、ニセモノづくりには意味がない。
茶湯の色
1990年代にこのレベルのお茶が多い。
茶業が荒れていた時代。
この時代のお茶に慣れ親しんだ人たちだけが楽しめる。
例えば、1980年代中頃から1990年代中頃までの、香港や広東の飲茶の無料のお茶が好きな人。
現在の飲茶レストランのお茶は、熟茶のプーアール茶(メーカーで微生物発酵されたもの)になっているが、過去には生茶を強制的に後発酵をすすめて老茶のような味にしたものが多かった。この二次加工は、雲南の産地のメーカーの倉庫で散茶のまま放置するとか、香港の茶荘の倉庫で湿気させるとか、いくつかの手法があったが、中にはダメになったのもあって、カビ臭いプーアール茶のイメージはここから来ている。
中には良いのもあって、豊潤な熟成風味や甘い香りやほろ苦味が加わり、飲茶の点心を引き立てる。
熟茶のプーアール茶はメーカーで完成するから衛生的であるが、身体を暖める作用が強くて、高温多湿な広東や香港では飲みにくい。
生茶は二次加工されても身体に熱がこもることはないので涼しく飲める。
しかし、1990年代中頃に二次加工の不衛生が指摘されてから、このタイプのお茶は消えてゆく。
葉底
可以興が消えたのもそんな背景があると思う。(現在はまた同じ名前のメーカーが営業しているが、オーナーが変わって昔のままのお茶づくりではない。)
今現在、またこれに似た生茶が大量に流通している。
それは、2000年以降に雲南の産地の茶商が倉庫に大量に保管していたものの再利用。ほとんどが売れ残りのお茶で、茶葉の乾燥に気を使わないから湿気ている。
プーアール茶は2000年以降に大陸のマーケットが開けて、新しい消費者が増えて、昔の良い熟成味を知らない。だから1990年代というだけでよく売れる。
2005年の茶葉にひとつ良いのがあった。
+【漫撒茶山黄金葉熟餅05年 その2.】
これ以降に二次発酵した生茶の良いものにはひとつも出会えない。
ゴミの山の中から宝を探すような難しさ。

漫撒一水紅餅2016年 その3.

製造 : 2016年4月3日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 店長+孟海県の工房
工程 : 晒干紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
炭火
鉄瓶
鉄瓶

お茶の感想:
朝起きて湯を沸かしてお茶を飲む。
それが日課で、ひとりで静かに飲むのだが心は騒ぐ。黙ったまま心の中でおしゃべりしていることのほうが多い。静かになりたいのになれない。
ヨガには瞑想の術があるけれど自分はまだ習得していない。
でも、お茶があるから大丈夫。
心のおしゃべりをピタッと止める陰涼のお茶。
漫撒山の深い森の陰で育った茶樹のお茶。
+【漫撒一水紅餅2016年】
漫撒一水紅餅2016年
お茶の性質には個性があって、例えば同じ森のお茶でも巴達山章朗寨のでは静かになれない。むしろもっとおしゃべりになる。
なにがどうなっているかわからないが、心に及ぼす作用に違いがあるのは確かである。
漫撒山の森のお茶は生茶でも紅茶でも同じように心を静める。三杯めには心が黙ってしまう。ということは製法ではなくて原料の問題。
昔の人はこのことに気がついていた可能性がある。
お茶が快楽のクスリとして嗜まれていた時代。心に及ぼす作用が鑑賞され、評価に議論が重ねられ、多数の意見が一致したところで旧六大茶山が選ばれた可能性。
漫撒一水紅餅2016年
雲南省南部からラオス・ミャンマーにかけての山岳地帯には有名茶山でなくても自生の茶樹が森の中にある。美味しいお茶ならいくらでもある。
味と香りだけを評価してお茶を選ぶなら、六つの茶山だけが有名になるわけがない。
心の作用という別の観点があるような気がする。
注ぎ
茶湯
西双版納の茶友らが数人集まって漫撒山の森のお茶を飲むと、みんな黙って静かになって、各自がある一点を見つめたままになって、たぶん傍から見たらお通夜のようで、悲しいことでもあったように見えるが、そうじゃない。
われわれは味わい方を知っているだけ。
勉強会で上海や日本のお客様といっしょに飲むと、その味わい方を知らない参加者が多い。
勉強会だからなにか発言したほうがよいとか、なにか質問したほうがよいとか、お互いに気を使って無理やり会話をしてしまう。
しゃべりたくもないのにしゃべるのだから後から妙に疲れる。
自然に逆らわずに沈黙の勉強会にしてもよいかもしれない。
葉底
昔の人は心と身体とを分けて考えない。
心の作用に注意を向けたら、大量生産される加工食品や化学調味料の危なさにもっと早く気付くと思う。

沈香黄片老茶磚80年代 その4.

