醸香老茶頭散茶90年代 その3.
製造 : 1995年頃
茶葉 : 雲南省景谷茶区大葉種潅木晒青茶
茶廠 : 昆明第一茶廠(推定)
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
お茶の感想:
壺熟成をはじめている。
美味しいお茶をつくるのは夢で、それを長年熟成させるのは夢のまた夢。
壺はどういうのが良いのか、置き場所の環境はどんなところが良いのか、こだわりだしたら果てしない。
壺が足りない。場所が足りない。時間が足りない。お金が足りない。
一生かかっても満足できないから、愉しみは足りる。
写真は熟茶のプーアール茶。
生茶と熟茶の熟成はちょっと違う。
そのコツをカンタンに言うと、生茶は乾燥気味にして熟茶はちょっとしっとりさせる。しっとりさせた分、飲む前にカラッと乾燥させる必要がある。
乾燥を保ち、密封性の高い茶缶に入れておくだけでも熟成はすすむ。
少量だったらこれでもよい。日が当たらない室温の安定したところに置くこと。エアコンの風が当たるところはダメ。
熟茶の場合は、甘くまろやかで透明感が増し、カカオ風味が少し加わるのが理想。
通気のある入れ物なら、幸運に恵まれると、金花と呼ぶ麹カビの一種が緩慢に活動して、お香のような甘く上品な香りと、ほろ苦味のスパイスを加えてくれる。
このお茶は金花がもともと着いていた。
+【醸香老茶頭散茶90年代】
入荷した当時はそれがまだ活動していたせいか、黄色やオレンジ色が鮮やかだったけれど、茶葉が乾燥してゆくにつれ金花カビは休眠するせいか、いつのまにか色が落ち着いている。
これでよい。菌類のつくって残した酵素がびっしり茶葉についているだけで熟成はすすむ。もしも菌類が生きたまま活動を続けたら、茶葉が土になって、お茶の味はなくなるだろう。
良性の菌類を付けて増殖させる”発酵”の過程と、それがつくった酵素成分による緩慢な変化が起こる”熟成”の過程と、区分けするべきなのだ。
茶葉は乾燥していても熱するとミクロの繊維が抱える水が出てくる。
この繊維の中の水はわずかなので、菌類が増殖することはないけれど、酵素の作用を促すことはできる。茶葉の成分が変化する。熟成はこれで十分。
余計な雑菌に活動させないためにも、湿度を上げるようなことはしないほうがよい。
入荷した当時よりも味が薄くなった気がするが、それで正しい。透明感が増して、もっと繊細なところの風味が鮮やかに見えて、飲んだときの充実感がある。
雑味のあるうちはミルクティーにしても良かったけれど、現在はストレートの味のほうが広がりや奥行きを感じられる。
もうちょっと乾かして熟成させたほうが良いと考えて、炭火の熱で水を抜いた。
「当たり年のワインのポテンシャルはそれはいいだろう。せっかちな俺には早く飲み時を迎えるから、ハズレ年のワインもそう悪いもんではない。」
という熟成の言葉があるらしい。
茶葉 : 雲南省景谷茶区大葉種潅木晒青茶
茶廠 : 昆明第一茶廠(推定)
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : 香港ー広州ー上海−日本
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
お茶の感想:
壺熟成をはじめている。
美味しいお茶をつくるのは夢で、それを長年熟成させるのは夢のまた夢。
壺はどういうのが良いのか、置き場所の環境はどんなところが良いのか、こだわりだしたら果てしない。
壺が足りない。場所が足りない。時間が足りない。お金が足りない。
一生かかっても満足できないから、愉しみは足りる。
写真は熟茶のプーアール茶。
生茶と熟茶の熟成はちょっと違う。
そのコツをカンタンに言うと、生茶は乾燥気味にして熟茶はちょっとしっとりさせる。しっとりさせた分、飲む前にカラッと乾燥させる必要がある。
乾燥を保ち、密封性の高い茶缶に入れておくだけでも熟成はすすむ。
少量だったらこれでもよい。日が当たらない室温の安定したところに置くこと。エアコンの風が当たるところはダメ。
熟茶の場合は、甘くまろやかで透明感が増し、カカオ風味が少し加わるのが理想。
通気のある入れ物なら、幸運に恵まれると、金花と呼ぶ麹カビの一種が緩慢に活動して、お香のような甘く上品な香りと、ほろ苦味のスパイスを加えてくれる。
このお茶は金花がもともと着いていた。
+【醸香老茶頭散茶90年代】
入荷した当時はそれがまだ活動していたせいか、黄色やオレンジ色が鮮やかだったけれど、茶葉が乾燥してゆくにつれ金花カビは休眠するせいか、いつのまにか色が落ち着いている。
これでよい。菌類のつくって残した酵素がびっしり茶葉についているだけで熟成はすすむ。もしも菌類が生きたまま活動を続けたら、茶葉が土になって、お茶の味はなくなるだろう。
良性の菌類を付けて増殖させる”発酵”の過程と、それがつくった酵素成分による緩慢な変化が起こる”熟成”の過程と、区分けするべきなのだ。
茶葉は乾燥していても熱するとミクロの繊維が抱える水が出てくる。
この繊維の中の水はわずかなので、菌類が増殖することはないけれど、酵素の作用を促すことはできる。茶葉の成分が変化する。熟成はこれで十分。
余計な雑菌に活動させないためにも、湿度を上げるようなことはしないほうがよい。
入荷した当時よりも味が薄くなった気がするが、それで正しい。透明感が増して、もっと繊細なところの風味が鮮やかに見えて、飲んだときの充実感がある。
雑味のあるうちはミルクティーにしても良かったけれど、現在はストレートの味のほうが広がりや奥行きを感じられる。
もうちょっと乾かして熟成させたほうが良いと考えて、炭火の熱で水を抜いた。
「当たり年のワインのポテンシャルはそれはいいだろう。せっかちな俺には早く飲み時を迎えるから、ハズレ年のワインもそう悪いもんではない。」
という熟成の言葉があるらしい。
- 2018.08.31 Friday
- プーアール茶1990年代
- 03:24
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- by ふじもと