製造 : 1980年代
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納易武山)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明乾倉 竹皮4枚一組
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
鉄瓶と炭火
沈香黄片老茶磚80年代

お茶の感想:
老葉(大きく成長して硬くなった茶葉)でつくられたお茶。
老葉は年中収穫できるが、季節によって内容成分が異なる。
昔は薬効のつくり分けがされていたはず。
義安棗香73特厚磚茶
73特厚磚を飲む機会があった。
【義安棗香73特厚磚茶】
10年ぶりくらい。
熟茶の最高峰でありながらもっとも熟茶らしくないお茶。熟茶と定義されているからには水をかけての微生物発酵の工程があったことになるが、そう思えるところが少なく、生茶の老茶に近い味。
このお茶の説明に気になる部分がある。
------------------------------------
姚計氏は、プーアール茶を仕入れるときは、5級〜6級の大きめの茶葉で作ったものを選びました。新芽はおいしい緑茶を作れるが、おいしいプーアル茶を作らないと考えていたようです。
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姚計氏が73特厚磚以外にどのお茶を倉庫に寝かしたのかは知らないが、香港の倉庫を経由して輸出される目的地では、都市生活者が飲むお茶ということになる。
73特厚磚の味を忘れないうちに今日のこのお茶。
『沈香黄片老茶磚80年代』
沈香黄片老茶磚80年代
注ぎ
沈香黄片老茶磚80年代
あえて言えば73特厚磚ほど甘味はない。水の質がトロッとしていない。
それ以外は茶湯の色も香りも味もそっくり。
特徴あるお香のような香り。味はあっさり。長い時間(7分くらい)かけて抽出しても湯の色が明るい。同じ年代の新芽・若葉の生茶に比べて色が明るい。赤黒くならない。
そして、共通するのは旬の季節に采茶されたらしき茶気の充実感があること。新芽・若葉ほどではないが老葉のわりには茶酔い感覚がある。
葉底
都市生活者の普段飲みのお茶というポジション。
生活のためのお茶であれば、冬の老葉の成分構成のほうが利用価値が高いはず。
旬の茶葉ながら廉価につくる工夫は、このお茶によく似ている。
+【刮風古樹青餅2018年・晩春 その1.】
刮風古樹青餅2018年・晩春
刮風古樹青餅2018年・晩春
刮風古樹青餅2018年・晩春
葉底

章朗古樹紅餅2016年・青印 その7.

製造 : 2016年4月6日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・炭火
鉄瓶と炭
チェコ土の茶壺と茶杯
金継ぎ

お茶の感想:
2016年の春のお茶は一天一采。
ある一日に采茶した茶葉でひとつのお茶をつくる。
その経験から采茶のタイミングがいかに重要かわかってきて、手元のお茶を飲むたびに新しい発見がある。
今年2018年の春のお茶づくりも采茶のタイミングを重視した。
茶針で崩す
餅面の茶葉
+ 【章朗古樹紅餅2016年・青印】
「采茶のタイミングをどう見ますか?」
と前回の勉強会で質問されたが、そのときはうまく説明できなかった。
茶葉の成長度も見るし、天候も見るし、茶摘みのアルバイトの人材確保の問題もあるし、茶地の権利を持つ農家との利害交渉もあるし。
生産コストや効率とのバランスをとるのが仕事としては大事だろうが、マニアの立場で理想のお茶づくりをするのなら、新芽・若葉の生命力が緑の炎のように見える一日を選ぶ。
鉄瓶と炭
鉄瓶注ぎ
注ぎ
茶湯の色
このお茶の場合、たまたま農家の都合で理想に近い一日の采茶となった。

1

茶想

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